経営技法を究める: システム, デザイン, データ,機械学習

経営技法に関する雑感,エンジニアリングとマネジメントの融合
クオリティとリスクの考究,システムズ・データとAIの構成

役立つの捉え方

2017-07-25 18:48:01 | 雑感
”役立つ”ということだけど,自分にとって,ということが全面に出る場合と,他の方々や社会に対して,という場合の2つがあるように思えるの.

そう言えば,工学部を選んだけど,安全や公害,そんなことが気になって,それで工学って本当に社会のためになっているのか? そんなことを考えてもいたのが学生の頃だったかと.特に,二十歳くらいの頃は凄く悩んで・・・.その頃って,アレコレと本を読んだけど,近代の小説家のものが多くて・・・.漱石が英語を学び,そして英文学とは何かに苦悩し,ということに興味を抱いたり,芥川龍之介が人間を描くことに苦悩し・・・も.それと,小林秀雄の文芸評論の本質が知りたくてアレコレ考えたり,三島由紀夫の芸術と政治の思潮に興味を持ったり・・・.要は,工学って社会で本当に役立つのか,ということを知りたくて・・・.偉大な小説家の方々だけど,文学とは何か,そして文学が社会とどういう関係にあるのかを考究し続けた,ということだったみたいで,こういった思考が凄く参考になって・・・.

今では,工学だけでなく自分の培った専門を通じて社会に貢献する,そんなことの意識と矛盾が若い頃のようにストレートに全面に出なくなって,やや離れた感じでアイデンティティを持っている,という状態なの.

で,進路のことで言えば,工学部は役立つか,というのを自分にとって,ということの答えで言えば,確かに実用だし,就職も良い,だから役立つ,という答えにはなるけど,でも,悩みの次元が違うようで・・・.要は,凄く複雑なの,ホントは.

文学部は役立つか,ということだけど,コレも本質は次元をもっと格調高くする必要があって・・・.自分にとって,というアタリで答えを見つけるのも良いけど,このレベルだけじゃ,やはり稚拙でしょうよ.

夏目漱石の頃だけど,英文学って先端の学問だったわけでしょ.西洋に追いつくためには英文学を学ぶ,という風潮が強くて・・・.こういった中で,夏目漱石は英文学とは何かを真摯に考えた,ということだったかと.自分にとって,というのではなくて,やはり次元の違う苦悩で・・・.

個人的には,文学って凄く役立っているのだけど・・・.文学部は役立つか,を自分にとってだけで考えること自体が,どうしても腑に落ちない感じなの.まあ,部外者だけど,アイデンティティの形成って大切でしょうよ.

頑張りましょう.







最新の画像もっと見る