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物欲王

思い付くまま、気の向くまま、物欲を満そう

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特攻 空母バンカーヒルと二人のカミカゼ-米軍兵士が見た沖縄特攻戦の真実

2011-03-11 02:36:50 | 
東京大空襲から66年経った今年になって、旧日本軍の「特攻」によって多くのアメリカ人が亡くなっていることに気付きました。

「特攻」というと、軍の力によって、あるいは当時の社会情勢によって、追い詰められ、究極の選択を迫られた若者たちが、成功する可能性の低い文字通り「命懸け」の攻撃を仕掛けたという認識しかありませんでした。特攻隊員の多くはその悲しい目的を果たすことなく散り、少数の成功者しかいなかったということは知っていたつもりだったのですが、裏を返すとその少数の成功者によって命を絶たれたアメリカ兵がいるという至極当たり前のことに気付かないでいました。

出撃するまでの特攻隊員がどのような心持ちだったのか考えるだけで悲痛な思いに満たされます。一方で、決して生きて帰ることのない攻撃を仕掛けてくる異文化の民族を目の当たりにしたアメリカ兵の恐怖たるや、現代に生きる我々ですら想像に絶します。

文化圏の違い、人種差別、特攻に命を捧げた日本兵、特攻の恐怖のうちに命を落としたアメリカ兵、広島以上の命が失われた東京大空襲。私の知らなかったことはあまりに多く、無知を恥じつつ『特攻 空母バンカーヒルと二人のカミカゼ-米軍兵士が見た沖縄特攻戦の真実』という1冊に出会えて本当に良かったと思います。


特攻 空母バンカーヒルと二人のカミカゼ-米軍兵士が見た沖縄特攻戦の真実
マクスウェル・テイラー・ケネディ
ハート出版
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告白

2010-06-03 01:38:20 | 
電車の中で大学生風の男女がファーストキスについて語り合っていました。先輩らしき男性は相手の女性に好意を持っているようで、付き合い始めるための糸口を探しているような会話の運びが、傍目にも痛々しく甘酸っぱい感じがしてなりません。彼らが告白する日が来るのかを想像しつつ途中の駅で電車を降りました。

そんな若々しい告白がある一方で、愛娘を亡くした悲しみにくれる母親の告白もあります。最近読み終わった『告白』は女性教員の衝撃的な告白で幕を開けます。3組の母子愛とそれを取り囲む自己愛と異性愛が入り交じり、物語はぐるぐると螺旋階段を下りて行くかのように深みにはまっていきます。果たしてどこまでが事実なのか、果たしてどこまでが本心なのか。終わることのないスパイラルこそ母性愛の本質なのでしょうか?

すっきりとした解は提示されないながら、何故か心地良い1冊でした。


告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)
湊 かなえ
双葉社

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テルマエ・ロマエ

2010-05-08 01:32:48 | 
髪の毛を切りに行ったらお店の人から『テルマエ・ロマエ』を勧められたので何気なく読み始めました。これが非常に面白いのです。

話の筋としては古代ローマの浴場設計技師が事ある毎に現代日本にタイムスリップし、浴場のアイディアを持ち帰っては古代ローマで再現するというものです。1冊丸ごとずっとお風呂に関する話でよくもここまでテーマが見つかるものだなと感心しつつ読み耽ってしまいました。


テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)
ヤマザキマリ
エンターブレイン

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プロ棋士の思考術

2010-05-05 18:43:04 | 
以前から依田紀基九段が気になっていました。確か『依田ノート』の著者プロフィールだったと思うのですが、同氏の趣味は5時間を掛ける散歩だとか。それを知って以来、どういう方なのかと気になってたまりませんでした。

『プロ棋士の思考術』はそんな依田九段の半生が様々なエピソードを交えて紹介されています。勝負の世界に生きる第一人者の心の持ち方は書かれているものの、いわゆる思考法のHow To本ではありません。依田九段に興味がある方なら楽しく読めることでしょう。

ただ、学校教育に関する記述はどうも納得がいきませんでした。学校で教えている狭義の勉強は「何かの役に立てなければならない」ないし「役に立てることを前提として行われている」という理解が著者にはあるように感ぜられます。しかしよくあるたとえ話ですが、相対性理論よりも折りたたみ傘の方がよっぽど生活の役に立ちます。学校の勉強も囲碁もこの観点ではまったく何の役に立ちませんが、面白さや人の心に与えるものは別の次元で議論されるべきですよね?

