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世界に広がる萌え本の輪

(宙のまにまに)天体観察「超」入門(機材ゼロでも大丈夫!)

2011年09月28日 | ★★★★★
『(宙のまにまに)天体観察「超」入門(機材ゼロでも大丈夫!) 』
柏原 麻実 (著)

 
講談社 (発行)
新書版、ソフトカバー、162ページ
2009/08/21発行
ISBN-13 978-4-06-364783-9
NDC分類: 442

定価 :860円(税込み)


 内容(「BOOK」データベースより)
美星や朔と一緒に、“星見”しよう! 月刊アフタヌーンで連載中の天文部青春グラフィティ漫画『宙のまにまに』から飛び出した、世界一わかりやすい天体観察入門です。イラスト満載、予備知識ゼロでOK、誰でも楽しく読める! 「夜空を観るにはまず30分目を慣らして」「虫除けは必携」などなど、従来の入門書では詳しく解説される事がなかった基本の基本からご紹介。機材なんて無くても、夜空の美しさと物語を楽しむ秘訣を、現役の天文ファンである『宙のまにまに』作者自らがガイドします。

 内容(下記出版社の紹介ページより)
イラスト満載、非理科系のための天文入門!
『宙のまにまに』作者の柏原麻実氏が語りおろし。自身の趣味でもある観望のノウハウをイラスト豊富にわかりやすくお伝えします。ファンアイテムとしても必携!


カラーイラストギャラリー p.01
中表紙 p.05
目次 p.08
『宙のまにまに』って? P.12
ウェルカム、スターウォッチング! P.16
星見、基本のキ目を慣らそう! P.20
市街地で星を見たら次は郊外へ p.28
月はいつ沈む? P.32
必携アイテム&服装のコツ p.36
屋外観察の持ち物は? P.40
冬の夜の長時間観察、防寒対策は? P.44
プラネタリウムへ行ってみよう! P.48
とりあえず、一つ星座を見つけよう! ~星座の覚え方~ p.54
春の夜空を見よう! P.58
夏の夜空を見よう! P.66
秋の夜空を見よう! P.76
冬の夜空を見よう! P.86
北極星の見つけ方 p.100
星座早見盤に載ってない、明るい星がある!? ~惑星や人口衛星の見分け方~ p.102
一眼レフでなくても写真は撮れます! P.110
彗星って頻繁に見られるもの? P.114
流星群を見よう! P.118
宇宙を感じる、それが食! P.124
月だって楽しんで p.128
秋でも夏の大三角が見える? P.132
天文台って一般の人も入れるの? P.138
星を見る感動を味わって! P.141
あとがき p.146
参考文献 p.148
巻末便覧1:便利なWebサイト p.155
巻末便覧2:全国の主要な公開天文台 p.153
奥付 p.157


萌え本分類:解説本型。
ナビゲーター:漫画版「宙のまにまに」の登場人物たち。

カバー表紙:タイトルは横書き。タイトルの字色は赤~黄色のグラデュエーションに青、黒。星空の背景に漫画の登場人物の集合イラスト。
中表紙:なし。
折込ポスター:なし。(原作漫画由来のカラーイラストギャラリーが4頁)
本文:縦書き、一段組み。
構成・設定:漫画の描き手ご本人が、天体観測を基礎の基礎から解説し、星見(ほしみ)の楽しさを知ってもらおうという、文字通りの「超」入門書。準備も知識もゼロの状態から、「まずは目をならして」「星がみえやすいところに移動し」「その時に相応しい服装に着替えたら」「あると便利な道具をそろえ」「プラネタリウムで知識をつけてから」、さあ天体観測にでかけよう!っていう導入部を単行本で読めるのは結構新鮮。現代の入門書らしく、巻末には参考Webサイトや天文台のサイト集が並ぶ。
 広義の「『宙のまにまに』ファンブック」といえない事もない。


