物欲王

思い付くまま、気の向くまま、物欲を満そう

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夜のピクニック

2006-10-29 23:56:25 | 
先週仕事?でケネディスペースセンターを見学してきました。広大な敷地内にはスペースシャトル等の打ち上げに現役で使用されている設備が点在し、観光客向けに用意されているバスツアーに参加することでそれらを間近に見ることができました。これだけでも十分感動的なのですが、やはり一番胸を打たれるのはアポロ計画に関する展示でしょう。ケネディ大統領の号令の元、多くの人々の努力と少なからぬ犠牲により数人の宇宙飛行士を月面に送り出した壮大な計画です。莫大な予算が投入されたために当時は「月に人を送り込んだからといって何の役に立つの?」というような批判もあったことでしょうが、見方によっては何の意味もない「月に人を立たせる」という目的に国家の威信を懸けて取り組んだあたりに、文化的な醸成の極みを感ぜずにはいられません。

地球と月は我々の日常において身近過ぎるあまり振り返られることすら少ないと思いますが、同じ地球と月は月に立った宇宙飛行士たちの目にどのように映ったことでしょう。同じものであっても逆側から見ると違った印象を受けたり、あるいはお互いの距離とは無関係に一つの思いに収斂されていったりするものです。偶然にもケネディスペースセンター訪問前に僕が読んでいた本は『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』であり、ケネディスペースセンターへの道すがら読んでいたのが『夜のピクニック』でした。

『夜のピクニック』は高校生活最後のイベントである歩行祭で、主人公の男女がこれまでお互いの胸につかえていたわだかまりを解消する話です。一言で書いてしまうと何ということもない話なのですが、地球と月のように異なる立場で同じ問題を抱える二人の十代後半独特の感性を、魅力的な登場人物を添えつつ描いています。冒頭の人物紹介風の書き出しや、(高校生の話なので当たり前なのでしょうが)青い感じの表現、登場人物が標準語を喋りつつも散見される関西風の言葉遣いがどうも馴染めず、『夜のピクニック』の世界に入り込むまで若干時間はかかったものの、読み終わった後の感覚は決して悪いものではありませんでした。

年を重ねていくにつれ無邪気だった昔はあたかも一瞬の出来事のように薄れていきます。しかし経験を積んだ今の視点で過去を見つめれば、月に立って地球や月を考えるような視座が得られるかも知れません。『夜のピクニック』を読んで経験の反対側から過去の自分と何処かの共鳴点に収斂していくのもたまには良いことだと思います。


夜のピクニック


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FIGURE COMPLEX

2006-10-17 01:58:38 | レストラン/バー/カフェ/料理/デザート
また興味深いお店を発見してしまいました。西麻布にあるFIGURE COMPLEXというBARです。久し振りに今すぐ行ってみたい何かを感じてしまいました。

FIGURE COMPLEXはBARの店内にフィギュア・アーティストの作品を展示するとともに、店員自らフィギュア・アーティストの作品をイメージしたコスチュームを身にまとうという再帰的な空間なようです。去年念願かなって行くことのできたバー銀座パノラマもなかなか素敵でしたが、FIGURE COMPLEXもこれに勝るとも劣らないレベルで期待できそうなお店です。

が、問題は誰と行くかですね。恐らく接待には使えないでしょうし、友達と行くとしても客層がまったく読めない...


The figure complex?Featuring the bride/great lovers/Ki‐ra‐me‐ki

グラフィック社

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世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

2006-10-12 03:57:57 | 
トーマス・マンの『魔の山』が昔から妙に気になって、本屋で手に入る文庫本の和訳を何度も読みました...といっても実は読んだことがあるのは上巻だけなのです。最後まで読み通す根性がないのか、全体の構成を見通すだけの知能がないのか、お恥ずかしながら僕はどうも2巻以上の分冊になっている小説を読むのが苦手で、いろいろと買い込みはするものの上下巻等に分かれている作品は結局読まずに本棚の飾りとなりがちです。

我が家の本棚の飾りの1つに『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』がつい最近まで鎮座していました。学生時代には村上春樹氏が好きで結構読んでいたつもりでしたが、上下巻に分かれているところに抵抗感があり、同氏の代表作である本作は一文字も読んだことがありませんでした。

転機は先週訪れました。体調を崩して何日も寝込んでいたのですが、ただひたすら横になっているのも結構つらいもので、どうせ身動きできないのであれば腹を据えて『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読み切ってしまおうという気になったのです。村上春樹氏の小説を読むのはかなり久し振りで、なぜかやたらと細かい具体的な数字が出てくる比喩表現や、音楽や映画に関する記述が頻出する独特の文体が今更ながらとても新鮮なものです。いざ読み始めてみると純文学でありながらストーリーテリングの巧みさによりぐいぐいと引き込まれてしまい、長年の懸念をよそに一気に読み切ってしまいました。村上春樹氏の作品の中で評価が高いのもうなずけます。

