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(ゆげ塾の)(マンガ)構造がわかる世界史

2014年05月28日 | ★★☆☆☆
『(ゆげ塾の)(マンガ)構造がわかる世界史 』
ゆげ塾 (著), ゆげひろのぶ (原作・脚本), 野村岳司 (脚本), 川本杏奈 (イラスト),

 
飛鳥新社 (発行)
A5判、ソフトカバー、168ページ
2014/04/02発行
ISBN-13 978-4-86410-308-4
NDC分類: 209

定価 :1,080円(税込み)


 内容(「BOOK」データベースより)
東京池袋にある「ゆげ塾」は、毎年難関有名大学への高い合格率を誇る受験世界史専門の名門塾。講師はゆげ先生ただひとり。その授業は明快にして論理重視。毎授業が「新たな発見」に満ちています。本書は、その伝説講師であるゆげ先生が「世界史なんてな~んにも知らない」人から「世界史は大の得意」という人まで、誰もが納得できるように「世界史」を書き下ろしたものです。「知らなかった!そうだったのか!」と膝を打つこと必至。「世界史の構造」がわかる快作です。

 内容(下記出版社の紹介ページより)
学校では教えてくれない「歴史の構造」を美少女漫画で教えます。


(世界史年表・本書が扱う範囲はここ!)
まえがき p.02
目次 p.04
序章 坂本龍馬とアメリカ南北戦争 p.07
第1章 ウサイン=ボルトはなぜ速い?  ―18世紀大西洋三角貿易が生んだスプリンター p.12
第2章 クレオパトラはギリシア人  ―古代の東地中海はぜ~んぶギリシアだった p.25
第3章 なぜ、フランスは原発大国なのか  ―世界の銀行イギリスと世界の高利貸しフランス p.41
解説1  なぜ、日産の社長はカルロス=ゴーンなのか? p.59
第4章 ヨーグルトで知る遊牧民の戦闘力  ―中世ユーラシア大陸を支配したトルコとペルシア p.61
解説2  草原の貧者から大陸の王者へ p.81
第5章 なぜ、アメリカは銃を持つのか  ―アメリカ銃社会の起源は古代ギリシア? p.84
解説3  合衆国の暗黒史 p.100
第6章 EUの誕生。国民とは何か  ―独仏ナショナリズム合戦 p.103
第7章 なぜ、カトリック教会は2千年以上続いているのか  ―現存する世界最古の巨大組織。その強みは「童貞」 p.130
第8章 国際連盟を破壊し、国際連合と戦った日本  ―近代日本と「国際社会」の関係史 p.145
解説4  国際連合がもたらした悲劇 p.165
奥付け p.168


萌え本分類: 解説書型。
ナビゲーター: 明らかなナビキャラはいない。近代史部分では擬人化キャラクター「イギリスちゃん」「フランスちゃん」「ドイツちゃん」が活躍。他に「アメリカちゃん」「日本ちゃん」などが登場する。

カバー表紙: タイトルは横書きで一部遠景配置。タイトルの字色は白抜き、縁つき白に黒。ウジェーヌ・ドラクロワ作「民衆を導く自由の女神」を元に、主要な3人を上記のナビゲーター3名に置き換えたパロディイラスト。
中表紙:モノクロ版で、カバータイトル及びキャラクター3名のイラスト部分を配する。
折込ポスター:なし。(巻頭に折りこみの世界史略史年表が付属する。BC500年からAD2000年代までを西欧、中東、インド、アジア、日本、北アメリカの6地区に分け、「章別の論述範囲」を囲み範囲で図示。)
本文: 解説部分などは縦書き一段組みが基本。漫画部分も縦書きが基本だが、横書き表記が混在する。
構成・設定: 巻頭の折りこみ年表のみカラー、本文全体はモノクロ印刷。序章および本文8章の9項目からなり、章間4か所に解説文が付属する。各章は5頁(序章)、12~25頁のストーリー仕立ての解説漫画の体裁をとり、解説ではそれぞれの前章の内容を補足する説明文がおかれている。ストーリー相互の関連は特になく、統一化されたナビキャラなども存在しないが、18世紀以降を扱う3、5、6、8章では国家の擬人化キャラクターが登場する。索引・参考文献は付属せず、折りこみの略史年表に表示された「章別の論述範囲」が索引代わり。