評価:
萌え絵度:  原作漫画からの転載カットが主体。原作者がカットを選定しているので、内容との関連性や相性は良好。
テーマ萌え度:天文漫画を連載していた著者の天体観測の楽しさを皆に知ってもらおうという「星萌え」「星座萌え」っぷりは充分伝わってくる。内容も一般向けでわかり易い。
萌え本的意義:2009年の4月から10月までに16冊が刊行された、講談社「アフタヌーン新書」のNo.12。同社の「 現代新書」や「 +α新書」、「 ブルーバックス」とは異なり、月刊漫画誌「アフタヌーン」編集部が独自に立ち上げた新書シリーズ。他の編集部ではすぐに没になるような、時流に乗った内容や軽い内容、Webサイトをまとめたものなど新分野に挑戦した(ITメディアニュース、2009年4月10日付け)。
 本レーベルの表紙カバーは、「アフタヌーン」の頭文字「A」を青色で大きく配置し、Aの部分にその本のテーマとなるイラストや文字が描かれているのが一般的だが、本書のみは「漫画版のタイトルを配した集合イラスト」となっている。
 編集意図も含めて「萌え本として造られたものではない」のは明らかなのに、本書が「萌え本としての要件」を満たしており、しかも非常に水準が高いのは興味深いことである。


総合萌え度 :★★★★★


講談社紹介ページ

著者、柏原 麻実さんの公式サイト:
はらっぱ商店街


Amazon.co.jp紹介頁
オンライン書店bk1紹介頁
楽天ブックス紹介頁
セブンネットショッピング紹介頁
紀伊国屋書店BOOK WEB紹介頁


付記:
Amazonでの発売日は20日。
原作となる漫画版は、講談社刊の漫画雑誌『月間アフタヌーン』2005年11月号より2011年9月号まで連載。単行本は全10巻が2011年9月に完結
TVアニメ版(全12話)は、2009年7月から9月にかけて、AT-Xおよび独立UHF各局にて放送され、DVDも発売されている。

らき☆すた(と学ぶ)化学 [理論編] が面白いほどわかる本

2011年09月24日 | ★★★☆☆
『らき☆すた(と学ぶ)化学 [理論編] が面白いほどわかる本 』
松原 隆志(著), 美水 かがみ(イラスト)



中経出版 (発行)
A5版、ソフトカバー、362ページ
2010/10/10発行
ISBN-13 978-4-8061-3848-8
NDC分類: 431

定価 :1,470円(税込み)


 内容(「BOOK」データベースより)
「物質の分類」から始まって、「モル計算」「気体」「化学平衡」まで、「理論化学」の基本を完全網羅。定期テスト対策にも大学入試対策にも使える、オールマイティな参考書。 

 内容(下記出版社の紹介ページより)
河合塾講師。高校の化学I・IIで扱う 「理論化学」の全範囲について、大人気コミック「らき☆すた」のキャラクターを使い徹底解説。覚えにくく理解しにくい“物質の基本的なしくみ”と“物質どうしの反応”を ビジュアルで説明し、定期テストから大学入試まで役立つ一冊!
 大学入試における化学Ⅰ・Ⅱの範囲の中から、「理論化学」の分野を基礎からわかりやすく解説。特に、本書のウリである化学現象の理解、用語の理解、公式の理解に重点を置き、化学を苦手としている学習者が基礎から始めて入試標準レベルまで通用する内容となっています。
 本文イラストは、美水かがみ先生のオール描き下ろし&2色刷りです。高校の化学の授業を受けているという設定で描いていただきました。実験用白衣や体操着を着て、化学現象をイメージでわかりやすく表現しましたので、これまでの学習参考書の常識を超える、画期的な参考書になりました。


この本の特徴
この本に掲載されているイラスト、いいとこどり!
『らきすた』について、登場キャラクター紹介 p.02
はじめに p.03
目次p.05
第1章 物質の構成粒子,周期律 p.10
第2章 化学結合 p.27
第3章 化学反応式と化学量と濃度計算 p.48
第4章 熱化学p.63
第5章 酸・塩基 p.93
第6章 中和反応と塩 p.105
第7章 酸化還元反応 p.129
第8章 金属のイオン化傾向と電池 p.145
第9章 電気分解 p.166
第10章 結晶・結晶格子(化学Ⅱ) p.185
第11章 気体・気体の溶解度(化学Ⅱ) p.204
第12章 物質の三態・蒸気圧・実在気体(化学Ⅱ) p.227
第13章 希薄溶液の性質(化学Ⅱ) p.250
第14章 反応速度(化学Ⅱ) p.264
第15章 化学平衡(化学Ⅱ) p.279
第16章 電離平衡・固体の溶解度(化学Ⅱ) p.293
第17章 コロイド(化学Ⅱ) p.320
第18章 分離操作・基礎法則 p.336
さくいん p.350
メモ帳 p.356
奥付 p.362