唯一残念だったのは「世界の終り」の最終章で「僕」がどうしてあのような選択をするに至ったのか心情的な変化が理解できなかったことです。「ハードボイルド・ワンダーランド」の私が迎える最後は非常に共感できるので、その文脈で読めば「世界の終り」の最終章における「僕」の選択は至極ごもっともだと思うのですが、「世界の終り」のみの流れで話を追っていったときどうも納得がいきませんでした。これは長編小説初心者だからこその悩みなのでしょうか?

ともあれ長編小説好きの方にも、そうでない方にもお薦めできる希有な1冊でした。


世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉

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ガンダム バトルロワイヤル

2006-10-09 02:20:54 | ガンダム
すごいゲームが発売されてしまいました。その名も『ガンダム バトルロワイヤル』

前作である『ガンダム バトル タクティクス』もとても良くできたゲームではありましたが、以前も書いたように戦える場所が地上のみだったり、使えるモビルスーツの数が限られていたりといくつか改善が望まれる点がありました。しかし今回の『ガンダム バトルロワイヤル』は宇宙での戦闘も出来るようになった上にビグ・ザムやパーフェクト・ジオング、エルメスやゾゴックサイコミュ高軌道試験用ザクなど是非とも乗ってみたい機体が満載のようです。ここまで改良されると前作を見送った人であっても買わずにはいられないことでしょう。

最近買いに行く時間がなくてまだ入手できていませんが、僕は間違いなく近日中に『ガンダム バトルロワイヤル』を買います。もしあなたがガンダム世代でありながらPSPを持っていないのであれば、今すぐ『ガンダム バトルロワイヤル』とともに購入を検討すべきだと思います。


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Nikon Ai AF Nikkor 24-85mm F2.8-4D (IF)

2006-10-08 20:11:36 | 写真/カメラ
Nikon F6を購入してから1ヶ月と経たないある日、僕は量販店のカメラ売り場にいました。

Nikon F6には200ページ近いマニュアルが付属しますが、そのほとんどはGタイプないしはDタイプのAFレンズを持っている人向けの記述になっています。もちろん伝統のFマウントですからMFレンズを取り付けて使うことが出来ますし、何とレンズ情報を登録しておきさえすればRGBマルチパターン測光までもMFレンズで活用できるようになっています。でもこれだけでは不十分なのです。せめて1本くらいAFレンズを持たないことには恐らくF6の持つ機能の半分も使ったことにはならないのではないでしょうか。フィルムカメラとしてリリースされた最後のF一桁モデルへの冒涜とも言えるかも知れません。ということで早速カメラ売り場に直行です。

いざレンズのショーケースを目の前にすると一口にAFレンズと言ってもいろいろな種類があり目移りしてしまうものです。すでに何本かのMFレンズは持っているし、これからAFレンズ一筋で行こうとも特に考えていないので、最初で最後の一本になっても良いように所謂標準ズームレンズを試してみることにしました。ただズームレンズというと画質が悪いイメージがあるので、最悪使い物にならなかった際にどこかで売却する場合も想定し、Nikon純正品の中からAF-S VR Zoom Nikkor ED 24-120mm F3.5-5.6G (IF) Ai AF Nikkor 24-85mm F2.8-4D (IF) AF-S Zoom Nikkor 24-85mm F3.5-4.5G (IF) を候補としてピックアップしました。

いずれも魅力的なレンズで、AF-S VR Zoom Nikkor ED 24-120mm F3.5-5.6G (IF) は3本の中でも一番新しいレンズであり、VR機能搭載により暗い場所でも安心してシャッターが切れそうです。Ai AF Nikkor 24-85mm F2.8-4D (IF)は多少古いレンズではあるものの、AFレンズでありながら絞りリングもついているAiレンズなのでこれまで使ってきたMFレンズに近い操作性が期待できそうです。しかも単焦点レンズにはかなわないものの全域でF2.8~4という比較的明るい開放値を持っているのが魅力的です。AF-S Zoom Nikkor 24-85mm F3.5-4.5G (IF)はというと、前掲の2本に比べると比較的安価な価格設定でありながら超音波モータとEDレンズを採用しており、NikonのWebページに掲載されているMTF曲線を見るに、価格が上のAi AF Nikkor 24-85mm F2.8-4D (IF)よりも綺麗に写るのではという期待すらさせてくれます。しかも僕が候補にあげた3本のレンズの中では一番軽く、ただでさえ重いF6に取り付けることを考えると最適であるかにも思えてきました。

