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モーツァルトの歌劇8:《コシ・ファン・トゥッテ》 K.588

2009年05月13日 | モーツァルト
モーツァルトが1790年に作曲したオペラ・ブッファである。正式なタイトルはCosì fan tutte(邦訳:女はみなこうしたもの)。
『フィガロの結婚』、『ドン・ジョヴァンニ』に引き続いて、ロレンツォ・ダ・ポンテの台本に作曲された。初演は1790年1月26日ウィーンのブルク劇場。初演後まもなく皇帝ヨーゼフ2世が死去したため、10回ほどの上演にとどまった。


物語は姉妹の恋人である二人の男が、それぞれの相手の貞節を試すために互いの相手を口説いたら、二人とも心変わりしてしまった。どちらにも言い分がありそのまま認めあうしかないものだということ。
本作品は19世紀を通じて、内容が不道徳であるとして評価が低かったが、20世紀に到ってやっと理解が進み、再評価され今ではモーツァルトのオペラの代表作であると認識されるようになった。
六人の登場人物の組み合わせによる二重唱の美しさでも知られる。
ただ、合唱曲は少ない。


あらすじは、
第一幕
中世のナポリ。フェランドとグリエルモは軍人で友人同士。またドラベッラとフィオルデリジは姉妹。それぞれフエランドはドラベッラと、グリエルモとフィオルデリジは婚約者同士である。二人の男性は共通の友人である老哲学者ドン・アルフォンソと女性の貞節について賭をする。
軍隊の出征を告げる太鼓。二人はいつわって戦地に向かうことになる。フェランドとグリエルモは賭で約束したとおり、変装して互いの相手の婚約者の前にあらわれアタックする。姉妹の女中デスピーナもドン・アルフオンソに買収され、彼に協力する。

第二幕
はじめは固く拒否していた姉妹も次第にこころを動かしはじめる。デスピーナもこれに拍車をかけるようにけしかける。まずはフィオルデリジが陥落して、ついでドラベッラも相手を受け入れる。
新しい恋人同士の結婚式が始まろうとする。そのとき太鼓が鳴って、軍隊が出征から帰ってくる。二人の男性は変装からもとの軍人にもどり、青ざめる姉妹。真相があかされ、四人はもとのさやにおさまってめでたしめでたしとなる。


<私の好きなアリア>
第1幕第4曲ニ重唱「これをご覧、妹よ」(ドラベッラ、フィオルディリージ)
   海辺の庭園/美しい姉妹はお互いの恋人の肖像画を見ている。
第1幕第10曲小三重唱「風よおだやかなれ」 (ドラベッラ、フィオルディリージ、アルフォンソ)
   残った姉妹とアルフォンソが航海の無事を祈る美しい三重唱。
第1幕第14曲アリア「岩のように動かずに」(フィオルディリージ)
   自分の貞節は堅いと宣言する。
第2第25曲ロンド「許して恋人よ」(フィオルディリージ)
   千路に乱れる想いを歌う。
第2幕第29曲二重唱「もうすぐ私の婚約者の胸に」(フィオルディリージ、フェルランド)
   許婚を追って、戦場へ行くため軍服を着て歌う二重唱。
第3幕第31曲フィナーレ「急いで皆さん」(デスピーナ他)
   

<この演奏を聴く>
<決定盤>

指揮ニコラウス・アーノンクール、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ジャン=ピエール・ポネル演出

フィオルディリージ(エディタ・グルベローヴァ)、ドラベッラ(ドロレス・ジーグラー)、フェルランド(ルイス・リマ)、グリエルモ(フェルッチョ・フルラネット)、デスピーナ(テレサ・ストラータス)、アルフォンソ(パオロ・モンタルソロ)
制作1988年。
ポネル演出は衣装や装置のセンスがよく分かり、オペラ映画として制作されており、復古的な写実主義で野外ロケも含まれていて申し分のない面白さである。歌手も実力派で見事である。
アーノンクールの演奏は奥行きのある力強い演奏である。

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<その他>

指揮ニコラウス・アーノンクール、チューリッヒ歌劇場管弦楽団
演出ユルゲン・フリム
フィオルディリージ(チェチェーリア・バルトリ)、ドラベッラ(リリアーナ・ニキテアヌ)、フェルランド(ロベルト・サッカ)、グリエルモ(オリヴァー・ウィドマー)、デスピーナ(アグネス・バルツア)、アルフォンソ(カルロス・ショ-ソン)
制作2000年2月
バルトリのフィオルディリージは表現が豊かだ。アルフォンソは大学の教授として登場しており哲学的すぎるようだ。
アーノンクールの指揮はポネル演出の時以上に緩急メリハリのついた生き生きとした演奏である。


指揮ダニエル・バレンボイム、ベルリン国立歌劇場管弦楽団
演出ドーリス・デリエ
フィオルディリージ(ドロテア・レシュマン)、ドラベッラ(カタリーナ・カンマーローアー)、フェルランド(ウェルナー・ギュラ)、グリエルモ(ハンノ・ミュラー・ブラッハマン)、デスピーナ(ダニエラ・ブルエラ)、アルフォンソ(ロマン・トレケル)
2002年9月1日ライヴ
モダンな装置や衣裳である。しかし演奏は古典的で崩れがない。ドロテア・レシュマンは大喝采を受け人気があった。


イヴァン・フィッシャー指揮、エイジ・オブ・エンライトメント管弦楽団
演出ニコラス・ハイトナー
フィオルディリージ(ミア・ペション)、ドラベッラ(アンケ・フォンドゥング)、フェルランド(トピー・レティフ)、グリエルモ(ルーカ・ピサローニ)、デスピーナ(アインホア・ガルメンディア)、アルフォンソ(ニコラ・リヴエンク)
2006年6月27日・7月1日 グラインドボーン音楽祭
モダンな舞台である。音楽祭らしいきびきびした展開がある。

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