萌え本分類:参考書型。
ナビゲーター: らき☆すたの登場人物6名(泉 こなた、柊 つかさ、柊 かがみ、高良 みゆき、峰岸 あやの、日下部 みさお)。

カバー表紙:タイトルは横書きで一部変形配置。タイトルの字色は赤、白、黄色。青系の背景に、白衣を着た泉 こなたのイラスト。
中表紙:
折込ポスター:なし。(巻末に折込でナビゲーターのイラストを配した『らき☆すた 周期表』が付属)
本文:横書き、一段組み。
付録:赤色チェックシート一枚。
構成・設定:本編の解説は全て対話授業の形式で書かれてあり、重要なポイントはキャラクターとの掛け合い形式で注目度を上げたり、各種の化学反応をキャラクターの人間関係で表したりと様々な工夫が見られる。


 評価:
萌え絵度:  表紙、挿絵、カットの全てが「らき☆すた」の作者である美水かがみさんによるオリジナル書き下ろしで本文内容に合わせて書かれている。らき☆すたキャラクターの二色刷りイラストは、本書のみの特色とか。
テーマ萌え度:前述の表現についての工夫はともかく、全体として高校化学の参考書なので、萌え度が高いとは言い難い。
萌え本的意義:通常この種の学習参考書は表紙のイラストだけが書き下ろしで、中身は関係ないカット数点とか単行本からの流用絵だったり、中にはカバーのみかけかえで中身はまったく萌えのかけらもないものもあるなか、この本は多数の書き下ろしカットがあり、しかも本文内容に合わせて書かれているのは高評価。
本書の一番の問題点は、2010年10月という発行時期である。TVアニメ放送が2007年、ドラマ版CD発売が2008年、鷺宮神社などの聖地巡礼が話題となったのが2008~2009年あたりで、本書の刊行された2010年には「萌え物」としての旬は過ぎつつあった。


総合萌え度 :★★★☆☆


 紹介ブログ:
アキバBlog」2010年10月7日付け記事
「らき☆すたと学ぶ 化学が面白いほどわかる本」
 6日に店頭に並んでいた。

中経出版紹介ページ


Amazon.co.jp紹介頁
オンライン書店bk1紹介頁
楽天ブックス紹介頁
セブンネットショッピング紹介頁
紀伊国屋書店BOOK WEB紹介頁


付記:
Amazonの発売日は10月7日。楽天Booksの発売日は10月6日
 本書のカバー裏表紙側には続刊予定として、「化学[有機編]が-」「化学[無機編]が-」の二冊が2012年に刊行予定、との広告が載っている。既に乗り遅れ気味なのに、来年で大丈夫なんだろうか?

フェルマーの最終定理(萌えて愉しむ数学最大の難問)

2011年09月21日 | ★★☆☆☆
『 フェルマーの最終定理(萌えて愉しむ数学最大の難問) 』
中村 亨 (著), 三嶋 くるみ (漫画), 木戸 実験 (シナリオ) ,


PHP出版 (発刊)
B6版、ソフトカバー、208ページ
2009/12/25出版
ISBN-13 978-4-569-77520-3
NDC分類: 412

定価 :1,155円(税込み)


 内容(下記PHP研究所公式頁より)
「あたしの名前は、フェルマーの最終定理!」
360年間、誰も証明することができなかった数学の難問「フェルマーの最終定理」を美少女に擬人化。通称「フェル子」と呼ばれる彼女と、コスプレが趣味という少女のオタッキーでコミカルなふれあいを描いたストーリー漫画を楽しみながら、自然に歴史的難問の意味と数学的価値を学ぶことができる。
解説ページでは、人気テレビ番組「たけしのコマ大数学科」でおなじみの中村亨氏が、「フェルマーの最終定理」が証明されるまでの経緯を物語仕立てでわかりやすく語る。


