ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

赤い字

2013-02-15 23:36:14 | 嫌いだ嫌いだ
赤い字がある
濃紺の字もある

黒い字は言わずもがな

緑だとか
茶色だとか

ピンクや水色や灰色
なども数えれば
きりがない
ともなる

帳簿のなかに
だとか
カレンダーのうえに
とか

ああ
パソコンの画面の中に
というのが
いまは
もっともありふれた
ということになるか

赤い字だからと言って
情熱的とは限らない
赤い血潮で書いた
ナイフで傷付けてとかではなく
もちろん比喩としてであっても
熱血の情熱で書いた
というわけではないような

壁面に貼り出された
ポスターとか
注意書きだとか

一歩前進とか
清潔に使っていただき有難うございます
だとか
この「清潔」をあえて赤で書く
などということは
あまりない
青で書くことは
ありそうだ

近づくな危険
近寄ると怪我するぞ
と警告したり
そんなときは

だな
赤字だな

収支も
帳尻が合わなくなりますぜ
と脅したり

なだめたりすかしたり
眺めたり透かして見たり

文字の向こうに
青空が透けて見える
ブロックにして積んだ氷壁の向こうに

という文字の

暗い夜の闇が透けて見える
めらめらと燃える木の幹の炎の向こうに
真っ赤な火
という文字の

文字が化けたりする
爛熟したりする
はがれて落ちたりする
したたり落ちたりする
堕ちる
と書いたりする

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