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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

菅平高原の大松山へ山菜採りに。初夏の爽やかな高原を堪能(妻女山里山通信)

2020-05-29 | アウトドア・ネイチャーフォト
 菅平の大松山(1649m)へ山菜採りにでかけました。ほぼ毎年の恒例なんですが、今年は少し早いのではないかと、昨年より数日早めにしました。これがビンゴ。ただ、長野市若穂から登ろうと思ったのですが、なんと保科温泉から先が全面通行止め。そうなら403号の角のセブンイレブンの横に看板出しとけよ!と。帰路に唐沢の滝で、拙書の愛読者のご夫婦に邂逅したのですが、同じ目に遭ったそうで、旦那さんが建設事務所に抗議の電話をしたとか。そうですよね。Google Mapでも通行止めの表示はないし、ラジオの交通情報でも全く触れられていませんでした。超有名な観光地なのに、あまりにも配慮に欠けています。昨年の台風19号の土砂崩れで復旧には1年ぐらいかかるということです。
 早く着きたいので思案。須坂から406号で峰の原高原、松代から35号で地蔵峠越えで真田から、私が選んだのは松代から高速に乗って上田から真田経由で菅平へ。なんとか10時に着くことができました。

 大松山の東面は、菅平高原パインピークスキー場です。そのゲレンデの空き地に駐車します。高原を挟んで西側には拙書でも紹介している根子岳(左)と四阿山(右)がそびえています。白く見えるのは高原野菜のマルチです。すでに10台ぐらい車が止まっていました。ここから山頂までの標高差は280m。登山道ではなくゲレンデを適当に選んで登っていきますが、上級者コースは最後が崖かと思う様な急登になります。楽にワラビを採りたいならば、向かいの菅平牧場をおすすめします。入山料が数百円必要ですが、牛の糞がいい肥料になって太いワラビが採れます。

(左)ゲレンデはいくつもあるので、散り散りバラバラになります。山頂までゲレンデはありますが、ほとんどの人は下の三分の一ぐらいで採っています。私は山頂を目指します。上に行くほど急傾斜なのでかなりきついです。(右)沢筋に多い山菜のミズもあちこちに見られます。

(左)かなり登ってウド。そこら中にあるわけではないので、ウド目が必要です。ワラビはたくさんあります。(右)コゴミの群生地もあちこちに。もう開いていて食べられませんが。

 かなり登りました。ログハウスの見えるところが山頂です。最後の急登はかなりきついので、右手にあるスキー場メンテナンスの林道に。つづら折れで登ります。ここまで来る人はいません。ゲレンデにニホンカモシカは出ることがありますが、ツキノワグマは出ません。ただ山頂の向こう側は生息地なので、熊鈴を付けました。

 山頂のすぐ北側のリフト降り場からは北アルプスの絶景が見られます。手前は保基谷岳から地蔵峠への尾根。その向こうは、私がホームフィールドとしている妻女山や陣馬平、鞍骨山から鏡台山に連なる戸神山脈。その向こうに茶臼山。右奥に虫倉山。いつまでも見ていたい癒やされる景色です。

 望遠で。茶臼山の中腹に見える少し明るいところは名産の林檎畑です。一番右には、レッサーパンダで有名になった茶臼山動物園もあります。

 北アルプスの手前に見えるのは、この間登った聖山。その手前は、鏡台山。いずれも拙書で紹介しています。鏡台山は、旧埴科郡の中心の山で、古くから重要な峠道がいくつもありました。

 山菜を採りながら約1時間で山頂に着きました。吹き上がる風が気持ちいい。高原野菜のマルチが白く光っています。夏になるとラグビーやサッカーや陸上だけでなく。吹奏楽などの合宿も行われます。その音がここまで聞こえてきます。この夏はどうなるのでしょう。

 南東を見ると浅間山。噴煙は見えません。右手には湯ノ丸山と烏帽子岳も。富士山も見えるのですが、この日はもやっていて見えませんでした。かなり下からカッコウの鳴き声が聞こえます。

(左)今回はランチを作ってくる時間がなかったので、最近話題のルーロー飯をセブンイレブンで購入。美味でしたが甘すぎます。高菜炒めはいいけれどもやしは要らないな。(右) キジムシロがあちこちに咲いていました。
魯肉飯(ルーローハン):横浜中華街に通い詰めた私のオリジナルレシピです。中華街の関帝廟通りの「秀味園」の味にかなり近いと思います。豚の頬肉を手に入れるのは難しいかもしれませんが、豚バラでもできます。

(左)毎年来ているので太いいいウドのある場所は分かっています。ここまで登ってくる人はいません、ゲレンデは何本もあり、広すぎて初めての人は途方に暮れるでしょう。(右) ずいぶんと歩いてイタドリの群生地がありました。スズランやツマトリソウ、アマドコロやシシウドも咲きます。

(左)リフトの保全道路に人知れず咲く立坪菫の大群生地があります。(右) 偶然に見つけたホソバアマナ(ユリ科チシマアマナ属)。ヨモギやヤグルマソウの群落の中にたったひとつありました。

(左)ズミが満開です。山頂のズミはまだつぼみでした。(右) ウワミズザクラも満開で風に揺れていました。

 帰路に立ち寄った唐沢の滝。落差約11m。滝の岸壁は根子岳から噴出した溶岩が固まった板状節理です。

(左)渓流の向こう側にはドイツトウヒの森。非常に面白い植生の森なので行きたかったのですが、以前あった丸太の橋が流されて渡河できませんでした。残念。(右) 今回採った山ウド。50本ぐらいあります。ウドは採ったばかりのものに味噌をつけていただくと最高です。これは、週末の仲間との作業に持っていって天ぷらにします。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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