とはいえ、随所に依田九段独自の考え方がちりばめられており、興味深くも面白い1冊でした。


プロ棋士の思考術 (PHP新書)
依田 紀基
PHP研究所

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手帳300%活用術

2010-04-25 22:23:42 | 
『手帳300%活用術』を読みました。

以前購入した『手帳・メモ・ノート200%活用ブック』や雑誌で見掛ける情報管理特集の記事などと重複する部分がなくもないのですが、これだけ手帳の活用方法をよくも思い付いたものだと感心すること一入です。これまであまり手帳活用術に関する本を読んだことのない方にはお勧めできる1冊です。


手帳300%活用術
日本能率協会マネジメントセンター
日本能率協会マネジメントセンター

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3月のライオン 4

2010-04-15 00:48:11 | 
4/9に『3月のライオン』の4巻が発売されました。先日「痛みを抱える子供が登場する話」云々と書きましたが、本作もそれに当てはまる欠かすことの出来ない1作です。

ちなみに4/9の発売日はセブンイレブン限定?で同日発売のヤングアニマルを買うと3月のライオンのポストカードとクリアフォルダーがもらえるキャンペーンをやっていました。何となく欲しくなったので買いに行ったのですが、ヤングアニマルはいわゆるマンガ雑誌とは一線を画す表紙のデザインなのでびっくりしてしまいました。好みの問題もありますが、良い子の僕には若干抵抗がありました...


3月のライオン 4 (ジェッツコミックス)
羽海野 チカ
白泉社

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NHKテキスト

2010-03-31 03:59:32 | 
4月からのNHKテレビ講座のテキストは面白そうなものが何冊もありますね。僕の目を引いたのは『チャレンジ!ホビーめざせ!/ロック・ギタリスト』『NHK 囲碁講座』

前者は講師が野村義男さん、生徒がますだおかだの増田さんという一風変わったキャスティング。初回はギターを買いに行くところから始まり、楽器屋さんでエフェクターやピックを眺めるなど、いっこうに弾き始める気配を感じさせないところに好感が持てます。大人のホビーだからがっつかないと言うことでしょうか。

後者はお洒落な写真誌のようにハイキーな表紙が囲碁講座らしからぬ感じです。あまりに白い絵なのでぱっと見た感じではモデルの一人が梅沢由香里さんだとはまったく気付きませんでした。付録に平易な入門書もついており、本気で新たな生徒層を獲得しようという意気込みにあふれています。

年度も改まりますし、NHK講座で何か初めてみたい気分になりました。


NHK 囲碁講座 2010年 04月号 [雑誌]

日本放送出版協会

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弁護側の証人

2010-03-28 00:58:24 | 
何かの記事で古典的なトリックのミステリーと評されていたのを目にし、ミステリー小説をあまり読まない僕はそれはどういうトリックなのだろうと気になって『弁護側の証人』を手にしました。

結論からすれば思っていた通りの結末を迎えます。しかし、そのプロセスが予想外なので著者に一杯食わされた気分になりました。これがミステリーの醍醐味なのでしょうか? ミステリー小説初心者の僕は一抹の悔しさを抱え、「きっと映像化しづらいだろうな」と憎まれ口を吐きつつ、主人公の今後に思いをはせて読み終わりました。

休日のちょっとした時間を充実して過ごすことの出来る1冊ですので、もし初めて本作を耳にされた方は是非とも書店で探してみることをお勧めします。


弁護側の証人 (集英社文庫)
小泉 喜美子
集英社

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素数たちの孤独

2010-03-24 00:48:16 | 
てっきりリーマン予想の解説本だとばかり思って『素数たちの孤独』を読み始めたところ、何度も期待を裏切られてしまいました。

最初の誤算は冒頭にも書いたように本書は数学の解説書ではなく小説だったという点です。最初はかなりがっかりしたのですが、少し読み始めてみると病んだ子供が何人も出てくるではありませんか。僕がIan McEwanの『The Cement Garden』やル・クレジオが好きなのは恐らく話の中に子供が出てくるからです。しかも(程度や内容はさておき)どの作品に登場する子供も何かしら痛みを抱えています。自分自身の子供時代が不幸だったと感傷に浸りたいのか、無垢な子供こそ幸せであって欲しいという願いの裏返しなのかは分かりませんが、どうも痛みを抱える子供が出てくる話は読み進めずにはいられません。

また、個人的に大きく裏切られた感があるのは最後の結末です。展開としては分からなくはないものの、小説のまとめ方として果たしてこれで良かったのか、僕にはちょっと分かりませんでした。本作はイタリアで絶賛されたようですので、僕の文学的素養が足りないだけなのかも知れないですね。

ともあれ数学の知識がない方でも十分楽しめる1冊であることには間違いありません。


素数たちの孤独(ハヤカワepiブック・プラネット)
パオロ・ジョルダーノ
早川書房

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大江戸お寺繁昌記

2010-02-01 23:52:31 | 
子供の頃から妙にお寺に行くと落ち着く感覚がありました。普段直接お寺に用事があることはあまりないですが、ふらふらと休日に散歩をしているときに感じの良い境内を見付けると、ちょっとだけお邪魔することがあります。お寺にはどういう訳か猫が集まっていることが多く、特にお寺が好きでなくとも猫好きなら結構楽しいものです。

こういう話をすると一風変わった散歩趣味に聞こえるかも知れませんが、『大江戸お寺繁昌記』によれば当時のお寺は一大エンタテイメント拠点であり、誰しもがお寺に行っては楽しめたとのこと。本書はWebの記事をもとに一冊の本にまとめたらしく、本全体を通じて筋やまとまりがやや希薄なところが玉に瑕ですが、今とは違ったお寺像をかいま見ることが出来ました。


大江戸お寺繁昌記 (平凡社新書)
安藤 優一郎
平凡社

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