物欲王

思い付くまま、気の向くまま、物欲を満そう

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森山大道とカラー写真

2022-04-29 15:00:53 | 写真/カメラ

森山大道さんをテーマにしたドキュメンタリー映画を観たことをきっかけに、森山大道さんがとても気になっています。

先日、『森山大道 路上スナップのススメ』を読み返していたら、この本にはデジタルカメラで撮られた森山大道さんのカラー写真が収録されていることに今更ながら気付きました。オフィスシャルWebサイトを見ると、森山さんにカラー作品がない訳ではないと思うのですが、やはりモノクロの作品、しかもやっぱりフィルムで撮られていた作品を撮ってこられた作家というイメージが僕の中では強かったので、かなり新鮮です。フィルムカメラ時代はファインダーはあれど、最終的に何が撮れているのか見えない状態でずっとスナップしていた方が、背面液晶に撮像素子が捉える画がそのままカラー表示できる状態で、モノクロ写真としてどうなるのかを考えながら撮ったり、逆にモノクロ表示にしてカラーの街を撮るなんて、少し異世界に足を踏み入れた感じになりそうですよね。

映画の中でも似たような趣旨のことをご本人が仰っていましたが、森山さんに対するフィルムやモノクロのイメージは僕たち鑑賞者側が勝手に考えているだけのことで、森山さん本人はありふれたコンパクトカメラで心の向くままに街の景色を切り取って行かれているのみなのでしょう。

手軽に森山大道さんのカラー写真が観られる『森山大道 路上スナップのススメ』は皆さんにお勧めしたいと思いました。

 

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誰も知らないつつじの名所

2022-04-25 22:13:26 | 写真/カメラ

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Tokyo

2022-04-24 17:25:05 | 写真/カメラ

先日秋葉原に行きました。戦後復興期を想起させるような昭和感たっぷりの街並みも所々に残しながら、新築の香りすらしそうなお洒落なオフィスビルが建ち並び、外国人観光客の目を惹きそうな日本独特のポップカルチャーが遍在する不思議な場所です。

こんなお洒落な場所がいつの間に出来ていたのでしょう。

電車が目の前を通るような場所に花が咲いている異世界。

そして異世界は今や電気パーツ店の2階にあるようです。そこから脇に見やれば、目新しいビルが建ち並ぶ空間が広がる秋葉腹。

本当は今日も秋葉原を散策したかったのですが、昼食を済ませてみると生憎の雨。そんなときにタイミング良くAmazonで注文していた森山大道さんの『Tokyo』が届きました。

この『Tokyo』は森山大道さんの写真集といえば写真集なのですが、銀座、浅草、六本木といった都内の観光スポットでのスナップショットが掲載されており、写真集兼東京観光ガイドといったテーマの本になっています。一般の人からすると観光地というジャンルに入らなそうな、池袋、神田(ここに秋葉原も含まれています)、中野、南千住なども選ばれていて、都内に住んでいる人が観てもなかなか面白い観光ガイドではないでしょうか。

一枚一枚の写真に目を通していると、雨の日曜日にも拘わらず都内をあちこち散策した気分です。そして秋葉原の街並みではないですが、森山大道さんの写真を観ていると、最近の東京の光景にも拘わらずまるで戦後の復興期化のような錯覚に陥ります。およそ2020年に刊行された写真集とは思えない、最近なのにとても古い風景なのです。

次の休日が晴れだったら、巻末に森山大道さんが書かれているように、この本を持って都内のあちこちを巡ってみたいですね。

 

 

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AI Nikkor 105mm F2.5

2022-04-10 17:44:02 | 写真/カメラ

以前はNikonのカメラを愛用していました。Nikonのカメラやレンズにはいろいろな想い出があるのですが、中でも印象的だった製品の一つがAI Nikkor 105mm F2.5です。

