物欲王

思い付くまま、気の向くまま、物欲を満そう

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クワイエットルームにようこそ

2008-07-25 23:29:39 | 
「健康」や「正常」というのは相対的な評価であるという趣旨のことを言っている人がいました。確かに自分自身がまともであることは自明の理として生きています。しかし観点や基準の設定の仕方次第では、妄信している自身の評価が危ういことは明らかですよね。

3年前の芥川賞候補作にもなった『クワイエットルームにようこそ』を読んでみました。松尾スズキ氏の軽快な文章に載せて、なりゆきで薬物の過剰摂取をし一命を取り留めた主人公が精神病院の閉鎖病棟で過ごす入院生活がテンポ良く進んでいきます。よくよく考えれば重い話ですが、読んでみての印象は切なくも心地良いものです。

殺伐とした最近にあって、自分の立ち位置を少し確認してみたくなる1冊でした。


クワイエットルームにようこそ (文春文庫 ま 17-3)
松尾 スズキ
文藝春秋

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ハードキャンディー

2008-07-20 00:55:07 | テレビ/映画/DVD
『赤ずきん』や『七匹の子ヤギ』のようにオオカミが悪役として登場してくる話をいくつかご存じのことでしょう。たいていオオカミは主人公を一旦食べてしまうものの、最後になってオオカミの腹は切り裂かれ、飲み込まれた主人公が助け出される代わりに沢山の石を詰め込まれて、場合によってはその石の重みで井戸に落ちて死んでしまったりします。勧善懲悪の物語ととらえることもできますし、死刑廃止論が叫ばれる現代においては過ぎた罰とも言えます。オオカミの人権?を尊重するならば、結果として加害者と被害者のどちらが本当の悪なのか判断が難しいところです。

数年前に見逃してしまった『ハードキャンディー』を遅ればせながらDVDで観ました。基本的に二人の登場人物の会話のみで成り立つ構成や、妙に説明っぽさを感じさせることのない台詞など、華美な装飾がない作りは秀逸です。もし本作を初めて耳にする方はあらすじ等の予備知識なくご覧になることをお勧めします。下半身に何も身に付けていない男がキッチン台の上で手足を拘束され、股間を大量の氷で冷やされているとき、果たして赤ずきんちゃんとオオカミのどちらが悪なのか、二人の登場人物のスリリングな会話から推し量ることができるでしょうか?

Ellen Pageの劇中前半の魅惑的な演技と、赤いフードを身に付けて去っていく姿が印象的な一作でした。


ハードキャンディ デラックス版

ジェネオン エンタテインメント

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東京島

2008-07-16 21:27:07 | 
アナタハン島事件に着想を得たという『東京島』を読んでみました。

海難事故で無人島に漂着した五十歳前後の夫婦に続いて、二十人余りの日本人の若者と十数人の中国人男性がたどり着き、共同生活を営むお話。自分以外は全員男であることを活かし、したたかに生きていく女の姿も興味深いですし、住人の多くが日本の若者であることから、無人島でのサバイバルというよりは今の時代の病理を象徴したライフスタイルが浮き彫りになるあたりも面白かったです。

唯一僕にとって予想外だったのは最後の結末でしょうか。より直接的でシニカルな結末を期待しながら読み進めていたのですが、本書の場合は物語の流れ通りの結果でした。失われた他者すらポジティブに解釈してしまうあたりはこれまた現代人の病んだところなのかも知れません。


東京島
桐野 夏生
新潮社

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写真がもっと好きになる

2008-07-10 23:27:07 | 
映画を見に行ったついでに立ち寄った本屋で平積みされた『写真がもっと好きになる。』の装丁があまりに鮮やかだったので、買ってみることにしました。