プロローグ p.01
まえがき p.13
もくじ p.16
第1話 フェル子とうさぎ p.17
 解説1 物語の始まり p.37
第2話 願いの森 p.53
 解説2 フェルマーの後継者と現代代数学の誕生 p.83
第3話 パパとフェル子 p.109
 解説3 夜明け前 p.129
第4話 叶わぬ望み p.135
 解説4 晴天の霹靂 p.153
第5話 うさぎの願い p.175
 解説5 素晴らしい結末 p.193
参考文献 p.206
奥付け p.208


萌え本分類:漫画本型。
ナビゲーター:なし。強いていえば漫画の主人公(積野うさぎ&フェル子)がナビゲーター。

カバー表紙:タイトルは横書き。タイトルの字色は小豆色と黒。数式のロゴなどを背景に、主人公の少女二人が座るモノクロのイラスト。
中表紙:縦書きのタイトルと、カラーの主人公(フェル子)のイラスト。
折込ポスター:なし
本文:縦書き、一段組み。
構成・設定: 少女漫画(ファンタジー風味)の漫画部分、プロローグ+5章と、フェルマーの最終定理の成り立ちからワイルズによる谷村・志村予想の証明の概説までの解説部分5章が交互に配置される。


評価:
萌え絵度:  少女漫画風のストーリー部分は、萌え絵というより可愛い系。解説部分には登場する数学者たちの似顔絵が多数掲載されているがこちらは全然萌えない。
テーマ萌え度:漫画部分と解説部分には直接の関連はなく独立に読める。一応うさぎの父親が数学者だったり、主人公が「フェルマーの最終定理」を名乗る不思議キャラだったり、浮遊する「ガロア群」やケモミミの「ヘッケ環」や巨大な暗黒の「ゲーデルの不完全性定理」が出てきたりと数学本っぽくなってはいるが…。
萌え本的意義:2月発行の『ねこ耳少女の量子論 』と翌年2月発行の『ねこ耳少女の超ひも理論と素粒子理論』に挟まる形で発行された、PHP研究所のB6版萌え本第二弾。「ねこ耳」シリーズよりは解説部分の分量がほぼ半分と多く、書籍として企画された兆しがうかがえる。定価も1100円と「ねこ耳」より高めだが、萌え本としては安価な方。解説部分が判りやすいストーリー展開で読みやすいのに対し、漫画部分は絵柄&ストーリーとDeepなネタ系のキャラクター設定が解離してる印象が強い。数学萌えの道程は険しいなあ。


総合萌え度 :★★☆☆☆


紹介Blog記事:
アキバBlog 」 2009年12月14日付け:
フェルマーの最終定理 数式美少女擬人化マンガ
12日?に出てたみたい、との由。


漫画担当、三嶋くるみさんのサイト:
QPいちご帝国

シナリオ担当、木戸実験さんのサイト:
無気力公司

PHP出版紹介ページ


Amazon.co.jp紹介頁
オンライン書店bk1紹介頁
楽天ブックス紹介頁
セブンネットショッピング紹介頁
紀伊国屋書店BOOK WEB紹介頁

付記:
Amazonでは12日、PHP研究所の紹介頁では11日が発売日となっている。

(ELEMENT GIRLS)元素周期 (萌えて覚える化学の基本)

2011年09月17日 | ★★★☆☆
『(ELEMENT GIRLS)元素周期 萌えて覚える化学の基本 』
スタジオ・ハードデラックス, (編・著) 満田 深雪, (監修)


PHP出版 (発刊)
A5版、ソフトカバー、223ページ
2008/11/07出版
ISBN-13 978-4-569-70278-0
NDC分類: 431.11

定価 :1,995円(税込み)


 内容(「BOOK」データベースより)
サプリでよく飲む鉄、亜鉛、マグネシウム…これってみんな元素です。万物の基118個を見て、覚えて、楽しめる!利用例や電子構造図も完全ビジュアル化。カラー元素周期表ピンナップつき。

