時節詠 2009-05-02 23:19:48 | 寓話集まで 春五月 川ばたのススキヶ原が突如 一面枯れはてたか と目を怪しんだが 怪しむも道理 次第は逆で 枯れたススキの群落の 流れの側と 土手の側と 双方から 鮮やかな濃い緑の縁どりが発ち上がり 冬枯れの景色に溶け込みひそんでいた枯れ草色の一群れが 不意に起ち上がったのだ ほんの里山の山あいを発し 一世代前は町場の周縁をかたどった流れの 短い中流域の終わりの 川原を覆う 一息に生気づいた枯れススキの原 . . . 本文を読む