昨日(6月9日)、日本労働弁護団が「派遣法改悪『採決反対』緊急集会~労働者の声を聴き、徹底審議を!」を国会内で開催しました。
今回の派遣法改悪の問題点については、佐々木亮弁護士の「【派遣法改悪】専門26業務で「雇い止め」続出が見えているのに成立を急ぐ必要はない」、「【派遣法改悪】今出されている派遣法案を通しちゃいけない5つの理由」を読んでいただければと思います。ここでは、昨日の緊急集会での派遣労働者の主な声を要旨で紹介し、「派遣労働者の声を聴かずに派遣法改悪を決めないで!」と各政党、とりわけ採決を容認しようとしている維新の党に呼びかけたいと思います。
派遣労働者は正社員と同じ仕事をしているのに
モノ言えず使い捨てにされ、さらに規制緩和…
いったいどこまで悪辣なのか
派遣で働くシステムエンジニアです。正社員と一緒の仕事をしています。派遣元からは、正社員になれると聞かされて頑張ってきました。今回の改悪で直接雇用の道は絶たれます。大手派遣先では100%事前面接し選ばれて落とされています。もともと違法だらけなのにさらに規制緩和をするのか? いったいどこまで悪辣なのでしょうか? 現場では正社員と並んで一緒に仕事をし、あれはやれない、これはやれないなどとは言えません。派遣労働者は正社員と同じように働いているのに使い捨ての雇用不安にさらされています。そうした怒りがたまれば、秋葉原事件のようなことがさらに起きてもおかしくないと思います。人を使い捨てにする働かせ方が広がると職場はダメになります。しかし、違法派遣を通報したら、直ちに派遣切りされたこともあります。これ以上、モノ言えない派遣労働を広げてはいけないと思います。
女性活躍推進と言いながら
女性の多い派遣をさらに細切れの
不安定雇用にするのは許せない
出版社でウェブ制作の仕事をしています。出産後、派遣で働いてきました。私は2年目ですが、5年から10年くらい働いている派遣の方もいます。今回の派遣法改正でどうなるのか、派遣元に聞いても分からないという答えで不安でいっぱいです。私は今回の派遣法改正が行われてしまうと、この先、安定雇用にはつけないと思います。女性活躍推進と言いながら、女性の多い派遣をさらに細切れの不安定な雇用にすることが許せません。
不安定な雇用と体調悪化が重なると
派遣労働者はまたたくまに窮地に
グループ内派遣で7年間働いていましたが、体調を崩し、別の派遣先に移り、新しい仕事をやっと覚えたのですが無理をして再び体調を崩してしまいました。派遣労働者は体調を崩し休むと手取りが減り、またたくまに生活が苦しくなります。不安定な雇用になんとか対応しおうと無理をして体調を崩す悪循環です。派遣労働者にも安定した雇用が必要です。
40代の人たちはもう派遣しかない
3年で「派遣切り」は困る
旅行添乗員の仕事をしていましたが、シングルマザーとなり、派遣しかなく、理科系の研究プロジェクトへの派遣で働いています。今のところには10年間働いている派遣の人もいますが、40代の人たちはもう派遣しかないと言っています。3年で切られるのは不安定で困ります。
現場で即戦力が求められる派遣労働者
努力してきたのになぜ痛めつける派遣法改悪なのか
DTP広告デザイナーです。新卒で正社員として勤めていたのですが、不況によるリストラで解雇されました。アドビのソフトを使えなければ働けない職種なので、働きながら専門学校に通いスキルを得てきました。とりわけ派遣労働者には現場での即戦力が求められるので、ソフトのバージョンアップのたびごとに対応したスキルも必要となり、ソフトの購入だけでも数十万円の個人負担がかさんでいきます。それだけ努力して、派遣しかないからそれでも働きたいと努力してきたのに、なぜ、痛めつけるような法案を出すのか、怒りでいっぱいです。
「ずっと働ける」と言っていた派遣元が今回の法案で態度急変
法案成立すると「雇用し続けることは難しい」
コールセンターで働く派遣労働者です。男性が7割で、派遣で世帯を支えている人が多く、優秀な人も多いです。私は正規で働きたいと思っていますが、ここ3年ほど正規になる人がいなくなっているのが現状です。アベノミクスで生活が良くなった人は私の周りにはいません。年金の少ない母とかつかつで暮らしています。派遣元に聞くと、今回の派遣法案が成立すると雇用し続けることは難しいと言われました。ずっと働けると言われていたのに派遣元の態度が変わりました。
リーマンショック時の「派遣切り」の時より
さらに派遣労働者を使い捨てにする改悪は反対
「派遣法改悪で仕事・生活・命を奪わないでください」-派遣労働者の声聴かず政治は「派遣切り」進めるのか