ヨダログ

囲碁棋士 依田紀基のブログ

教師のレベル低下は国力の低下

2017-05-17 | 日記

ネットで信じられないニュースを見た。大阪市の小学校の教師が酒に酔った状態で担任する男児の自宅を訪れて、

男児に暴行を加えていた疑いがあるとのことだった。こんな教師が今でもいるのかと愕然とした。

そして、40年近い昔の悪夢が思い起こされた。

特に中学校では僕に辛く当たる教師が多かった。僕が学校の勉強が出来なかったからである。

自慢ではないが、僕の中学3年の通知表はほぼオール1である。

2学期と3学期は完璧なオール1であったが、1学期は社会科だけどういうわけか、2だった。

ただし、×がついていた。2×ということは1に近い2ということである。どうせなら全ての学期をオール1にして欲しかった。

それはともかくとして、僕が安藤武夫先生の内弟子になり、渋谷区の中学校に通うことになったが、

この中学校の教師はろくでもない人間が多かった。暴力教師が2人もいた。最悪だったのは英語教師だった。

この英語教師は放課後に僕を一人教室に残してアルファベットの書き取りを命じて来た。今考えてもこの英語教師の頭の構造を疑う。

生徒を教室に一人残して、アルファベットの書き取りをさせて英語力が上がるとでもいうのか?

しかもこの教師が付き添って指導するわけでもない。僕は二度目に放課後の居残りを命じられた時に、

当然のことながら、あまりの馬鹿馬鹿しさに安藤家に帰って碁の勉強をしていた。

そしたら安藤家に英語教師から電話がかかってきた。

学校に来いという。僕が学校に行くと、英語教師と体育教師が待ち構えていて、僕はこの2人の教師に顔が変形するまで殴られた。

僕は生まれてから幸いと言うべきかケンカというものをしたことはない。だから他人から殴られたという経験はこの時以外にはない。

僕が殴り合いのケンカをしたことがないというのは、多分、碁の影響だと思う。

相手によって打つ手を変えてはならないという考えからである。

例えば、自分が勝てそうだと思う人間にはケンカを吹っ掛けるけれども、

勝てないと思う人間には尾っぽを丸めるというのでは人間のクズだと考える。

ボクシングの世界チャンピオン相手でも、小学生相手でも同じように対応しなくてはいけないと思う。

少なくとも僕はそう考えているし、他の棋士も同じ感覚だろうと思う。

だから、棋士がケンカをするというのは少ないのでないかな。

僕が暴力教師から呼び出されて殴られて安藤家に帰ってきて僕の顔を見た師匠の奥さんは「教育委員会に訴える」と叫んだ。

当然の反応だろう。しかし、僕は教師の報復を恐れて、「いいから」と、お母さん(師匠の奥さん)を押しとどめた。

今思えば教師が生徒に報復するなど有り得ない。

今僕がこんな教師がいることを知ったなら、あらゆる所に働きかけてこの教師の教員免許を剥奪させようとするだろう。

子供は国の宝である。教育は国づくりの根幹である。教師のレベルが下がることは日本の国力が下がるということである。

こんな教師がいるということは日本のためにならないからである。

つい昔を思い出してしまったが、大阪の田中小学校の事件が事実であれば即教員免許を剥奪してもらいたい。

 


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幻庵

2017-01-19 | 日記

百田尚樹さんの時代囲碁小説「幻庵」読みました。当時の棋士たちを詳細に書いてます。

 

面白いだけでなく、碁の歴史資料としても一級だと思います。当時の棋士間の人間関係もよくわかりました。

 

本を読んで初めてわかったことがたくさんありました。

 

例えば、17歳の服部立徹が28歳の丈和に先相先の白番で勝ったあとの先番で、

 

必勝の碁を一手のミスで落とした碁を幻庵因碩は後に今川義元の油断に例えてますが、

 

丈和についてもこの碁を負けられない事情があったと、かつて勉強した碁の本で読んだことはありましたが、

 

この本読んで理由がわかり、なるほどと思いましたね。

 

もしこの碁に立徹が勝っていたら碁の歴史も変わっていたかもしれませんね。

 

丈和が国技観光という本の中に幻庵に一線を八本這わせて勝った碁をのせています。幻庵は気を悪くしたと伝えられてます。

このことは本の中でも書かれています。

 