店頭で悶々とすること数十分。結局僕がレジに持っていったのはAi AF Nikkor 24-85mm F2.8-4D (IF)でした。一瞬他の2本に心が傾いたのは事実ですが、絞りリングがないのが致命的でしたね。やはりMFレンズに近い操作性で、ズームレンズでありながら一番開放値の優れたAi AF Nikkor 24-85mm F2.8-4D (IF)こそ僕にはお似合いです。

フィルム何本分かの写真を撮ってみましたが、思っていた程ズームレンズの画質は悪くありませんでした。流石に単焦点レンズに比べると背景が雑に写っているような気がしますが、僕のように単なる気分転換目的で1枚としてまともな写真が撮れない素人にとっては十分な写りです。たった1本のレンズで24mmから85mmまでの画角がカバーされるので5本程度の単焦点レンズを持ち歩くことを考えれば多少レンズが重いことも苦になりません。

しかし唯一後悔していることもあります。Ai AF Nikkor 24-85mm F2.8-4D (IF)に限った話ではありませんが、F6はAiレンズ以外では絞りリングを使って撮影時の絞りを決めることが出来ないのです。(要はボディー側でのみ設定可能だということ) これって仕様上の欠陥じゃないですかNikonさん! わざわざ絞りリングのついたDタイプのAFレンズを買ってしまった僕は何なの?

# 決して悪いレンズじゃないので絞りリングにこだわらなければ良いだけの話ではありますが>自分。

貧乏なくせに1ヶ月で40万円近くカメラに投資してしまった僕は、F6でAFレンズの絞りリングは使えなかったという悲しみを家人に打ち明けることも出来ず、その気持ちを一人心の奥底にしまっておくことにしました。


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Norton Internet Security 2007

2006-10-07 20:51:25 | OS/ソフトウェア/SaaS
Norton Internet Security 2006の更新サービス期間が残すところあと半月ばかりとなりました。この手のソフトウェアのお約束でラスト1ヶ月は執拗なまでに契約延長アナウンスがPCを起動する度に出てきます。かといってウィルスのパターンファイル等が更新できなくなっても困るので1年間延長してみることにしました。

が、いざ更新料金を調べてみるとNorton Internet Security 2006の1年間の契約延長とリリースされたばかりのNorton Internet Security 2007のダウンロード版の販売価格がまったくの同一価格になっているではありませんか。むちゃくちゃ狙った値付けですよね。金額が一緒なら有無を言わず最新版であるNorton Internet Security 2007へのアップグレードを選びたくなるものです。という訳で単なる契約更新の筈が最新版Norton Internet Security 2007の導入になってしまいました。

Webのニュースなどで紹介されているようにNorton Internet Security 2006と比べると圧倒的に動作は軽くなった気がします。ただ、あれこれ設定しているうちに気付いたのですがNorton Internet Security 2007Norton Internet Security 2006で標準機能だった広告ブロックやAntiSpam等いくつかの機能がオプションになっているのです。これらの機能が必要な場合にはSymentec社のWebサイトからアドオンパッケージが無償でダウンロードできるようになっていますが、これらをダウンロードしてしまうとNorton Internet Security 2006までとは言わないもののほとんど差がないくらいに動作が重くなってしまいます。もっともアドオンに含まれている機能が必要なければまったく関係ない話なので、導入を検討している方は標準機能とアドオン機能のどちらに自分が必要とするサービスが含まれているのか確認しておいた方が良いかも知れません。

また一番衝撃的だったのはNorton Internet Security 2006の更新サービス期限が半月以上残った状態でNorton Internet Security 2007をインストールしたところ、インストール日から起算して366日後が更新サービス期限となってしまいました。これまでのNortonシリーズであれば、インストール済みバージョンの更新サービス期限+1年間が最新版にアップグレードインストール後の更新期限だったと思うのですが、Norton Internet Security 2007は残りの更新サービス期限が何日であろうとインストール日から1年後に更新期限を再設定してしまうようです。アップグレードインストールされる場合には今使っているバージョンの期限が切れてからインストールするようにしないと損をしてしまうので注意が必要です。

アップグレードインストール時の更新サービス期限の扱いにかなりの不満を持ったものの、Norton Internet Security 2006よりは動作が軽くなっているので、Norton Internet Security 2006が重くて仕方ないという方は一度試してみる価値はあるでしょう。


ノートン・インターネットセキュリティ 2007

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