那田尚史の部屋ver.3(集団ストーカーを解決します)

「ロータス人づくり企画」コーディネーター。元早大講師、微笑禅の会代表、探偵業のいと可笑しきオールジャンルのコラム。
 

他心通備わる

2016年11月07日 | 神秘

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他心通備わる

夜、晩酌をしながら妻とお喋りをしているときに、実に不思議なことが起こったので報告する。

私のリビングの壁には維新の志士など、日本のために命を捨てて行動した英雄たちの写真を額に入れて飾ってある。
それで妻に、「この中で誰が一番偉いと思う?圧倒的に凄いのは坂本龍馬だ。西郷さんも勝海舟も高杉晋作も、今で言えば大臣レベルの人物だから、資金も軍事力もいくらでも自由に使うことが出来た。しかし龍馬は一介の脱藩浪人にすぎず、ただ知恵と度胸と行動力だけで、薩長同盟を実現し、大政奉還を実現し、「船中八策」を書いて明治新政府の基本方針まで作った。これはもう圧倒的で、天才と言うか、神そのものだ」

と、様々なエピソードを話していた。
妻は歴史が大好きなので、他の難しい話をすると上の空で聞いているが、この話には興味を持ち、目を輝かせて聞いていた。本来歴史好きなので龍馬のことも大抵は知っている。だから私はより詳細なエピソードを語ることにした。
話が進み、大政奉還のところに来たときだ。およそ次のような話をした。

「龍馬は薩長同盟を実現して幕府を倒す準備を整えた一方、もし日本で内戦がおこれば、イギリスやフランスなどの欧米列強がその隙を突いて日本を軍事制圧し植民地にしようと企んでいることが分かっていたので、内戦は絶対に避けたいと思っていた。
それで、これが龍馬の天才的なところだが、260年続いた徳川政権を断絶させ、全ての権力を天皇にお返しさせる、という驚天動地のアイデアを抱き、土佐藩の要人・後藤象二郎を仲介人として時の将軍徳川慶喜にそのアイデアを進言させた。これが実現すれば倒幕の名目がなくなり、内戦を避けることができる。
ここまでは誰でも知っているが、その裏にはこんな事実がある。手紙が残っているのでこれは本当の話だ。
一介の浪人ながら、龍馬は後藤象二郎の親分のような立場にあり、“もしこの案が実現しない時は、象二郎よ、江戸城から生きて帰るな。その場で切腹しろ”と手紙で脅しつけ、“万一徳川慶喜がこの案を受け入れない時は、俺が慶喜を切る”と述べている。
その覚悟を秘めて龍馬は後藤象二郎からの連絡を今か今かと待っていた。象二郎は死ぬ気で諸大名を説得し、ついに徳川慶喜もこの大政奉還を受け入れた。象二郎はその結果を直ちに手紙にしたためて使者を走らせて龍馬に伝えた。その手紙を読んだ時に龍馬は」

とここまで話しかけたとき、実に不思議なことが起こった。

突然として息がつまり、涙がボロボロとこぼれ出し、とても椅子に座って居れず立ち上がり、大声を出して男泣きに泣き続け、体中の震えが止まらなくなった。その状態が5分から10分も続いたのである。

断っておくが私は「泣き上戸」のような癖は全くない。それどころか15歳から現在までの40年近く涙をこぼしたことは一度もない(優れた芸術作品、映画などを見て感動のあまり背筋に電気が走って涙ぐむことはまれにある)。
私がどれぐらい涙と縁遠い人間かを示す、あるエピソードを紹介する。
私が大学生の時に父は83歳で老衰死した。私は一人っ子で、父が63歳の時に生まれたので父には溺愛され、驚くなかれ、私は高校2年生まで父の布団で一緒に寝ていたほど父が大好きだった。
その父が死んだ時も、涙一つこぼれなかった。それだけでない。父の遺体を火葬場に搬送し、いざこれから遺体を焼く、というとき、これは恐らく日本中同じ決まりだと思うが、遺族の一人が点火スイッチを押す、というルールがある。私は平然とスイッチを押した。全く平常心のままだった。
その姿を見たオンボヤキ(火葬場職員)が次のように言った。「あなたは凄い。どんなに気が強い人でもこのスイッチを押す時は取り乱れ、泣き崩れて、いつまでもスイッチが押せないものです」。
またその様子を見ていた私の叔母が「お前は嫌味なぐらい冷静すぎる」と言った。

それほどの私が大声を立て、肩を上下させて泣き続けたのである。

やっと興奮状態が治まり、私はタオルで涙を拭きながら妻の顔を見た。妻はビックリして目をまん丸くしている。言うまでもなく、結婚して以来、私が泣いている姿を妻は初めて見たわけだ。

なぜそういう状態になったのか、説明する。要するに「他心通」が備わったのだ。
禅の修行をして見性すると様々な神通力が備わるが、その一つが他心通であり、他人の心が一発で分かる、という能力である。
最初の悟りを得て以来、相手の心境が敏感に分かるようになった。直観力が高度に鋭敏になっているためだが、こんなのは誰でも持っている力なので、私は神通力というほどのものではないと思ってきた。
しかし昨夜の現象は全く違う。つまり「後藤象二郎の手紙を読んだ瞬間の龍馬の心がそのまま私に乗り移った」のだ。まさにその10分ほどの間、私自身が坂本龍馬になっていたのである。

その理屈を説明する。
見性すると我執が消えるので心がまっさらになる。そうすると唯識論では「大円境地」と言ったり「円成実性」と言うのだが、例えて言えば「ピカピカに磨き切った鏡のような心境になって真理がそのまま、全く偏見や予断なく、心にクッキリと映る」と同時に、すでに自他の区別(差別観)を超えているので、他人のことも犬や猫やミミズのことも皆全て私と一体になる。天地と我と一体、万物と我と同根、である。この心境を顕すために禅では色紙に「○」(円相図)を書いたり、「一」の字を書いたりする。唯識論で説明すると以上の通りで、実に明快に理由が分かる。

遂に本物の「他心通」が備わったのだ。

ちなみにその手紙を読んだ直後に龍馬がどのような言動をしたのか、続きを述べよう。

大政奉還を受け入れなければ「私が殺す」とまで言った徳川慶喜がその案を受け入れたと知った瞬間、龍馬は男泣きに泣きながら、江戸城に向かって頭を畳にこすりつけ、「よくも決心し給えるかな、よくも決心し給えるかな、この龍馬、これからは命をかけて徳川慶喜殿をお守りいたします」と述べたのである。
無駄な解説は止めよう。分かる人には分かるが、天下の英雄とはただ度胸が据わっているだけではない。この境地に達していたからこそ、龍馬は一介の浪人の身分で日本を変えたのである。

最後に西郷隆盛の龍馬評を引用して、このエッセーを締めくくる。

天下に有志あり、余多く之と交わる。然れども度量の大、
龍馬に如(し)くもの、未だかつて之を見ず。
龍馬の度量や到底測るべからず。