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日本の軍艦(120艦艇)

2014年02月04日 | ★☆☆☆☆
『日本の軍艦(120艦艇) 』
歴史博学倶楽部 (著)

 
竹書房 (発行)
文庫判、ソフトカバー、240ページ
2013/08/16 発行
ISBN-13 978-4-8124-9650-3
NDC分類: 556.9

定価 :700円(税込み)


 内容(「BOOK」データベースより)
日本海軍創成期から太平洋戦争終戦までに建造された艦艇の中から120を厳選。大和、赤城、利根、大淀…帝國海軍の艦艇史に燦然と輝く歴戦艦たちの軌跡を豊富な写真とともに読み解いていく。この一冊で帝國海軍の艦艇史のすべてがわかる。


(写真集:日本海軍最強の七大軍艦)
目次
激闘の太平洋戦争史 p.06
第一章 日本海軍最強の七大軍艦 p.11
 大和 p.12
 武蔵 p.18
(中略)
 赤城 p.28
 利根 p.32
コラム 日本の命運を決めた七大決戦(1) 黄海海戦(日清戦争) p.34
第二章 攻防共に最強の軍艦 戦艦 p.35
 敷島型戦艦 三笠、朝日、初瀬 p.36
 金剛型戦艦 金剛 p.40
(中略)
 扶桑型戦艦 山城 p.52
 伊勢型戦艦 日向 p.54
コラム 日本の命運を決めた七大決戦(2) 日本海海戦(日露戦争) p.56
第三章 太平洋戦争の真の主役 航空母艦 p.57
 鳳翔型航空母艦 鳳翔 p.58
 加賀型航空母艦 加賀 p.60
(中略)
 雲龍型航空母艦 葛城 p.84
 雲龍型航空母艦 天城 p.85
コラム 日本の命運を決めた七大決戦(3) 真珠湾攻撃 p.86
第四章 軍縮条約が生んだ新艦種 重巡洋艦 p.87
 古鷹型重巡洋艦 古鷹 p.88
 古鷹型重巡洋艦 加古 p.90
(中略)
 最上型重巡洋艦 鈴谷 p.106
 利根型重巡洋艦 筑摩 p.108
コラム 日本の命運を決めた七大決戦(4) 珊瑚礁海戦 p.110
第五章 艦隊の切り込み隊長 軽巡洋艦 p.111
 天龍型軽巡洋艦 天龍 p.112
 球磨型軽巡洋艦 球磨 p.114
(中略)
 阿賀野型軽巡洋艦 能代 p.140
 阿賀野型軽巡洋艦 酒匂 p.141
コラム 日本の命運を決めた七大決戦(5) ミッドウェー海戦 p.142
第六章 海を走る海上の韋駄天 駆逐艦 p.143
 峯風型駆逐艦 峯風 p.144
 神風型駆逐艦 神風 p.146
(中略)
 秋月型駆逐艦 秋月 p.160
 島風型駆逐艦 島風 p.161
コラム 日本の命運を決めた七大決戦(6) マリアナ沖海戦 p.162
第七章 海兵力を支えた特殊艦 潜水艦とその他の艦艇 p.163
 水上機母艦 神威 p.164
 潜水艦母艦 迅鯨型 p.165
 給油艦 間宮 p.166
(中略)
 一等潜水艦 伊二〇一型 p.194 
コラム 日本の命運を決めた七大決戦(7) レイテ沖海戦 p.198
第八章 歴史に刻まれた 心に残る艦艇 p.199
 甲鉄艦 東 p.200
 定遠型戦艦 定遠 p.202
 艦隊装甲艦 壱岐 p.204
(中略)
 河内型戦艦 河内 p.230
年表 (帝国海軍と戦争の歴史)p.232
参考資料 p.238
奥付け p.240


