大学生の頃 真知子が 雅彦くんの事を
大スキだったのを 知っていたし
、
私は 雅彦くんと おつきあいしている
つもりも 全然なかったんだけど・・・。
、
雅彦くんから 「真知子と 別れた」
と 聞いた時は、
取り返しのつかないことをしてしまったと、
随分 悔やんだ。
、
、
その頃、私は 歯科助士の バイトを
始めたばかりで
毎日 桜上水の歯科に 通っていた。
そこは 雅彦くんが 前から
通っていた歯科だったらしく
「真知子の 友達ですよね~」と
声を かけられたのだった。
、
「真知子には 絶対 ばれないようにするから、
食事へ 行こう」と 言われ
1回だけ 下高井戸の 居酒屋へ 行った。
、
歯科助士を してて 思うのが
他人の口の中を 見るというのは
なんとなく 秘密を 共有しているような
私だけが 相手を 知っているような
錯覚に なってしまう。
、
雅彦くんは 楽しかったし
病院内で 出会ったときだけ
何度か お話ししたことが あっただけだった。
だから 別れたと 聞いて
正直 びっくりしたし
なんで 私に報告するのか 理解できなかった。
、
仲良かった真知子が 私から 離れていったのは
それから ずいぶん経ってからだった。
真知子が 私と雅彦くんの事を
気がつかなければ
それが 一番いいと思ったし
うしろめたさから
私は 真知子に
本当のことを言えなかった。
、
真知子が 私から 離れた
本当の理由は 知らない。
でも 本当は
私も 真知子から
離れたかったのかも 知れない。
言い寄ってくる 雅彦君からも
失恋して 苦しんでいる 真知子からも
私は 逃げたかった。
、
さようなら も ありがとうも 真知子に言えないまま
大学を卒業した。
だから 社会人になって
再会した時は とてもうれしかった。
、
真知子と よく行った 吉祥寺の鉄板焼き屋さんに
この間 主人と 行ってきた。
、
大学の帰りに いつも
お好み焼きを 注文していた。
魚貝たっぷりの お好み焼きが 懐かしかった。
、
来月 私は 商社に勤める主人について
オーストラリアに 行く事になっている。
海外での 商社の奥様が 私に務まるか
心配で 着付けも料理も お作法も もう一度
やりなおしている。
、
真知子から 連絡があって
久しぶりに 会いにいくことになった。
、
真知子の好きだった 日本酒も 用意した。
海外でも このお酒は 喜ばれると
聞いたので、常に用意してあるお酒だ。
、
また 真知子と一緒に お酒が
飲めるとは 思わなかったから
すごく 嬉しい。
真知子の 近況も 聞きたいし、
私の心配も 聞いてくれるかな~。
上善如水のセット。
濃い目の上善如水と 普通の上善。
おっと。今日は Blendyが 入る余地なしっ(・_・;)汗
注) 昨日の つづきの フィクションです。
由美子は 相変わらず 由美子でしたね。