ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

文学的な倒錯について

2018-08-02 23:38:33 | 2015年4月以降の詩

ちからを尽くして狭き門より出でよ

抗いえないかたちをつくり

もだえ苦しむ

 

わたしが苦しみあなたが苦しむ

その先に

 

ほとんど実現しない欲望があるからこそ

いまを享楽しえる

 

コントロールしえないものを奇跡的にコントロールしえたその一瞬にこそ

 

日常は安楽ではない

日常は安楽である

しかし

安楽ではないからこそ

この夜のものではない安楽が生成しうる

 

人間はいつでも仮想敵を創造する

想像された仮想敵が存在するからこそ

ひとびとは団結する

 

敵のいない仲間は

 

敵のいない仲間こそほんとうは幸福な仲間

 

ああ

私はもだえ苦しむ

苦しむ先に天国は存在しうる

 

ああそれは倒錯に過ぎない

私のゲームに巻き込まれたひとは苦しむ

その苦しみのさきに一瞬の

享楽は

 

享楽は生まれる


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