那田尚史の部屋ver.3(集団ストーカーを解決します)

「ロータス人づくり企画」コーディネーター。元早大講師、微笑禅の会代表、探偵業のいと可笑しきオールジャンルのコラム。
 

優秀すぎる青年たちの思い出

2013年01月19日 | 思い出の記

真冬のリハビリと書類整理、母と猫の心配などで過労が重なっているため、今日は簡単に。

私は偶々全国高校統一模試の1位と2位だった青年を指導したことがある。

2位は元々は東京工芸大の教え子で、私の授業をもう一回受けたい、と言ってきたので「単位にならないんじゃないの?」と言ったら「それでいいです。モグリで講義を聴きたい」というので、彼のために例年の授業スタイルを変えた。
 
頭のいい人間の中には、中学高校の頃には教員を見下して不良になっている場合があり、受けたら誰でも通るような大学にも意外に隠れた逸材がいる。彼もそういうタイプで、1を教えれば10を知るという天才肌だった。
 授業が終わると私は喫煙所でタバコを一服して帰るのを常としていたが、4~5人の教え子がいろんな質問をして帰してくれないので、1時間から1時間半はタバコを吸いながら雑談した。彼はハンサムボーイで立ち姿が脱力しているので、「武道やってただろ」と言ったら案の定だった。「俺は飛んでるハエをモノサシで叩き落せるよ」と言ったら彼は「私は左手で捕まえることが出来ます」と言っていた。分からない人間は虚言などというだろうが、私の息子は中学のときに、飛んでいるハエを輪ゴムで打ち落として威張っていた。ある領域を超えるとこれぐらいは当たり前のことである。

彼とは、うちに来たり、一緒に飲んだりして、教員と教え子の間を越えた深い付き合いをした。一時期は微笑禅の会にも入っていたが(教え子特権で会費無料)、卒業後の彼がどうなったかは分からない。一度非常に優れた五行歌を投稿してきた匿名の人物がいるので、多分彼の作品ではないかと思う。北国で酒を飲みながら地獄の炎の中で詫びている、というような内容だった。彼は北国の生まれなので、そんな気がしている。

もう一人、1位の青年は、八王子にある精神病院から尋ねてきた。(八王子は寺院と精神病院と介護施設がやたらに多い)

東大浪人中に偶々「微笑禅の会」の規約と「見性体験記」を読んで救いを求めてきたもので、重い鬱病だったのか、何回か自殺未遂を繰り返していると言っていた。
 それで基本的な坐禅の組み方と丹田呼吸のコツを教えて、病院のベッドの上でも必ずこれを繰り返すこと、浪人など何度してもいいから焦らず、困ったらまた来るように、と諭したら少し笑顔になって帰っていった。その後音沙汰はない。生きていればいいが、と気になる。

彼らはもう30前後だろう。今の日本の社会に大きな病理があり、能力が突出し正義感が強いと逆に挫折するシステムが出来ているため、こういう優秀な人材が中々実力を発揮することができない。
 人生は山あり谷ありだから、どうにか巧くサバイバルして上昇機運に乗り、優れた指導者になってほしいと思う。

こういう青年たちとの出会いを思い出すと、私も巳年にちなんで粘り強く現状を脱皮して環境を整えたいと思う。教師体験者にとって教え子が出世するぐらい嬉しい事は無い。彼らとの楽しい再会を夢に、まずは健康回復に努力したい。

以上、出来すぎた話のようですが、全て事実です。(多分昔どこかに書いた筈)