ぼくは行かない どこへも
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気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

畠山美由紀の「大阪しぐれ」 『都はるみを好きになった人』日本コロンビア から

2023-03-03 23:37:44 | エッセイ
 畠山美由紀スタッフ@miyuquinhaのツイッターで、「大阪しぐれ」が、7インチシングルで発売と告知されていて、つまりアナログのレコードらしい。
民謡クルセイダーズfeat.浜野謙太(トロンボーン&コーラス、在日ファンク)の「アラ見てたのね」が、Side A、そしてSide Bには畠山美由紀とLITTLE TEMPO(日本を代表するダブ・バンドらしい)による「大阪しぐれ」を収録ということ。「アラ見てたのね」は、派手で明るく、イケイケに楽しめる曲なので、A面にふさわしいとは言えるだろう。
 もともと2020年のトリビュートアルバムアルバム『都はるみを好きになった人』からのシングルカットらしく、そういえばそんな話もあったな、と思い出して、CDのアルバムの方を購入した。
 ラインナップは、1UA/北の宿から、2一青窈/好きになった人、3怒髪天/涙の連絡船、4ミッツ・マングローブ/花の乱、4民謡クルセイダーズ feat. 浜野謙太 /アラ見てたのね、5畠山美由紀/大阪しぐれ、6水谷千重子&Chage /浪花恋しぐれ、7高橋洋子/アンコ椿は恋の花、8大竹しのぶ/千年の古都。
 どれも、面白い。編曲がいい。多種多様だ。パンク、ダブ、レゲエ、ディズニーの映画音楽風だったり、ピアノ1本とか、ユーミンの中央フリーウェイのようなイントロだったり、クリームのホワイトルームみたいなイントロだったり(順不同)。買って良かった。ちなみに、水谷智恵子は、友近の偽水谷八重子、Chageは、チャゲ&飛鳥のチャゲ。高橋洋子はアニソンの歌手か。
 どの曲も、甲乙付けがたいところだが、畠山美由紀のうたもピカ一と言って間違いない。力みがなく、さらっと歌っているようで、味わい深い。シングルカットされるにふさわしい名唱である。
 ライナーノーツに

「畠山美由紀はジャズやボサノヴァなどオシャレなイメージが強い美女だが、ここでは、港町気仙沼育ちならではの情の深さが、日本を代表するダブ/レゲエ/バンド、リトル・テンポによる朗らかなバッキングと実にいい塩梅に溶け合っている。」

と紹介されている。
 畠山美由紀の「港町気仙沼育ちならではの情の深さ」と言えば、まさしくあのカバーアルバム『歌で逢いましょう』。これは傑作である。
 「シクラメンのかほり」から始まって、どれも素晴らしいが、5曲目八代亜紀の「おんな港町」は絶唱である。「港町気仙沼育ちならではの情の深さ」が表面の殻を突き破って噴出してしまった歌というべきである。
 そして、「かもめはかもめ」。そうだNHKの朝ドラ「おかえりモネ」のりょーちんの、大震災で亡くなった母親坂井真紀がいつも歌っていた歌。2014年のこのアルバムで、畠山美由紀がすでに歌っていたのだ。
 ということで、『都はるみを好きになった人』と『歌で逢いましょう』は、気仙沼人必携のアルバムに違いない。もちろん、気仙沼人に限らず、広く聴いていただきたいものである。




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