萌え本分類:図鑑型。
ナビゲーター:なし。

カバー表紙:タイトルは横書き。タイトルの字色は黒。戦艦大和の彩色写真。
中表紙:カバーと同じカラー写真とタイトルロゴ(配置が異なる)。
折込ポスター:なし。
本文:縦書き、一段組みが基本。年表は縦書き二段組み、図表の解説は横書きが主体。
構成・設定: 巻頭2頁を除き、全頁モノクロ印刷。太平洋戦争の時代を中心に、帝国海軍の所属艦艇120隻を解説する。本文は第一章の「日本海軍七大軍艦」紹介、第二章以降の艦種別紹介、巻末の年表その他に大別され、各章の扉は艦艇の写真と序論がおかれる。章内の各項目は1頁~6頁の構成で、艦艇写真とデータ集および解説文を配する。見開き2頁の項目が多く、頁の上半に艦艇写真、下半に一段の解説文という構成が続く。
巻末の年表は幕末から太平洋戦争の終戦までの海軍関連主要年表。索引は附属しない。

評価:
萌え絵度:  帯のイラストは、漫画「蒼き鋼のアルペジオ」のカラーイラスト(掲載誌ヤングキングアワーズ13年7月号表紙)から主要キャラ2名の部分をトリミングしたもの。本書の萌え要素はこの部分のみ。
テーマ萌え度: 前述のように書籍中の萌え成分は皆無。帝国海軍艦艇の解説書、というテーマに沿って通読しても本書の水準は高くない、というよりありていに言ってヌルい。
・序章の「日本海軍の七大軍艦」の選定意図が不明(The seven World War II battleshipsを模した?)。
・項目の選定が、単艦(戦艦・重巡)、艦種(潜水艦・潜水母艦)、一番艦(駆逐艦)と不統一。
・敷島型戦艦の解説で同型4艦中、一番艦の敷島のみが取り上げられてていない。
・空母の項で翔鶴、瑞鶴の二艦が掲載されていない。
・写真の説明部分と本文の間で内容の不一致が見られ、誤字(誤植、誤変換?)も目立つ。
ざっと目を通しただけでも、以上のような問題点がみられる。

萌え本的意義: 竹書房の発行としては、おそらく初の萌え本(と、云えるかどうか…)。
 軍艦関連の類書としては『萌える戦艦(MOE-SEN) 』(一迅社刊、07/08)、
『日本海軍艦艇ガールズイラストレイテッド(戦艦・巡洋艦・駆逐艦編)(イカロス・ムック MC☆あくしずMOOK) 』(イカロス出版刊、13/11)など、
日本海軍関連では、『はつ恋連合艦隊 』(イカロス出版刊、07/05)、
『 戦艦大和 3000人の仕事 』(アスペクト刊、10/03)、『日本の軍艦これくしょん』(同社刊、13/11)、
(艦隊総覧)艦娘の真実(あの「娘」たちの設定を徹底研究!)(EIWA MOOK) 』(英和出版社刊、14/02)などが、
海上自衛隊関連本としては、『りくかいくう。(イカロス・ムック MC☆あくしずMOOK) 』(イカロス出版刊、13/08)があげられる。

 萌え帯の例として知りうる中では、
「ヤミツキ」の力 』(光文社刊、11/12)、
ビブリオバトル(本を知り人を知る書評ゲーム) 』(文芸春秋刊、13/04)
に次いで3冊目。本書はこれらのなかでも最も内容との乖離が大きい。

 そもそも本書は、13年4月の配信開始から一大ブームを巻き起こしているDMM.comのブラウザゲーム「艦隊コレクション(艦これ)」関連本として企画されたと推測され、出版意図の通り判を重ねるヒット作となっている。
 一方、「蒼き鋼のアルペジオ」は月刊誌「ヤングキングアワーズ」に09年11月より連載中の「海洋SFバトル漫画」で、作中に登場するメカニックの外見が「第二次世界大戦中の艦艇を外見的に摸した超兵器」である点と、13年10月~12月に深夜アニメ枠でアニメ版「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- 」が放映され、12月~01月に前記の「艦これ」中でアニメ版とのコラボイベントが開催された、という点で関連性が認められるものの、両者の間では「軍艦つながり」以外の関連性は皆無であり、どういう事情で本書の帯にアニメ版放送開始記念のイラストが掲載されるに至ったのか全く見当がつかない。


総合萌え度 :★☆☆☆☆(実質的には★なし)