もともと製品としては知っていたのですが、Nikonの105mmのレンズは他にも種類があり、このAI Nikkor 105mm F2.5はF値が暗いこともあり、あまり目が向かないものでした。しかし、(今は別の連載が始まっているようですが)『ニッコール千夜一夜物語』の記事を読んだことで単なる格下レンズでないことを知り、Nikonの技術者の思いや歴史なども含めて感動したことも相まって、一番欲しいレンズの1本となったのでした。

AI-S化された後継品もありましたが、『ニッコール千夜一夜物語』に紹介されていたAI Nikkor 105mm F2.5を中古で購入しました。中古でレンズを購入したのもその時が初めてでしたし、古いNikkorレンズを使うのも初めてだったので、かなりわくわくする体験でした。

AI Nikkor 105mm F2.5は評判通りキリッとした写りの良いレンズでした。古いレンズを中古で買ったことでレンズのコーティング等が後の世代と異なるのか、色合いもかなり独特でした。何でもかんでも一番高スペックなものを買えば良いわけではないのだなと、勉強させてもらった銘レンズでした。

 

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他人の生活をのぞき見る

2022-04-09 17:21:11 | 写真/カメラ

最近『東京の台所2』という連載を知ったのですが、写真の素晴らしさもさることながら、台所にまつわる名も知らぬ人々のストーリーがとても興味深く、心惹かれるものでした。そしてこの企画が始まったきっかけが書かれた記事の中で言及されていた、2つの写真集に興味を持ちました。

1冊目は潮田登久子氏の『冷蔵庫』という写真集です。

いろいろな家庭の冷蔵庫の外観と、冷蔵庫の扉を開けたときの写真が見開きで見られるといった内容です。『東京の台所』もそうなのですが、家にある家具や家電製品の中で一番私的な要素である冷蔵庫を、被写体となっている家庭とまったく関係のない赤の他人の私がのぞき見るというのは、何とも官能的な体験です。まるで見ず知らずの人物の着衣の写真と全裸の写真を見開きで並べられているのを見ているような感覚です。冷蔵庫の中身にしても、全裸になったときの体にしても、その人のこれまでの人生や日々の生活が積み重なった結果があらわれているものです。何かが言葉で語られる訳ではありませんが、冷蔵庫の中身に個々の物語を感ぜずにはいられません。

『冷蔵庫』の内容に満足した僕は、前述の記事で紹介されていたもう1冊の写真集『TOKYO STYLE』も手にしてみました。こちらはごく普通の個人宅を簡単な文章を交えながら写真で紹介するという内容です。こちらも1軒目から物語に満ちていて、勝手に映画『間宮兄弟』を連想してしまいました。

しかし、考えてみれば映画に出てくる個人の部屋も、登場人物の個性や生活、その人の人生を静かに語りかけてきますよね。例えば『舟を編む』の主人公の下宿先もとても印象深かったですし。

一つのWeb連載を知ったことで、また少し自分の世界が広がりました。

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辞書になった男 ケンボー先生と山田先生

2022-04-03 12:54:52 | 

子供の頃は近所の書店で売っていた岩波国語辞典を使っていた気がしますし、大人になってからは学生時代に使っていたジーニアス英和辞典の印象が良すぎて、国語辞典も同じ大修館書店刊行の明鏡国語辞典を主に使っていました。僕はかなり辞書が好きで、日本語以外の辞書もたくさん買ってきた自負はあるのですが、そもそも辞書がどのように作られているのかに思いを馳せたことがありませんでした。

『新解さんの謎』を読んで何となく新明解国語辞典に興味を持ち、この『辞書になった男 ケンボー先生と山田先生』にたどり着きました。辞書は「高名な各分野の専門家が本業の傍らに書いた語釈を集めて作るのだろう」と無根拠に捉えていたのですが、そんな簡単に作れるものではないのですよね。本書に出てくる人物たちは、世間一般に知れ渡っている有名人でないかも知れませんが、生涯を掛けて自分の信じる辞書のあり方を貫き通した人たちでした。

 

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