僕はこの有名な碁を並べて以前から思っていたのですが、丈和にとって最後の八本目は這わせる意味はない手なのです。

 

ここを白から打つはずはないし、劫立てにも使えるからです。よく、アマの方に「先手だから打つ」という人がいますが、

 

先手だからというのは理由になりません。なにも打たなければ先手ですから。

 

だから僕は碁を指導するときに、「先手だから打つ」という癖を直すだけでも上達しますよ、と言ってます。

 

先手だから打つというのは一種の病気のようなもので、こういう習慣を持っている人の碁はダメ詰まりになります。

 

プロは意味のない手は打ちません。それは骨の髄まで叩き込まれていることです。それなのになぜ丈和は打ったのか?

 

この理由は一つしかありません。丈和は一線を八本這わせたこの形を棋譜に残したかったからです。感じ悪い!

 

この一手見ただけでも幻庵と丈和の関係が想像できますよね。

ある意味、この盤上では意味のない手を丈和が打ったことによってこの棋譜の歴史的価値が上がったと言えるかもしれません。

 

こういうことを想像したりするのも古碁を勉強する楽しみでもあります。

 

名人碁所をめぐる盤外の駆け引きも役者が揃っていて面白い。

 

しまいには中国に渡ろうとして密航を企てるのですが、途中嵐に会ってお金を海に落として一文無しになります。

 

スケールの桁が違う。囲碁史上最高に面白い人だったでしょうね。

 

 

そして棋士にとって究極ともいえる「何のために碁を打つのか?」と問いかけてきます。

 

僕はこの本読んで色々なことを思い出したり想像したり考えさせられて楽しかったし、2日で上下巻一気に読んでしまいました。

 

 


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友人T君の話

2016-11-06 | 日記

最近24歳差の芸能人夫婦が離婚したことが話題になっている。

 

これ自体僕は、古今東西、人間のやることは変わらないと思っているので、誰と誰がくっつこうが、別れようが、あまり興味はない。

 

しかし、娘思いのこの男性は、娘と会うことができず、年2回写真を送ってくるだけなのだという。

 

ネットで調べると、娘さんが父親と会いたくないから、ということらしい。この男性はつらいだろうな、と思う。

 

僕の友人のT君は48歳で、1年前に離婚して、13歳と11歳の息子さんがいる。

 

T君は自分の息子と会うために、家庭裁判所に面会交流請求を起こし、

 

調停の末、月一回の面会交流を裁判所で調書に書いた。

 

調書とは、調停で決めたことを約束として紙に書くことらしい。

 

息子さんとの面会交流は夕食を共にしながら、和気あいあいと、とても楽しい時間だったとT君は言っていた。

 

ところが、3回目の面会交流以降、子供の名前で、

 

「これからは面会交流は僕達も忙しいのでできない」とT君にメールを送ってきたのだそうだ。

 

元奥さんが子供の名前でメールを書いているのか、子供が母親に書かされているのか、子供が自主的に書いているのかは、

 

わからないとT君は言っていた。T君は調書に書いたことを履行してもらうために、家庭裁判所に連絡した。

 

T君は調査員に事情を話した。調査員は元奥さんからも話を聞き、その内容を調査員から聞いた。

 

「元妻の言い分は偽りが含まれているんですよね。そして自分に都合の悪いことは言わない。」と、T君はさびしそうに言った。

 

「だだ、一つ言えることは、子供は圧倒的に同居している親の影響を受けるということ。

同居している親の顔色を伺いながら子供は生活している。」と、T君は話している。

 

「僕は嘘は言わないんですけどね。嘘を言うくらいなら黙っている。依田さん、人生は辛いですね」とT君が言うので、

「そのうちきっと息子さんもわかるときがくるよ。僕も辛いことはたくさんあるけど、

できるだけ楽しいこと見つけて笑って生きていきたいと思うよ。そうしないとストレスで病気になっちゃうからね。」とT君に言った。

(以上のことはT君の許可を得て書いてます。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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記事のタイトルを入力してください(必須)不細工とコンプライアンス

