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まんがと図解でわかる 世界史(別冊宝島 1892)

2012年08月15日 | ★★☆☆☆
『(古代から現代まで、これ一冊だけで歴史の大枠がつかめる!)まんがと図解でわかる 世界史(別冊宝島 1892) 』
後藤 武士 (監修)


宝島社 (出版)
B5判、ソフトカバー、160ページ
2012/09/09出版
ISBN-13 978-4-7966-9993-8
NDC分類: 209

定価 :860円(税込み)


内容(下記出版社の公式頁より)
累計132万部を突破した「まんがと図解でわかる」シリーズ第12弾。昨今、じわじわ来ている世界史ブーム。本誌はまんがと図解を豊富に盛り込み、古代から現代まで世界史の大枠をやさしく解説しています。厳選した情報量で主要文明の影響・関係を整理し、現代に至るまでの流れをつかみやすい構成になっていますので、受験生も要点がすっきり理解できます。各時代・地域に関連した小説、新書、まんがなど入門書のブックガイドも掲載。監修は累計280万部超の「読むだけですっきりわかる」シリーズで、歴史をやさしく語りおろす後藤武士氏です。


目次 p.02
人物紹介、本誌の読み方 p.04
Introduction 世界史を学ぶと何が見えてくる? ――世界史を学ぶ意義―― p.05
[まんが Introduction]  「世界史を知る」とは? ――世界史を学ぶ意義―― P.06
世界史のここに注目してみよう(1) 民族、宗教、王朝、国家が接触し、残ったものを知る p.12
世界史のここに注目してみよう(2) 当事者の選択の理由を時代背景を踏まえて考える p.14
文明のつながりから見る世界史の流れ p.16
 Column01 「歴史」には、事実ですらないこともある!? p.18
Chapter1 「歴史」が始まり、文明が出会い始める ――文明の起こりとその広がり―― p.19
[まんが Chapter1] 世界史を巡る旅へ! ――「文明の発生」とキリスト教の拡大―― p.20
[1] 〈オリエント文明の発生〉エジプト・メソポタミアに文明が誕生
    文字、暦、法律、宗教…大河の側で文明が栄える p.28
[2] 〈ヘレニズム文化の登場〉ギリシア・オリエント文化が混ざり新しい文化が花開く
    東西の文化融合が学問・芸術の発展をもたらす p.30
[3] 〈ローマの発展〉建築、法律などで独自性を発揮
    帝国の成長とともに世界各地の文化を吸収 p.32
(中略)
[8] 〈中国の平定〉中国文明の誕生と諸民族の交わり
    シルクロードや海の道を経由して公益が栄えた p.42
[9] 〈儒教の浸透〉諸子百家から抜きんでた孔子の教え
    儒教が中国の公式な価値観・行動規範として定着する p.44
世界史全体を振り返る① 10世紀頃までの主な勢力、文明 p.46
 column2 なぜキリスト教会は2つに割れたのか? p.48
Chapter2 拡大、衝突…対立する力と力が動かす世界の構図 ――大航海時代の頃までの世界―― p.49
[まんが Chapter2] 「経済発展」はいつも正しい!? ――「叙任権闘争」と「大航海時代」―― p.50
[1] 〈十字軍の結成〉宗教的情熱で人々はヨーロッパの外へ向かう
    諸侯、商人の利害が一致し、イスラーム圏に“侵攻” p.58
[2] 〈問われる教会権威〉領主が落ちぶれる一方で、各国の王は権力を強める
    農民、領主、教皇…入り乱れる力の構図 p.60
[3] 〈ルネサンスと宗教改革〉懐疑精神に問われ、キリスト教の権威が揺れる
    腐敗した教会を批判し宗教改革が激化 p.62
(中略)
[10] 〈ヨーロッパ五大国〉西欧諸国同士の戦争は非ヨーロッパでも展開される。
    イギリスは戦争に連勝し七つの海を制覇していく p.76
[11] 〈アメリカ独立戦争〉ヨーロッパから独立するアメリカ大陸諸国
    アメリカ合衆国が誕生、後に続くラテンアメリカ p.78
世界史全体を振り返る② 海外へ手を伸ばすヨーロッパ p.80
 column3 なぜ産業革命はイギリスが最初だったのか? p.82
Chapter3 アジア・アフリカを飲み込む列強と初めての世界大戦 ――第一次世界大戦が残したもの―― p.83
[まんが Chapter3] 近代世界は争いを選んだ ――「ナポレオン」と「世界大戦」―― p.84
[1] 〈フランス革命とナポレオン〉庶民の不満が革命につながり、ナポレオンが登場
    フランス革命の衝撃からナポレオンの時代まで p.86
[2] 〈ウィーン体制失敗〉欧州各国が絶対主義の復活を目指すも挫折
    復古的なウィーン体制は革命の芽を摘めなかった p.88
[3] 〈パクス=ブリタニカ〉積極的な海外進出で「大英帝国」が誕生
    産業革命がイギリスの急激な国力増強を支えた p.90
(中略)
[13] 〈ロシア革命〉物資不足の民衆の不満が革命運動へと向かう
    社会主義革命を経てソヴィエト連邦が誕生 p.116
[14] 〈ヴェルサイユ=ワシントン体制〉戦後の国際秩序に伴い国際連盟が誕生
    ドイツ制裁、民族自決などが進むが有色人種は無視された p.118
世界史全体を振り返る③ 20世紀までの出来事 p.120
 column4 なぜ資本主義国家は社会主義国家を恐れるのか? P.122
Chapter4 第二次世界大戦と各地に残された“宿題” ――冷戦後の世界とさまざまな課題―― p.123
[まんが Chapter4] そして、未来へ ――「大戦に向かう日本」と「冷戦」―― p.124
[1] 〈日中戦争の始まり〉日本がアジア権益の拡大を狙う
    統一が進む中国に日本が軍事力を展開 p.132
[2] 〈第二次世界大戦開戦〉世界恐慌下、ドイツ・イタリアがファシズムを強化
    ナチス・ドイツは電撃的に隣国を侵略 p.134
[3] 〈大東亜戦争への道〉日本が東アジアへ進軍し支配圏を広げる
     「東南アジア解放」で期待を集めるが失望に終わる p.136
(中略)
[11] 〈超大国アメリカの苦悩〉抜け出せない「双子の赤字」に悩む
    戦争・金融破綻などで財政事情はさらに厳しく p.152
[12] 〈自由・共生への課題〉グローバル化する世界に残る対立・抑圧
    異文化と共生し自由に生きる道への期待 p.154
世界史全体を振り返る④ 「現代」の世界がつくられるまで p.156
用語さくいん p.158
参考図書、奥付け p.160