 内容(下記PHP研究所公式頁より)
サプリでよく飲む鉄、亜鉛、マグネシウム…これってみんな元素なんです。万物の基となる118個の元素を33人のイラストレーターが擬人化した美麗イラスト元素辞典です。
 ■水素からウンウンオクチウムまでの118元素を化学的性質、利用法、命名者などを基に完全擬人化!!
 ■原子量、融点・沸点、密度、原子価、存在度、同位体の基本データに加え、発見年・発見者、存在形態も徹底網羅!!
 ■電子構造図、利用例は分かりやすくビジュアルで表現!
 ■必ず押さえておきたい元素の基本知識も解説!
 ■各元素の発見エピソードや化学的性質、最新の用途例などの情報がもりだくさん!
 ■カラー元素周期表ピンナップつき


元素周期表/元素周期表の覚え方その1:その2(折り込みポスター)
元素周期表の覚え方その3:その4/カラーグラビア(45[Ro]Rhodium)
そもそも元素周期って何? P.02
こんにちは!ELEMENT GIRLSです!! p.03
目次 p.04
本書の見方 p.06
元素の基本知識と111元素の仕組み p.07
元素の基本知識を覚えよう p.08
 1[H] 水素 p.10
 2[He]ヘリウム p.12
 3[Li]リチウム p.14
 (中略)
 110[Ds]ダームスタチウム p.207
 111[Rg]レントゲニウム p.208
名前が決まっていない元素たち p.209
 112[Uub]ウンウンビウム p.210
 (中略)
 118[Uuo]ウンウンオクチウム p.212
用語集 p.213
事項索引 p.220
参考文献・イラストレーター紹介 p.223
奥付け p.224


萌え本分類:図鑑型。
ナビゲーター:なし。

カバー表紙:タイトルは横書き。タイトルの字色はオレンジ、赤地に白抜き、ピンク。ピンクの六角形模様を背景に、図解の擬人化元素たちのイラストを配する。
中表紙:六角形模様の背景と、カバーと同じタイトルロゴ。
折込ポスター:折込みの「元素周期表」および擬人化イラスト付きの「元素周期表の覚え方」、45[Rh]ロジウムの擬人化イラスト。この部分のみ4色カラー。

本文:横書き、一段組み。
構成・設定: 特に無し。本編は元素ごとに1[H]から88[Ra]までは見開き2頁、89[Ac]以降111[Rg]は1頁に、元素の性格を反映した擬人化イラストと基礎データ、電子構造図、特色の解説文などが配される。原子番号112から118の元素は、2008年9月現在正式に命名されていない為、シルエットのイラストと基礎データのみまとめて記載されている。(112番元素は本書発効後の2010年2月、コペルニシウムと命名された。)

評価:
萌え絵度: 発行年度(2008年)を勘案すると標準的。イラストレーターの総数が33名と多数であり、各々のイラストには元素の特徴がある程度反映されているものの、全体的な絵柄の統一感や担当元素族ごとの共通点などは特に設定されていない。
テーマ萌え度:萌えイラストの特徴に加えて、解説の部分が物理学的な側面だけでなく実用例の提示や社会的事件との関わりなどにも目を向けた多角的な内容である事は評価できる。
萌え本的意義:PHP研究所刊行のB5版萌え本『 萌えて覚える- 』シリーズの第一作。「○○○ girls_×××_萌えて覚える△△△」のタイトル形式、理系単独テーマの擬人化図鑑、全面的な二色刷り印刷、細かいデータ収集とビジュアルな頁設計などのシリーズ本の特色は本書からみられる。『ASTRO GIRLS 星座・天文(2009/06)』『MINERAL GIRLS 鉱物(2010/02)』『WEATHER GIRLS 気象・天気(2010/06)』『Phisics Girls 物理法則(2010/09)』『Constitution Girls 日本国憲法(2011/06)』とシリーズが続刊。また、『(萌え学イラストガイド) 深海3,000フィートの生物(ヴィーナス)たち(2011/05) 』も本シリーズの後継。


総合萌え度 :★★★☆☆


紹介Blog記事:
アキバBlog 」 2008年11月03日付け:
「萌えの領域がまさかの元素!w」
http://blog.livedoor.jp/geek/archives/50757123.html
 11月2日には店頭に出ていた。