紹介記事:
アキバBlog  2013年09月06日づけ記事、
【艦これ効果】 メロン秋葉原1号店で一番売れている軍艦本 「日本の軍艦 120艦艇」
http://trackback.blogsys.jp/livedoor/geek/51409898
「 発売から1か月近く経っているけど、ZIN秋葉原店でも新刊平台で取り扱いを始め、メロン秋葉原1号店の軍艦関連書籍を集めた特設コーナーでは『艦娘の3サイズ載ってます』POPが付いていて、メロン秋葉原1号店のスタッフによると「軍艦本の中で一番売れてる」みたい。 」
 内容見本24頁分、収録艦艇の一覧あり。初版のカバー帯は文字のみでイラストは掲載なし。

geek@akibablog  2013/10/02 のTweet
文庫本サイズの軍艦解説本「日本の軍艦 120艦艇」また入荷でプチタワー。オビがアルペジオ
 重版分の入荷記事。「蒼き鋼のアルペジオ」コラボの萌え帯つき、が平積み。


秋葉原巡回型情報サイト - ラジ館プレス  2013年12月8日づけ記事、 
『艦これ』大ブームに「軍艦書籍界」はどう変化したのか? ~協力:書泉ブックタワー~  
http://www.radiokaikan.jp/press/?p=67309
 書泉ブックタワーのスタッフインタビューより。13年後半の「軍艦書籍」についての動向を語る記事。
艦隊これくしょんの流行による「艦艇本」の動きが出始めたのは13年後半ころから。
「 日本海軍創成期から太平洋終戦までに建造された120艦艇を載せた『日本の軍艦』(竹書房)はかなり売れていますね。以前から出版されているものはやはり強い。 」


竹書房紹介ページ
http://www.takeshobo.co.jp/book_d/shohin/6221401
 ほぼ基礎情報のみ。


Amazon.co.jp         の紹介頁
honto(旧bk1)         の紹介頁
楽天ブックス         の紹介頁
セブンネットショッピング   の紹介頁
紀伊国屋書店        の紹介頁


付記:
Amazon、公式サイト上の発売日は08月09日、hontoの取り扱い開始日は同08日。その他のサイトではの08月との記載が主。

※ 本書に掲載された艦艇写真の一部は個人ブログからの無断使用が指摘され、出版社が謝罪することとなった。
ねとらぼ 」   2013年11月12日づけ記事、
艦艇写真を個人ブログから無断利用!? 竹書房「二次著作権に抵触する内容」で謝罪
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1311/12/news118.html


3 コメント

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Unknown (ユジクン)
2014-02-06 00:08:11
ご無沙汰しております。そう言えばアルペジオか艦これ関連で、帯だけってパターンは、「丸」の別冊でもあったような??勘違いだったかも知れませんが。
それはそれとして、もひとつ。「るるぶ 茨城・水戸・つくば」の表紙がガルパンで、中身もガルパンとコラボした大洗の紹介記事になってたり、と言うのも見ました。もうご存知でしたか?
ともかく、これからもご活躍を期待してます。
ところで、「るるぶ」を見て、次の旅行は聖地巡礼も狙ってみるかと考えたり、です。
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「まっぷる」でした (ユジクン)
2014-02-06 06:53:44
前のコメントで、ガルパンの表紙を「るるぶ」と書いてしまいましたが、「まっぷる」でした。訂正します。
返信する
返答遅延、申し訳ございません。 (萌え本図書館司書)
2014-02-20 14:47:59
 コメント誠に有難うございました。調査に手間取りご返答が遅れました件、重々お詫び申し上げます。
 以前にご指摘を頂きました「トイガンの本」、「世界のミリタリー・トイガン・カタログ2013~2014 」(Gakken Mook)(学研パブリッシング刊、2013/10)を発見いたしました。 本書の表紙イラスト、および本文中で「特例措置団体ステラ女学院高等科C3部」のキャラクターによるサバイバルゲームの解説がございます。ただし、この1コーナーのみの登場であり、公式サイトの宣伝文句「サバイバルゲームで役立つテクニックを美少女イラストで徹底図解!」は確かに間違ってはおりませんがやや誇大宣伝ではないか、と思われます。 ^^)
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