2016-10-22 | 日記

10月27日号の週刊文春の竜王戦の記事について以前も書いたけど、

実は記事の中に少しカチンとくる記述があったんだよね。

普通はあまり感じる人は少ないかもしれないけど。

それは、「ソフトが強くなったことはもう数年前から分かっていたにもかかわらず、何も手を打っていなかった連盟側の責任は極めて大きい」

という一文です。確かに結果論からしたらその通りかもしれない。

でも、人工知能に、もはや人間は勝てないであろうという現状は囲碁界も将棋界と変わりはない。

しかし、囲碁界はこのことに対してまだ何か手を打っているわけではない。

確かに金属探知機などで検査をしたらこのような問題は起こらないかもしれない。

でも、僕個人としては、率先して推奨する気が起きない理由は、ただ一つ。

「不細工で恰好が悪いから」ということに尽きる。

おそらく、今まで将棋界もそうであったろうと思う。

そして現在の囲碁界も。

恰好が悪いことは誰も進んでやりたくないからね。

でも、将棋界もこのような問題が実際に起きてそんなこと言っていられなくなった、

組織防衛という観点から渋々、金属探知機で検査なんかやっているんだと思うよ。

木谷実先生や呉清源先生が生きていたら何と言われるだろう?と考えるよ。

僕は棋士会長を短い間務めていたことがあって、

コンプライアンスというものについて少し調べたことがある。

日本棋院にもコンプライアンスはあるからね。

組織でコンプライアンスと言えば、

例えば、今回の将棋界のような問題が起きると、信用が落ちて組織の存続が危なくなるので、

それを防止するような、制度作りというか、転ばぬ先の杖的なルール作りが、

組織のコンプライアンスというのが僕の理解です。

渡辺竜王も羽生さんもこの点を心配されていたみたいだしね。

だから対局前の金属探知機導入もコンプライアンスの一環と言えると思う。

でもね、何となく寂しさを感じるんだよ。囲碁界もそうなるとしたら。

木谷先生や呉清源先生などの先達はそんなレベルよりもはるか上の倫理観で碁を打っていた。

自分もそうありたい、そんな疑いをかけるなんて夢にも考え付かない。そんな存在でありたいと思うからね。

まあ、僕の感想でね。

僕は棋院から住んでいる所が近いこともあって、対局の時はスマホも持って行かないし、

なんでもいいんだけどね。

棋院でも金属探知機を導入してしばらくしたら慣れるかな。

飛行機乗るときだって、チェック無しじゃ、ハイジャックや爆弾テロ怖いしね。

まとまりのない文章ですみません。

 


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白が前提の推理

2016-10-20 | 日記

今日、週刊文春を買った。将棋スマホ不正全真相という見出しがあったから。

見出しからしてもそうだけど、記事の内容も三浦9段は黒一色という論調だね。

確かに、状況からするとかなり怪しいと僕も思う。

だって、竜王戦の挑戦権を自力で獲得したのなら、普通は絶対引き下がらないって。

「疑われた状態で対局できない」とか言ってる場合じゃないもん。

不正をしていないのなら、疑惑を晴らす事は簡単だよ。

ただ、自分の言葉に命を張ればいいだけのことだよ。

「やっていたら切腹する」と言って資料は求められば全て提出すればいいだけのことだから。

自分でやっていないことを証明するのは難しい。

不正をやっていたことを証明するのは将棋連盟がすることになる。

まあ、これまで、言ってきたことは至極当たり前すぎることで、僕もあまり言っているのも恥ずかしくなってくる。

ここで、三浦9段が不正をしていないという前提で、

では、なぜ竜王戦7番勝負休場というありえないことを受け入れたのか?という僕の推理を言ってみたいと思う。

僕は昔、ある泥棒が交番で捕まった話をテレビで見た。

この泥棒は警官をものすごく怖がっていて、

警官を見たらすぐ逃げ出すのだそうだ。それで捕まったんだとさ。

この番組を見て、僕も警察官を見た瞬間に逃げ出したらどうなるのかな?

と考えたことはある。追いかけてくるのかな?

その時僕を捕まえた警官は何の証拠もない僕に何て言うのかな?

興味はある。

でも勇気がないからまだ一回も警官の前で逃げ出したことはない。

これのもっと壮大なレベルで三浦9段はやっているとは考えられないか?

人を疑うことはリスクのあることだ。

自分を疑った人間達を一網打尽にするために。

すみません。僕の暇つぶしにお付き合いいただいてありがとうございます。

 


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