長田家の明石便り

皆様、お元気ですか。私たちは、明石市(大久保町大窪)で、神様の守りを頂きながら元気にしております。

「聖書が告げるよい知らせ」第六回 不思議な男の子の誕生

2022-02-17 21:24:12 | 聖書が告げるよい知らせ

聖書が告げるよい知らせ

第六回 不思議な男の子の誕生

イザヤ九・一‐七

 

 前回は、「神の民」とされたはずのイスラエルの民が、律法に背いたこと、にもかかわらず神様は彼らを回復に導き、祝福と幸い、命の道に導こうとされたことを見ました。今日の個所は、そのための鍵として、神様が不思議な男の子を誕生させるというイザヤの預言を学びます。

 

一、闇の中に大いなる光

 

 まず、歴史的な状況を確認しましょう。前回はイスラエルの民がエジプトを出て約束の地に進む中で、律法を与えられたことを見ました。その後、彼らは約束の地に入り、部族ごとに分かれて住みます。しかし、やがて彼らは周囲の民と同じように王を立てることを要求します。そこで、神様は王が神様の御心に従う政治をすることを条件にそれを許されます。

最初の王サウロは神の御心に背いたため退けられ、替わって立てられたのがダビデでした。ダビデとその子ソロモンの時代は、イスラエル王国の黄金時代と言えるでしょう。しかし、最初は神の御心に従っていたソロモンも、次第に神様に背くようになり、次の世代には南北に国が分かれてしまいます。北イスラエル王国に立てられた王は、神様に背くことが多く、イザヤの時代には大国アッシリアによって滅びます。これに対して、南ユダ王国ではダビデ直系の王が立てられます。しかし、それでも、良い王と悪い王が入れ替わり立ち替わり立つことになり、次第に国全体が悪い方へと傾いていきます。

イザヤはそのような時代に立てられた預言者でした。彼は、民が悪に染まっていることを嘆きつつ指摘します。そして、北イスラエル王国だけでなく、やがては南ユダ王国も滅ぼされてしまう時が来ると預言しました。彼の目には、地は暗黒に覆われているように見えました。しかし、ここでイザヤはそのような地にも回復の時が来ると預言しました。

 

闇の中を歩んでいた民は大きな光を見る。死の陰の地に住んでいた者たちの上に光が輝く。(イザヤ九・二)

 

神の裁きはある。しかし、その向こう側に光が照るのだと言いました。

現代の世界はどうでしょうか。おそらく、イザヤがこの時代に生まれたならば、「見よ、苦難と暗闇、苦悩の闇、暗黒…」と言うのではないでしょうか(イザヤ八・二二)。しかし、このような世界のためにも、神様は大いなる光を備えてくださいました。それがひとりの男の子の誕生でした。

 

二、不思議な男の子

 

ひとりのみどりごが私たちのために生まれる。ひとりの男の子が私たちに与えられる。主権はその肩にあり、その名は「不思議な助言者、力ある神、永遠の父、平和の君」と呼ばれる。(イザヤ九・六)

 

 イザヤはここで、ひとりの男の子の誕生について語り出します。国家の危機的状況の中で希望の光について語った後、「ひとりのみどりご」「ひとりの男の子」について語り出すのは奇妙に聞こえたかもしれません。しかし、この男の子は、「主権はその肩にあり」、すなわち、国を治めるべき人物となると言います。

 イザヤはその男の子の「名」について語ります。「名」というのは、「呼び名」というよりも、その方がどんな方であるのか、その性質、本質を表すものです。

その名は大変不思議な「名」でした。まずは「不思議な助言者」。新共同訳聖書では「驚くべき指導者」と訳されます。さらに驚くべき名は、「力ある神」です。唯一の創造主なる神様を信じるイスラエルの民は、イザヤのこの預言をどう聞いたでしょうか。「ひとりの男の子」が「力ある神」と呼ばれるようになるとは、不思議としか言いようがなかったでしょう。「永遠の父」、「平和の君」・・・永遠的な保護者、平和をもたらすリーダーであると言います。単に優秀な指導者という以上に、天的なお方、不思議な指導者となるのだと言いました。

 

三、不思議な国

 

その主権は増し加わり、その平和は限りなく、ダビデの王座に就いて、その王国を治め、さばきと正義によってこれを堅く立て、これを支える。(イザヤ九・七)

 

 「ダビデの王座に就いて」、「その王国を治め」と言いますから、そのお方はダビデの子孫として生まれ、王国を治める者となるということでしょう(イザヤ一一・一参照)。しかし、不思議なのはその国が普通の国々とは随分様子が違っていることでした。

「その主権は増し加わり、平和は限りなく」とあります。「さばきと正義によってこれを堅く立て、これを支える。今よりとこしえまで。」ともあります。歴史上偉大な王国は多くありました。しかし、多くの場合、そこには不義があり、争いがありました。また、彼らの統治は決して永遠のものではなく、時代が過ぎれば支配権は別の指導者に移っていきました。しかし、イザヤは言います。この国は正義と平和に満ちており、永続するものだと。

後のイエス・キリストの教えから見れば、この国は、ダビデの子孫として生まれたキリストを通して、信じる者の心のうちに始まる「神の国」のことを予告したものと言えるでしょう(マルコ一・一五、四・三一、三二)。

 

四、万軍の主の熱心

 

万軍の【主】の熱心がこれを成し遂げる。(イザヤ九・七)

 

不思議な男の子、すなわちメシアの誕生によって、暗黒の地に大いなる光が照るようになる…イザヤはそう預言しました。このことは、単に歴史の偶然によって起こることではありません。闇覆う世界に光をもたらし、不義と争いに満ちた世界に義と平和の国をもたらそうとする神のご熱心によることでした。

 

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