ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

もうひとつの世界

2011-01-10 16:57:41 | ご挨拶

もうひとつの世界が
笑う
この世界は
見えない
もうひとつの世界が
泣く
この世界は
冷たい

暖かな温もり
肉体の実在

あなたがいるから
リアルは暖かい
屋外は
冷たい

この世界は
ない
この世界は冷たく
意味がない

もうひとつの世界が
ある
豊かな意味を育んで
もうひとつの世界が
ある

実在に虚構が重なって
はじめて
社会は暖かい

ストーブで灯油が燃焼するから
この部屋は暖かい
服を着ているから
寒くない
身も蓋もない

想像しても
部屋は暖まらない
想像するだけでは
部屋は寒いままだ

私が
誰かが
スイッチを押さなければ
行為しなければ
行為を想わなければ
冷たいまま
もっと冷たく冷え込んで
夜が更けていく


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