萌え本分類:解説本型。
ナビゲーター: 双子の女子大生、真理と瑠璃と二人の父親の3名。

カバー表紙:タイトルは横書き。タイトルの字色は緑色、サブタイトル部分は橙色に黄色・白。中世の世界地図を背景に、近世の軍服と古代エジプト風の衣装を纏ったナビゲーター2人のイラスト。
中表紙:メインタイトルと、ヴィンケル図法による世界地図を配する。
折込ポスター:なし
本文: 縦書き、四段組みが基本。図解部分には横書き、変形配置を多用。
構成・設定: 巻頭の16頁はカラー、以後巻末までは黒赤の二色印刷。序章は6頁のイントロ漫画と「世界史を学ぶ基本事項」2章と、4大文明を基礎にした世界史概略の図表。本文の4章では章頭に8頁のストーリー漫画、以後は見開き2頁単位の解説部が続く。漫画部分は「頭をぶつけるとタイムスリップする能力を得た双子娘が、様々な歴史上の場面に遭遇する」というストーリー。世界史に興味のない現代っ子の娘たちが、さまざまな出来事に遭遇することによって歴史の面白さに目覚める、という展開。
解説部4章は、四大文明の発展(古代史)、ヨーロッパの発展からアメリカ独立まで(中世史)、フランス革命から欧州大戦後(近代史)、第二次世界大戦以降(現代史)で世界史の概略を解説。おのおののChapterでは、
見開き右側の偶数頁にテーマ、歴史上の箴言、四段組みの解説文を、左側の奇数頁には解説文一段の他に図解、キーワード、項目のポイントまとめを配し、あいづちキャラもここにいる。章末の「世界全体を振り返る」コーナーでは見開きの世界地図上で、「文化・文明・通商・侵略など」の潮流が示され、Columnは「歴史的事実の解釈」「キリスト教会の東西分裂」「産業革命の成り立ち」「資本主義と社会主義の対立構造」などについて解説。
各章一箇所の「解説内の漫画カットでサブストーリーが進行する」点、解説部分や索引内の「あいづち」要員をナビゲーターの3名が担当する点は最近のシリーズの特色通りである。
巻末には2頁分の「用語索引」が付属する。


