下宿の部屋に入ると直ぐに、警護人たちを外に待たせて
いきなり「妹が家出しました、先日日本語で君に話しかけたあの妹です」
「えっ」と父は驚きました
随分と大それた事をする女性だと思った
「気に入らない男との政略結婚を強いられそうになった」からだそうだ
国王もそれ以上にはゴリ押しはしないで、
「多分、エミは日本に行くだろうから、後はお前に任す」
と、モハメッドに電話をして来たのだそうだ
「ふぅん」と聞いていると、
思いも掛けず、
「そこで、これから空港に行ってもらいたいのです」と言われた
「どうして? たくさんの警護人がいるではないですか?」
と言うと
「いや、実はこの話しは極秘なんです、個人的に君に頼むように、というのも国王の要請なんです」
と言われては、断りづらくて
「判った、ともかく行ってみましょう」
「有難う、国王直属のエスピーを一人付けます、何なりと申し付けて下さい」
という事になって、後は電話連絡で…と言い残して、エスピーの車に乗って羽田に向った
夕焼けで顔が赤らめられて、不安が身を硬くしていた…
(続く)
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