美味艶女~おいしい料理に囲まれて~

おいしい料理に囲まれてれば 福来る♪ おいしいものの連鎖は 幸せの連鎖♪

ロールケーキ♪彩編

2015-01-23 | ショートストーリー

 

「ええっーーっ。将弘って、元カノにもらった 時計 まだ捨ててなかったの?」

って ことが 発覚したのが 原因でした。

 

「いやあ、 元カノには 愛情ないけど、この時計には、 愛着があるんだよね~。

 元カノは 捨てれても この時計は 捨てれなくってさあ。」

 

今まで 全然 気にもとめなかった、将弘の元カノ。

「そんなに好きじゃ なかったから 別れた」

と 言っていたけど 案外 違うのかもしれない・・・。

 

噂によると、元カノとは、テニスのサークルで知り合い、彼女は今 製菓学校に通っているらしい。

テニスと お菓子づくりが 好きなのか・・・。

 

もしかしたら、将弘は、元カノの お菓子に惚れていたのかもしれない。

そうおもった 彩は、お菓子作りを 始めた。

 

「俺、 実は、 スイーツ男子なんだよね~。うれしいな~。   ロールケーキ 作ってよ。俺の好物」

将弘が スイーツ好きだとは、知らなかった。

将弘は、 やっぱり お菓子作りが 上手な 彼女が 欲しかったのかもしれない。

そう思うと、 気合いが はいった。

 

彩は いろんなロールケーキを 作った。いちごを入れたり、プリンを入れたり、キャラメルクリーム入れたり、クレープ風にしたり。

 

「ねえ、その時計 捨てて。それよりいいものをかってあげるから」

10万円の支出は 痛いけど、元カノにもらったものを 身につけてほしくなかった。

 こうなったら、女の意地だ。



「わかったよ。ごめんな。

  俺、欲しい時計が 一個あるんだ。これは捨てるから、見に行こうな」

 

そういって、将弘は おいしそうに ロールケーキを 食べた。

 

「彩、ありがとう~。俺 これが 欲しかったんだよ。

 大切にするからな」

 そう言って、将弘が 手に取ったのは 20万円の 時計でした。

 

実に さりげなく。

悪いなって 口にしながら、心の中では 全然思っていないかんじで。

 

将弘が 好きなのは、 お菓子をつくってくれる彼女じゃなくて、

お金を たくさん持っている彼女なのかもしれない・・。とふと思った彩でした。

 

でも、いつか 私は 裏切られても この時計だけは まだ 身につけていてくれそうだ。