大切なパートナーを選ぶときに何を基準にするでしょうか。過去の経歴や仕事の能力、金銭的な事情、相性、手に触れたときの感覚。いろいろな観点があるかと思いますが、今回は「見た目の美しさ」がすべてでした。僕の麗しきパートナー
MacBook Airをご紹介したいと思います。
以前から
MacBook Airの薄さが気になっていました。封筒から取り出されるCMをはじめて見た時には衝撃を受けたものです。実際手にしてみてもやはり薄く、従来型のノートパソコンしか経験のない僕が液晶パネルを開こうとすると、あまりの薄さに本体側も一緒に持ち上がってしまう程です。薄いと同時に軽すぎるのかも知れませんね。液晶を開け閉めする際に本体がテーブルの上を滑ってしまうことが、ままあるくらいですから。
ディスプレイは最近一般的なほぼ16:9の横長タイプで、そこそこ解像度があるので11.6インチでもさほど狭さを感じさせません。液晶保護フィルタを購入直後に貼ってしまったので映りの良し悪しは何とも言いかねますが、10万円台前半のパソコンとしては常識的な範囲の表現力だと思います。(心持ちやや「ねむい」映りかも?)一つだけ残念なのはディスプレイの可動角度が若干せまく、個人的にはもう少し平らに近くなるくらいまで倒れて欲しかったです。
キーボードにはバックライトがついていて、暗いところでもタイピング可能です。あまりエコではない機能ではあるものの、美観に及ぼす影響は大きく、箱から取り出して電源を初めて入れた後はしばらく見入ってしまいました。キーボードにとって肝心の入力のし易さは、それ程良いものではありません。本体の薄さを追求している分、
Apple Wireless Keyboardに比べるとキーストロークが浅いので、タイプした時の心地良さが失われてしまったのだと考えます。
一方で、
マルチタッチトラックパッドは非常に快適です。ノートパソコンのポインティングディバイスはThinkPadのトラックポイントが一番好きで、指でなぞるトラックパッドは微妙な調節がしづらい感じがして否定的でした。MacBook Airのトラックパッドはジェスチャーによる入力が便利で、もはやスティック型のポインティングディバイスでなくても良いと思わせるものでした。あまりに便利なのでデスクトップ用に導入を躊躇していた
Magic Trakpadすら追加しようかと考えているくらいです。
Pro Tools等いくつかの手持ちのソフトウェアが対応していないので、導入を見送っていた
Mac OS X 10.7 (a.k.a Lion)を使うのもMacBook Airが初めてでした。Mac OS X 10.6 (a.k.a. Snow Leopard)に比べると
iOSのインタフェースにぐっと近付いている印象です。トラックパッドのジェスチャー機能との融合は見事です。Mac OS 9以前を知っている人にとっては感慨深いものがあるやも知れませんが。
コンピューターのレビューにも拘わらず性能に言及し忘れるところでした。初めて電源を驚かされるのはその起動時間でしょう。20秒と経たずして起動完了です。前のパートナーだったThinkPadにもSSDを載せていましたが、同じSSD搭載パソコンとは思えない程の起動スピードです。これだけ速く起動出来るのならスリープさせる必要性すら感じませんね。
Core i5のパワーも十分です。MacBook Air上の
VirtualBoxで動かすWindowsの方が、前のThinkPadのネイティブWindowsよりも速く感じるくらいです。仮想OSでこの程度のパフォーマンスが出るのであれば、わざわざ
Boot Campを使わなくても良い気がします。
MacBook AirにはDVD/CD等の光学メディアが内蔵されていません。外出先でDVD/CR-ROMドライブが必要になることはあまりないと思うので、持ち歩くことを想定している場合には理想的な仕様です。(逆に屋内でしか使わないのであれば
MacBook Proや
iMacの方が快適でしょう)光学ドライブが必要になった場合には、
MacBook Air SuperDrive (MC684ZM/A)等の外付けドライブを用意するか、他のPCやMacの光学ドライブをネットワーク経由で共有することができます。その昔
SolarisマシンのCD-ROMドライブを
Samba経由で共有し
一太郎をインストールしたところ、日本語のファイル名がついたファイルがうまくコピー出来ずインストールに失敗したことがありました。今時そんなことはないのでしょうが、些細なことでつまずくのも馬鹿馬鹿しいのでSuperDriveを購入してしまいました。(ただ、このドライブはMacBook Air専用だそうで、MacBook Proですら使用出来ないとか...要注意ですね)
最後にMacBook Airと
iPadのどちらを選ぶかについて書き添えましょう。Apple Store等でもiPadとMacBook Airを見比べている人をよく見掛けます。個人的にはキーボードの要否が選択の大きな分かれ目だと考えています。タッチパネルでもストレスなく入力出来る人であればiPadでも十分ではないでしょうか。ただ、たくさん文章を書こうとするとどうしてもタッチパネルは不向きですし、かといって外付けのキーボードを追加で買うくらいであればMacBook Airにしてしまった方が使い勝手は良い筈です。また人によってはMac OSのネイティブアプリケーション(e.g. Microsoft Office等)が使えないと困るケースもあるかも知れません。僕の場合もWindowsを動かすためにVirtualBoxをインストールしたかったので、iPadを選択しませんでした。
Macと言えば100万円以上した時代は忘却の彼方に過ぎ去り、10万円前後でスタイリッシュで便利なノート型が手に入るなんて素晴らしいですね。MacBook Airはお買い得な逸品でした。