世界最小クラスの探査機が、
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の水素ガスを観測し、
彗星核からの水分子放出率の絶対量を明らかにしたんですねー
この探査機の名は、
2014年に探査機“はやぶさ2”と一緒に打ち上げられた、
超小型深宇宙探査機“プロキオン”。
今回の観測は、
超小型深宇宙探査機による世界初の理学成果になるようです。
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星
ヨーロッパ宇宙機関の探査機“ロゼッタ”が、
2年以上にわたって観測を行った天体がチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星です。
“ロゼッタ”はチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星を周回しながら、
彗星核の近傍から精密な観測を実施。
彗星が太陽に近づき遠ざかることによる活動の変化や、
表面の地形などを調べています。
また“ロゼッタ”は、
彗星氷に最も豊富に含まれる分子、水分子の観測も行っています。
水分子は彗星の活動度だけでなく、
太陽系初期に形成され彗星に取り込まれた分子の形成過程を、
理解する上でも重要なものになります。
でも、彗星コマの中にいた“ロゼッタ”からは、
コマの特定の領域しか観測できなかったんですねー
彗星コマとは彗星核の周囲のボンヤリした部分。
この観測結果からコマ全体の構造や、
彗星核の別の場所から放出される水分子の量を推定するためには、
彗星コマ・彗星核モデルが必要になります。
ただ、水分子生成率の推定値はモデルによって10倍程度異なることも…
なので、モデルの妥当性を検証するためには、
コマ全体の観測から求めた水分子生成率の絶対値と比較する必要があるんですねー
そこで、探査機“プロキオン”による彗星観測が行われることになります。
超小型深宇宙探査機“プロキオン”
2014年12月に探査機“はやぶさ2”の相乗り衛星として打ち上げられたのが、
深宇宙探査機としては世界最小サイズの探査機“プロキオン”です。
当初は“プロキオン”による彗星観測は計画されていなかったのですが、
立教大学を中心に開発された水素ガスを観測できる望遠鏡“ライカ”を用いて、
2015年9月に観測が実施されることになります。
彗星の観測に成功したのは、日本の手のひらサイズ宇宙望遠鏡
彗星コマ中の水素ガスの大部分は、
彗星核から放出した水分子が太陽紫外線で壊されること(高解離)で生成されます。
なので水素ガスを観測することで、核からの水分子放出量が推定可能になります。
そして、“プロキオン”による水素ガスの観測から、
彗星活動が最も激しい近日点(太陽最接近)付近での水分子生成率の絶対量が決定され、
彗星のコマ・核モデルを検証することができました。
この結果と“ロゼッタ”によって決定された成分比などを元に、
近日点前後を含む期間の彗星の活動度が、非常に正確に推定できたんですねー
今回の観測結果は、超小型深宇宙探査機による探査としては、
世界初の理学的な成果になります。
さらに期待されるのが、大型計画における小型探査機のサポートです。
“ロゼッタ”のような大型の探査計画でも実施できない重要な部分は残ります。
そこを、低コストかつ短期間で開発された小型探査機がサポートできれば…
なので、今回の“プロキオン”の活躍は重要な意義があるんですねー
ひょっとすると今回の事例が、
今後の大型計画における小型探査機のモデルケースになるかもしれませんね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 超小型深宇宙探査機“PROCYON”、小惑星フライバイは断念…
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の水素ガスを観測し、
彗星核からの水分子放出率の絶対量を明らかにしたんですねー
この探査機の名は、
2014年に探査機“はやぶさ2”と一緒に打ち上げられた、
超小型深宇宙探査機“プロキオン”。
今回の観測は、
超小型深宇宙探査機による世界初の理学成果になるようです。
“プロキオン”とチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星のコンセプト画像。 |
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星
ヨーロッパ宇宙機関の探査機“ロゼッタ”が、
2年以上にわたって観測を行った天体がチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星です。
“ロゼッタ”はチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星を周回しながら、
彗星核の近傍から精密な観測を実施。
彗星が太陽に近づき遠ざかることによる活動の変化や、
表面の地形などを調べています。
また“ロゼッタ”は、
彗星氷に最も豊富に含まれる分子、水分子の観測も行っています。
水分子は彗星の活動度だけでなく、
太陽系初期に形成され彗星に取り込まれた分子の形成過程を、
理解する上でも重要なものになります。
でも、彗星コマの中にいた“ロゼッタ”からは、
コマの特定の領域しか観測できなかったんですねー
彗星コマとは彗星核の周囲のボンヤリした部分。
この観測結果からコマ全体の構造や、
彗星核の別の場所から放出される水分子の量を推定するためには、
彗星コマ・彗星核モデルが必要になります。
ただ、水分子生成率の推定値はモデルによって10倍程度異なることも…
なので、モデルの妥当性を検証するためには、
コマ全体の観測から求めた水分子生成率の絶対値と比較する必要があるんですねー
そこで、探査機“プロキオン”による彗星観測が行われることになります。
超小型深宇宙探査機“プロキオン”
2014年12月に探査機“はやぶさ2”の相乗り衛星として打ち上げられたのが、
深宇宙探査機としては世界最小サイズの探査機“プロキオン”です。
当初は“プロキオン”による彗星観測は計画されていなかったのですが、
立教大学を中心に開発された水素ガスを観測できる望遠鏡“ライカ”を用いて、
2015年9月に観測が実施されることになります。
彗星の観測に成功したのは、日本の手のひらサイズ宇宙望遠鏡
彗星コマ中の水素ガスの大部分は、
彗星核から放出した水分子が太陽紫外線で壊されること(高解離)で生成されます。
なので水素ガスを観測することで、核からの水分子放出量が推定可能になります。
そして、“プロキオン”による水素ガスの観測から、
彗星活動が最も激しい近日点(太陽最接近)付近での水分子生成率の絶対量が決定され、
彗星のコマ・核モデルを検証することができました。
この結果と“ロゼッタ”によって決定された成分比などを元に、
近日点前後を含む期間の彗星の活動度が、非常に正確に推定できたんですねー
水素原子の生成過程の様式図。 |
今回の観測結果は、超小型深宇宙探査機による探査としては、
世界初の理学的な成果になります。
さらに期待されるのが、大型計画における小型探査機のサポートです。
“ロゼッタ”のような大型の探査計画でも実施できない重要な部分は残ります。
そこを、低コストかつ短期間で開発された小型探査機がサポートできれば…
なので、今回の“プロキオン”の活躍は重要な意義があるんですねー
ひょっとすると今回の事例が、
今後の大型計画における小型探査機のモデルケースになるかもしれませんね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 超小型深宇宙探査機“PROCYON”、小惑星フライバイは断念…
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