この本は写真撮影を楽しむためのコツがエッセイ風の文章でまとめられたものです。写真撮影のコツといっても技術論中心という感じではなく、どちらかというと写真を楽しむための心構えが書かれていると言えば適当でしょうか。読み物としては例えば『コンパクトカメラ撮影事典』等の方が優れていると感じました。しかし、本書には「光を観るために、空を撮る。」、「上を向いて歩こう。」、「ゆっくりものを見てみよう。「あなたの”白”は、どんな色?」をはじめとして目から鱗が落ちる記述も多く、写真を撮る上で基本的でありながら重要なことが身に付いたような心持ちがしました。また、後半の一部のページを割いてカメラやレンズについて言及されていますが、ここに出てくる製品も個人的に好きなものばかりで、本書への共感はさらに強まります。

精神論一辺倒でなく時折機材や技術の話を織り交ぜて読ませる本書は、これから写真を楽しもうと考えている人や、写真を撮るのに飽きてしまった人に、新たな発見をもたらすのではないでしょうか。


写真がもっと好きになる。 菅原一剛の写真ワークショップ。
菅原 一剛
ソフトバンククリエイティブ

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ワイヤレスゲートを試す

2008-07-02 00:42:51 | コンピュータ/スマートフォン/周辺機器
ヨドバシカメラに行く度に気になっていたワイヤレスゲートに入会してみることにしました。

ワイヤレスゲートは低価格のホットスポットサービスで、1日299円でWi-Fiサービスが使い放題になります。しかし、これだけだとさして魅力的ではないですね。ワイヤレスゲートの恐ろしいところは、ヨドバシカメラの店頭で配布しているスタート記念パックに記載のあるキャンペーンコードを使って入会すると、月額380円で使い放題になるだけでなく、先着1万人に限り最大2ヶ月間無料で使えるとのこと。これなら入会して使い物にならなくても損することはなさそうなので、試しに入会してみることにしました。

意外だったのは思っていたよりもアクセスポイントが多いことです。自宅や勤務地周辺のアクセスポイントを検索してみると、あちこちに利用可能な場所があるではないですか。別料金が必要なフレッツ・スポットによってカバーされる地点も相当数ありますが、基本料金のみで利用できるワイヤレスゲート・スタンダードサービスエリアもそれなりに配備されています。月額利用料金が380円だと考えると、かなり充実したファシリティといえます。

ざっと見た感じだと、都内であればマクドナルド、(喫茶店の)ルノアールがあるところではほぼ間違いなく使えます。また特に店舗がないようなところにもアクセスポイントが点在しているので、ワイヤレスゲートの携帯Webサイトでアクセスポイントの位置を確認しながら店を選べば、Wi-Fiが利用できる場所はかなり多いのではないでしょうか。

最近はNintendo DSやPSPでもWi-Fiが利用できるので、ノートPCを持ち歩かないような方でも入会してみる価値はありそうですよ。
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シャム猫の登場するゲーム

2008-07-01 21:13:33 | ゲーム
春先から新聞やニュース番組等でも取り上げられ話題になっていたモンスターハンターのフライヤーを何気なく手に取り眺めてみました。もともとAmazon.co.jpのゲームランキングなどでよく見掛けるタイトルだったので知ってはいたのですが、敵キャラクターである恐竜たちがちょっとグロテスクで、特に買おうという気が起こりませんでした。しかし、そのフライヤーを見ると『モンスターハンターポータブル 2nd G』からは一人で遊ぶときの助っ人として「オトモアイルー」なるシャム猫が同行してくれると書いてあるではありませんか。これだけでもゲームを買う価値ありとみて、早速購入です。

狩りに一緒に行ってくれる猫の「オトモアイルー」の他に、料理を作ってくれる「キッチンアイルー」がいたり、村の中をふらふらしている猫がいたり、至る所に猫がいます。本来は恐竜を狩るゲームなのですが、トレーニングに勤しむオトモアイルーを眺めたり、キッチンアイルーに妙な素材で料理を作ってもらって試食したりしているだけで結構楽しめてしまいます。

明らかに遊び方を間違っているだろうけど>自分。


モンスターハンターポータブル 2nd G

カプコン

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