評価:
萌え絵度:  作画の担当は川本杏奈さん。本書カバー折り返しの紹介によると「ゆげ塾の卒業生」で歴史漫画家志望だそうだがそれ以外の情報は不詳。絵柄の雰囲気は悪くないが萌え絵というより通常の漫画風であり、画力はまだまだ。
テーマ萌え度:主著者のゆげひろのぶ(弓削寛修)さんは、都内で世界史塾を主催するカリスマ講師。世界史を単なる人物・事件の羅列として暗記するのではなく、個々の事像の背景に存在する思想・経済・宗教的などのつながりから眺めた「通史としての世界史の理解」を紹介するのが目的と思われる。国境や歴史をまたいだ意外なつながりを知ることで、世界史に対する興味がわいてくる、という点では本書の編集意図は十分はたされているといえよう。その分、一冊の書籍としてのまとまりは薄くなっており、本書一冊で「歴史の構造」のすべてを理解できるわけではない。 複雑にからみあう状況を解説するために「漫画」を主体としたのは良い選択で、理解がしやすいのは確か。ただしこちらも章別に設定がバラバラでイラスト担当が一人であるわりに統一感は薄い。
萌え本的意義: 飛鳥新社の発行としては、知りうる範囲で初の萌え書籍。
世界史総論の類書としては、
『(CD付)朗読少女とあらすじで読む世界史 』(中経出版刊、12/07)、
(古代から現代まで、これ一冊だけで歴史の大枠がつかめる!)まんがと図解でわかる 世界史(別冊宝島 1892) 』(宝島社刊、12/09)、
『(マンガでわかる)世界史 』(池田書店刊、13/06)など。
また、かなり方向性は異なるが『(クリエイターとプレイヤーのための)ファンタジー事典 』(笠倉出版社刊、13/08)も一応中世西欧史関連の類書。


総合萌え度 :★★☆☆☆


紹介ブログ記事:
店長のつぶやき  2014年03月22日づけ記事、
レビュー: 「ゆげ塾の構造がわかる世界史」
http://tencho.radiya.net/kouzou-sekaishi
 一読しての第一印象は、非常に分かりやすくてかつ教科書としても使えるもの。
「 絵はゆげ塾の卒塾生の方が描いたとのことですが、キャラクターが可愛らしいので、内容が頭にスッと入ってくる一因になっています。
萌えキャラクターとコミカルキャラを上手く使い分けているという印象で、リアルな人物 (新渡戸稲造、東条英機など) もなかなか似ているのが特徴。
ドイツちゃんとフランスちゃんが可愛いです(笑) 」
 内容的にフランス革命以降の近~現代の欧州が半数を占めており、網羅的な世界史の解説ではないところは残念。


fungusticのブログ  2014年04月06日づけ記事、
面白すぎる ゆげ塾の マンガ 構造がわかる 世界史
http://ameblo.jp/fungustic/entry-11815267195.html
「 背表紙の今風な感じの
女の子のイラストは案内人ではなく、
各国の国を象徴した国旗そのもの。
この子達のコミカルな動きに
教え方の旨さを感じずにはいられなかった。 」
 学生時代に読みあさった歴史本と比べて隔世の感が。


著者、ゆげひろのぶ(弓削寛修)さん主催、世界史塾の公式サイト:
ゆげ塾
2014年05月現在、トップページに本書の情報を掲載。
「 3月19日発売開始日…
amazonランキング
 地歴部門第1位獲得
 全書籍部門第15位 を獲得 」との由。

飛鳥新社紹介ページ
「ええッ~!そうだったのか! 」と驚く史実がいっぱい。
学校では教えてくれない「歴史の構造」を楽しくマンガで学べます。」
 基本データ、目次の抄録を掲載。


Amazon.co.jp         の紹介頁
honto(旧bk1)         の紹介頁
楽天ブックス          の紹介頁
セブンネットショッピング   の紹介頁
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付記:
Amazon、楽天の発売日は03月19日、公式サイト、hontoの発売日は同18日。セブンネット、紀伊国屋書店では04月と記載。


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