404 Blog Not Found」 2009年2月23日付け:
萎えたよコレ - 書評 - 元素周期 萌えて覚える化学の基本
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51181097.html
 解説文のまとまりは評価するものの、総合評価はかなり否定的。
本書のメインであるイラストが単なる擬人化絵であり、元素との繋がりが全く感じられない。
更に複数の絵師によって描かれたため絵柄が全く統一されておらず、またそれぞれの元素に対応する女の子同士の繋がりがまるでないこと。周期律表は元素周期の関係性こそ萌え要素なのに「同族元素は姉妹」程度の設定すらないのには萎える。

ウォーカープラス
>ニュース>生活
>2009年4月5日付け記事。
萌え本が進化!“理系×萌え”が新たなブーム
08年10月31日発売の「元素周期 萌えて覚える化学の基本」は、約4万部のヒット。


編集担当、スタジオハードデラックスの公式サイト
>Wolks(製作年別、ビジュアル版
http://www.hard.co.jp/works_01.html
(2008年中に本書の記述あり。)

PHP出版紹介ページ
http://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-70278-0


Amazon.co.jp         の紹介頁
オンライン書店bk1(honto)紹介頁
楽天ブックス         の紹介頁
セブンネットショッピング   の紹介頁
紀伊国屋書店BOOK WEB紹介頁


付記:
Amazonの発売日は11月1日、紀伊国屋書店の発売日は11月7日。
PHP研究所の紹介頁では10月31日が発売日。
タイトルが変形配置のため、上記ネット情報の間ではサブタイトル「ELEMENT GIRLS」の有無や前後関係など、表記が一定してない。

 本書の好評を受けて、2009年8月にはドラマCDが発売されている。
ジェネオンユニバーサル社発売、
ドラマCD ELEMENT GIRLS 元素周期 ~聴いて萌えちゃう化学の基本~
http://db.geneonuniversal.jp/search_music/detail.php?softid=MMCC-4205
「美麗なビジュアルで擬人化された元素たちが、萌え萌えボイスで君にささやきまくり!今回は最も有名な元素番号1~10までの元素が登場、自分たちのことを優しく楽しく教えてくれます。」

 更に2010年2月には、iPhone対応アプリ版が発売となった。
「ASCII.jp」 2010年02月25日付け更新より、
「元素周期 萌えて覚える化学の基本」のiPhone版が登場
http://ascii.jp/elem/000/000/502/502011/
モバイルブック・ジェーピーは24日、iPhone/iPod touch用の電子書籍アプリ「元素周期 萌えて覚える化学の基本」の提供を開始。価格は900円と書籍版の半額以下。

 2012年07月には、B6版に版形を変更した再版『(ELEMENT GIRLS)元素周期 』が発行されている。

萌える☆哲学入門(古代ギリシャ哲学から現代思想まで)

2011年09月14日 | ★★☆☆☆
『萌える☆哲学入門(古代ギリシャ哲学から現代思想まで) 』
造事務所 (編著), 小須田 健 (監修)


大和書房 (発行)
A5版、ソフトカバー、160ページ
2009/06/30発行
ISBN-13 978-4-479-39194-4
NDC分類: 100

定価 :1470円(税込み)


 内容(「BOOK」データベースより)
哲学は強く、賢く生きる最強のツールだ!世界の賢者54人をコンプリート!生涯から思想、名言までビジュアル解説。はじめて学ぶ人も「哲学史の流れ」が一気にわかる。

