宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

年老いた星の集団 “球状星団”の輝き

2012年08月02日 | 宇宙 space
ハッブル宇宙望遠鏡が“うみへび座”の方向33000光年のかなたにある、球状星団“M68”の姿をとらえました。

球状星団は100光年ほどの領域に数十万から数百万個の星が集まっている天体です。
お互いの重力で球形に集まっていて、数十億年もの間その形を保ち続けているんですねー

また、球状星団は重力的にとても強く束縛されているので、中心核に向かってとても密度が高くなっています。
天の川銀河の周囲には、こうした球状星団が150個以上存在しています。

球状星団の星々の光から恒星の化学組成を知ることができ、年齢を推測することができます。
典型的な球状星団では炭素や酸素、鉄といった重元素の割合が太陽に比べると少ないんですねー

これらの元素は星内部の核融合で作られ、宇宙での存在量が増えていきます。
なので、球状星団に重元素が少ないということは、球状星団の星がはるか昔の時代に作られたということになります。

実際、球状星団を構成する星々は、恒星の中でも最も年老いているんですねー
生れてから130億年と推定されるものさえあります。

こうなると、「天の川銀河が生れる前から、星団はできていたのではないか?」 とも考えられます。

さらに、年老いた星々の集団なので水素燃料を使い果たしつつあり、低温の赤みがかった星がほとんどです。

でも、よく調べてみると何故か青白く若そうな星がまじっているんですねー
青白い星は天文学の常識から言えば、水素燃料がふんだんにあり、どんどん燃やしている状態です。

青白い星は“青色はぐれ星”と呼ばれ、なぜ球状星団の中にあるのか半世紀にわたって謎でした。
「惑星に住む宇宙人が、恒星の寿命を延ばす為にやった」という説まで飛び出したとか…

今では年老いた星同士が衝突・合体してできたことが分かってきつつあります。
“青色はぐれ星”は球状星団の中心部に多いんですねー そう、星が密集しているので衝突が起こりやすいということです。

さすがに宇宙人の力を借りるのは、想像のしすぎだったようですね。


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