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(まんがと図解でわかる)ブッダ(別冊宝島1960)

2013年02月27日 | ★★☆☆☆
『(まんがと図解でわかる)ブッダ(煩悩、渇愛、三毒…ブッダの真理がやさしく学べる)(別冊宝島1960) 』
白鳥 春彦 (監修)


宝島社 (発行)
B5判、ソフトカバー、128ページ
2013/03/12発行
ISBN-13 978-4-8002-0636-7
NDC分類: 182.8


定価 :890円(税込み)


 内容(下記出版社の紹介ページより)
シリーズ累計155万部!「まんがと図解」シリーズ15冊目は「ブッダが本当に言いたかったこと」がテーマ。ブッダの言葉を振り返りながら、それを紹介していきます。


目次 p.02
人物紹介、本誌の読み方 p.04
序章 ブッダの教えはどこにある?  ―ブッダ思想と仏教の関係― p.05
[まんが Introduction] 「ブッダの教え」とは? ―ありのままに生きる― P.06
生きるのに迷ったら思い出そう 人生を照らす ブッダの言葉 p.12
ブッダが伝えたかったことを知るには 仏教を学んだだけではブッダの思想はわからない p.14
 Column1 伝説、編集の多いブッダの教えに一番近づく方法は? p.16
第1章 ブッダの教えは「哲学」である ―西洋哲学から見たブッダ思想の根本について― p.17
[まんが Chapter1] 「真実の姿」はわからない ―人生は苦しみに満ちている― p.18
[1] 古代インドにおける「理想的な生」のありかた
     宇宙の「真理」との一体化でブッダを目指す p.26
[2] 「自分探し」を始めたブッダ
     若いころのブッダもまた「自分探し」を夢見ていた P.30
[3] 西洋哲学から見たブッダの問題意識
     「ズレ」が苦しむを生む。ブッダの思想は「身体哲学」である P.34
[4] 人間の「理性」はとても不自由だ!
     人間は自由に考えていると思い込んでいる P.38
[5] 後悔や心配には何の意味もない
     過去や未来を思いわずらう人は二重にズレている p.42
 Column2 ブッダにとって「死の世界」とは何か? P.46
第2章 すべては「人生は苦しい」と知ることから ―縁起の理と煩悩の正体について― p.47
[まんが Chapter2] ブッダの説く「縁起」とは ―世の中はすべてつながっている― p.48
[1] 苦しみはどこから来るのか
     “人生は苦しい”を前提としたブッダの人生観 p.56
[2] 「愛する」から苦しくなる
     自分の心地よさを期待しなければ苦しみは生まれない p.60
[3] 気付かないから迷いが生まれる
     救いは祈りでなく知ることで得られるp.64
[4] 大事なのは「ありのまま」を受け止めること
     認識力・判断力で物事に左右されない生き方を目指す p.68
 Column3 日常に使われている 仏教の言葉 p.72
第3章 「空」とは「見る」をやめること ―空の思想と無我について― p.73
[まんが Chapter3] 「空」の思想とは? ―「自分らしさ」は幻想だった― p.74
[1] 物事に本質があると思うから苦しくなる
     すべては空。固有の特徴や実態などない p.82
[2] 「自我」もまた空。こだわりを持つから苦しい
     「個性」や「自分らしさ」は幻想にすぎない p.86
[3] 物欲とどう向き合うべきか
     心もまた空。無我の境地で世界と向き合う p.90
[4] 物欲とどう向き合うべきか
     持つことにも待たないことにもこだわらない p.94
 Column4 ブッダの死後、変化していった“教え” p.98
第4章 「ブッダになる」とはどんな生き方か? ―ブッダを目指す人生について― p.99
[まんが Chapter4] 「欲」と付き合うには ―第三者の視点で自らを見つめる― p.100
[1] ありふれた日々でもブッダに近づける
     日常を観察して得られる「気づき」こそが「悟り」である p.108
[2] ブッダは「煩悩をなくせ」とは言っていない
     欲望に振り回されそうな自分を見つめる心を育てる p.112
[3] 自分の持つ基準の曖昧さを知る
     誰かと自分を比べて落ち込んだり、優越感を持つ自分の判断が苦しみを生む p.116
[4] 孤独のもたらす清々しさを知る
     一人で生きよ! 依存せず、振り回されず自分という国の王として p.120
<索引つき>ブッダの思想がわかる用語集52 p.124
参考図書、奥付け p.128


萌え本分類:解説書型。
ナビゲーター:まんがの登場人物。女子大生の「さおり」、留学生の「エイベル」、塾講師の「浩二」、農業を営む老人「敬一郎」の4名。

カバー表紙:タイトルは横書き。タイトルの字色は紫色、サブタイトル部分は黄色と白。緑色。桜並木の風景を背景に立つ青年のイラスト(裏表紙の、桜の根元に座る少女と対をなしている)。
中表紙:メインタイトルと「雲の浮かぶ青空」の写真を中央部に配置。
折込ポスター:なし。
本文:縦書き、四段組みが基本(巻末の用語集は三段組み)。図解部分は縦書き、横書きが半々で変形配置も多用される。
構成・設定:  巻頭16頁はカラー、以後巻末までは黒赤の二色印刷。
序章は6頁のイントロ漫画と「ブッダの言葉紹介」及び序論よりなる。本文の4章では章表紙にイラストと緒言、章頭に8頁のストーリー漫画、以後は項目あたり4頁単位の解説部が続く。章頭漫画はストーリー仕立てで、「恋愛も就職活動も上手くいかない女子大生が、ホームステイにやってきた日本マニアの大学生と一緒に、偶然出会った老人や塾の恩師から教わりブッダの教えについての理解を深めていく」という展開。各章のテーマはそれぞれ、古代インドの思想からブッダの教えの基本、ブッダの人生観と煩悩に関して、空の教えと無我の境地について、悟りを目指す人生の解説である。
章内の各項目は見開き毎に、一頁目に縦書きのタイトル、関連キーワードと訳語によるブッダの言葉、四段組み一段分の解説文など、二~四頁目は一段の解説文と図説、図解、サブストーリー、図解「ブッダの知恵」などを配し、あいづちキャラもここにいる。巻末には索引を兼ねた五十音順の用語集4頁分が付属。
各章一~二か所の「図説内の漫画カットでサブストーリーが進行する」点、解説部分の「あいづち」要員をナビゲーター2人が担当する点はシリーズ共通の特徴で本書でも継承されている。