 内容(下記出版社の紹介ページより)
古代から現代まで総勢54人の代表的哲学者をイラストと図解でわかりやすく解説。哲学は「世界を認識する」ための最強のツールだ。


はじめに p.03
こんなにすごい人たち p.04
目次 p.06
この本の読みかた/主要参考文献 p.12
Part.1 知の芽ばえ―古代の哲学
 すべては、「アルケー」の探求からはじまった p.14
 発祥の地・古代ギリシアの賢者とその思索 p.16
column/大ヒット!? 哲学書ベスト3 p.34
Part.2 知の発達―中世の哲学
 キリスト教黎明期の主題は、「神と人間の関係」だった p.36
 2000年間もヨーロッパを動かしているキリスト教 p.38
column/入門に最適! エンタメ哲学 p.54
Part.3 知の成長―近世・近代の哲学
 変わりゆく世界観―中心は神から人間へ p.56
 複雑化する社会から新たな指針が登場する p.58
column/たくましい!? 哲学者のヨメさん p.92
Part.4 知の熟成―現代の哲学
 科学への懐疑と大戦をへて、変動する哲学 p.94
 絶対的な真理はない?それでも哲学は考える p.96
column/奇人! 変人! 哲学者 p.92
Part.5 多様なる知―東洋の哲学
 東洋思想は三大巨人によってつくられた! P.136
 仏教・儒教・老荘思想の誕生と、日本への影響 p.138
もっと知りたい! 現代の思想家 p.156
哲学の読書案内 p.158
(奥付) p.160


萌え本分類:解説本型。
ナビゲーター:アテネ生まれ(父は哲学者)の16歳少女ソフィア。

カバー表紙:タイトルは横書きで字色はオレンジと黄色。哲学者達の姿を背景に、ナビゲーターの少女のイラスト。
中表紙:表紙イラストの差分で、オレンジ色の単色印刷。
本文:横書き、解説部分は一段組み、人物紹介は二段組み。
構成・設定:
 Part.1からPart.4までが、古代から20世紀までの西欧哲学史、Part.5が仏教、道教、国学などの日本哲学史を概観する。章頭の4頁で人物イラストを使用した思想的な体系図と大まかな流れを見開きでまとめ、以後が哲学者の紹介。見開きの左頁には大きな哲人のイラストと代表的な一言、プロフィールと生涯の紹介を掲載。右頁にはその哲人が主張したテーマが図解付きで解説されており、最後にナビゲーターの「ソフィア」が一言添えて〆るという展開。古代のプラトン、中世のトマス・アクィナス、近世のルソーについては更に2頁を割いての解説が付属。


評価:
萌え絵度:  哲学者のイラストには萌えは皆無。ナビゲーターの「ソフィア」は各章ごとに時代に添ったコスプレ姿で登場するが、イラストは立ち・座り・アップの3枚づつの使い回しであり萌え度は高くない。
テーマ萌え度: 哲学、思想家の平易な紹介書という企画意図は明確。難解になりがちな宗教・思想・哲学者の生涯とその思想のエッセンスを1頁ちょっとでまとめてあるのは大したもの。巻末の読書案内も参考文献リストではなく、ちゃんとした紹介になっている。
萌え本的意義:
 宝島社の「まんがと図解でわかる」シリーズ、「-ニーチェ(2010/03)」「-正義と哲学のはなし(2011/05)」に先行する『哲学系の萌え本』。平易で真面目な哲学者の入門書で、その点では高評価といえる。哲学者萌えではないな。


総合萌え度 :★★☆☆☆


大和書房紹介ページ

紹介Blog記事:
アキバBlog」2009年6月21日付け記事、
萌える☆哲学入門 「世界の賢者54人をコンプリート!」
http://blog.livedoor.jp/geek/archives/50850545.html
6月20日(?)に店頭に並んでいた。

鏑木保ノート」2009年6月20日付け記事、
『萌える☆哲学入門』造事務所・大和書房
http://loplos.mo-blog.jp/kaburaki/2009/12/post_2570.html
「二ページにまとめる、というこの方法のせいで落ちている部分もかなりあるだろう。しかし初心者にはこの程度の情報量でちょうどいいのだ。
 入門書の役割は初心者にそのジャンル全体の「もくじ」を見せることであって、個別の詳しい内容はそれぞれの専門書に任せればいい。つまり、「ここのところの専門書を読んでみたいな」と思わせるのが本当に良い入門書だと言える。」
また、本書には萌えが足りない、とお嘆きです。


Amazon.co.jp紹介頁
オンライン書店bk1紹介頁
楽天ブックス紹介頁
セブンネットショッピング紹介頁
紀伊国屋書店BOOK WEB紹介頁


付記:
Amazonの発売日は20日、公式サイトでは19日との記述。
こちらの方が多分、奥付よりも実勢に近い。