評価:
萌え絵度:  ストーリー部分、挿絵部分とも現代漫画風。表紙イラスト、漫画部分、章扉イラストと本文(あいづち)カットの担当は各々、ATARUさん、イノオカさん、南ともさんの3名。この「イラスト分業体制」は本書でも継続しており、前書『 -経済学』に引き続き、表紙・章扉・漫画の登場キャラクターが統一された。前書よりキャラクターの統一感は向上し違和感はほぼ感じないが、何故に3人分業なのか?というもやもや感は相変わらず。
テーマ萌え度: 世界史の要点を易しく概説するムック本。通史としての解説やコラムの主題など解説部分は理解しやすくすらすら読める。「萌え本のフォーマットにのっとりながら萌えを意識しない編集」という本シリーズ共通の特色は本書でも顕著であるが、今回はストーリー部分が「歴史の場面にタイムスリップをしつつ時を渡る」という構成のせいかキャラクターの成長が見られず、シリーズの他書と比べて「まんが」部分の構成が弱く感じた。
萌え本的意義: 宝島社発行のB5版萌え本『まんがと図解でわかる 』シリーズとしては、
-ドラッカー(1710)
-ニーチェ(1729)
-ドラッカー リーダーシップ論(1750)
-正義と哲学の話(1767)
-空海と密教(1781)
『 -決算書(1794) 』
『 -7つの習慣(1805) 』
-ドラッカー 使えるマネジメント論(1823)
『 ぜんぶマンガで簡単にわかる ドラッカー超入門(1840) 』
『 -マーケティングの神様 コトラーの思いやり仕事術(1841) 』
-スティーブ・ジョブズ逆転の発想術(1884)
に続く第12作目。文庫、書籍などを入れると16冊目となる。
古代史、神話、特定時代のキャラクターなど歴史関係の書籍は多いが、世界史の通史的な萌え本はあまり類がない(萌えイラストの付かない図解本は、多数刊行されている)。


総合萌え度 :★★☆☆☆


表紙イラスト担当、ATARUさんのサイト:
SQUALL
http://squall.yu-yake.com/index.html
Work
「2012.08
 宝島社様
 まんがと図解でわかる世界史 表紙イラスト 」

同、Twitter:
ATARU @ATARU_  2012年08月08日 17:57
http://twitter.com/ATARU_/status/233366310082449408
表紙担当させていただきました。よろしくお願いします。→別冊宝島1892 まんがと図解でわかる世界史 http://tkj.jp/book/?cd=20189201 #tkj


漫画部分担当、イノオカさんのブログ:
Through×2 
http://throughx2.web.fc2.com/
別冊宝島1823「まんがと図解でわかる ドラッカー 使えるマネジメント論」:漫画+本文イラスト
に続く本シリーズ参加。
(本書に関する記載なし)

監修担当、後藤武士さんの公式サイト:
Takwshi Goto.com
http://www.takeshigoto.com/


宝島社紹介ページ
http://tkj.jp/book/?cd=20189201
>「まんがと図解でわかる」、書籍検索結果:
「本誌では、監修者のアドバイスをもとに世界史における重要な出来事を取り上げ、わかりやすく、一部大胆にまとめています。」


Amazon.co.jp         の紹介頁
オンライン書店bk1(honto)  の紹介頁
楽天ブックス         の紹介頁
セブンネットショッピング  の紹介頁
紀伊国屋書店BOOK WEB紹介頁


付記:
Amazon.co.jpおよび出版社公式ページ上の発売日は08月09日。その他の書店サイトでもほとんどが08月発売との記述。
本書は8月11日に大型書店の店頭で購入した。
上記サイトの間で、サブタイトル「古代から現代まで、これ一冊だけで歴史の大枠がつかめる!」の有無にばらつきが見られる。公式サイト上の表記は、「別冊宝島1892 まんがと図解でわかる世界史 古代から現代まで、これ一冊だけで歴史の大枠がつかめる!」。


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