評価:
萌え絵度:  現代漫画風の絵柄。 表紙イラストの担当はりょう@涼さん、漫画部分、章扉イラストと本文(あいづち)カットの担当はヨエコスキーさんの2名体制で、「イラスト分業体制」および表紙・章扉・漫画の登場キャラクターの統一は本書でも継承されており、(元々のキャラクターに余り特徴がないためもあり)ナビゲーターキャラの統一感は良好。本書のキャラクターは、萌え度は高くない。
テーマ萌え度: 監修の白鳥春彦氏は、思想・宗教関連の書籍を数多く執筆されているライター。著作(翻訳)に『超訳 ニーチェの言葉』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊 10/01)、『超訳 仏陀の言葉』(幻冬舎刊、12/10)、また監修として「まんがと図解でわかる- 」シリーズの『 -ニーチェ(別冊宝島1729) 』などがある。
本書は「仏教の解説書」ではなく「ブッダの思想解説書」と本文内で断りがある通り、「宗教ではなく哲学としてのブッダの思想」を概説した解説書である。初心者向けに図解や例え話などを多用した解説は読みやすい内容はややとっつきにくい。「偶然に出会った不思議な老人と先輩からブッダの教えを学ぶ」という漫画部分は本文と直接のつながりは薄い。


萌え本的意義: 宝島社発行のB5版萌え本『まんがと図解でわかる 』シリーズとしては、
-ドラッカー(1710)
-ニーチェ(1729)
-ドラッカー リーダーシップ論(1750)
-正義と哲学の話(1767)
-空海と密教(1781)
『 -決算書(1794) 』
-7つの習慣(1805)
-ドラッカー 使えるマネジメント論(1823)
『 ぜんぶマンガで簡単にわかる ドラッカー超入門(1840) 』
『-マーケティングの神様 コトラーの思いやり仕事術(1841) 』
-スティーブ・ジョブズ逆転の発想術(1884)
-世界史(1892)
-天皇のすべて(1910)
-宇宙論(1935)
に続く第15作目。文庫、書籍などを入れると18冊目。
 仏教関連の類書としては、上記の『0(まんがと図解でわかる) 空海と密教(1781) 』、他には『 マンガ&図解でスッキリ! 5分で分かるテツガク ブッダの世界 (スコラムック)
(スコラマガジン刊、11/07)など。キリスト教関連にくらべて書籍数は少なめ。


総合萌え度 :★★☆☆☆


紹介記事:
本文イラスト担当、ヨエコスキーさんのTwitter:
ヨエコスキーさんゴーバック! @yoe_motida
2013年1月31日 0:40 更新の記事より。
https://twitter.com/yoe_motida/status/296900852856262657
「 宝島社さんから2/12に発刊される「別冊宝島・まんがと図解でわかるブッダ」で漫画を担当しました。今回は女子大生とイケメン留学生さんのお話です。表紙は別の方ですが中身の漫画は私です。どうぞよろしくおねがいします。 」

監修、白鳥春彦さんのTwitter:
白取春彦 @shira10ri
https://twitter.com/shira10ri
 2013年02月現在、本書に関する記載はない。

宝島社紹介ページ
http://tkj.jp/book/?cd=20196001
「 その根本は、いかにあるがままを受け入れるか。あるがままの世界、自分、他人を受け入れる。それができたとき、人は本当の自由を手に入れ、ラクに生きることができるのです。生きる目的や人生の意味を見失いがちな競争社会で、本当の自分らしさや生きる喜びが見えてくる一冊。監修は『超訳仏陀の言葉』『超訳ニーチェの言葉』の著者・白取春彦氏です。」
 詳細目次、著者の略歴つき。
内容紹介(目次を含む冒頭16ページ分など)へのリンクあり。


Amazon.co.jp         の紹介頁
honto(旧bk1)         の紹介頁
楽天ブックス          の紹介頁
セブンネットショッピング   の紹介頁
紀伊国屋書店BOOK WEB紹介頁


付記:
Amazon、公式サイト上の発売日は02月12日、hontoの取り扱い開始日は同13日。
2013年02月15日、郊外型の大型書店で購入。
サブタイトル「煩悩、渇愛、三毒…ブッダの真理がやさしく学べる」は、Amazon、公式サイト上では記載されていない。
前書『 -宇宙論(1935) 』と同様、「別冊宝島スタディー」とタイトルされた書店サイトがみられる。今回も公式サイトではそのような記載は特にない。
本書の表紙イラストでは、シリーズ上初めて「女子」が描かれていない。(シリーズ中の『空海と密教(1781) 』でも、ナビゲーターの女の子は小さく描き込まれている)。
類似書名の『超約 仏陀の言葉』 (ディスカヴァー・トゥエンティワン刊、11/02)は、『考えない練習』(小学館刊、10/02)などの著者である小池 龍之介氏の作で、本Mookとは別物。