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モバライダー mobarider

月を作ったのは“巨大衝突(ジャイアントインパクト)”ではなかった。これで地球と成分が似すぎる矛盾に説明が付きそう!

2017年01月14日 | 月の探査
約45億年前に地球の衛星として誕生した月は、どうやって形成されたのでしょうか?

有力な仮説は、地球に火星くらいの大きさの天体“テイア”が斜めに衝突し、バラバラになった“テイア”と地球の一部がまとまって月になったという“ジャイアントインパクト説”です。

ただ、この説は地球の一部と“テイア”から形成されたはずの月が、地球と成分が似すぎているという問題を抱えているんですねー

今回発表された研究は、1回の大規模衝突ではなく、原始地球に小さな天体が次々衝突したいうもの。
この仮説だと、地球と月の成分が似すぎているという矛盾に説明がつくそうです。


1回の大規模衝突“ジャイアントインパクト説”の矛盾

月の起源をめぐっては、これまで「地球に火星サイズの天体“テイア”が衝突したことにより形成された」という、巨大衝突説“ジャイアントインパクト説”が定説になっていました。

ただ、ジャイアントインパクト説は大きな矛盾を抱えているんですねー

それは、ジャイアントインパクト説が事実なら、月の成分の5分の1は地球の物質で、残る5分の4が衝突した天体の物質ということになるからです。

でも実際にはそうならず… 地球と月の成分構成はほぼ同一になっていて、これはジャイアントインパクト説の支持者たちを長く困惑させてきた矛盾点でした。

でも、1回の大規模衝突ではなく、小さな衝突が繰り返されたと考えれば、この矛盾について説明がつくんですねー

地球に微惑星が20回衝突して月が形成された

この説の方が、月の形成をより自然に説明できそうです。

今回の研究では、火星より小さい“微惑星”と呼ばれる天体と原始地球との衝突をコンピューターシミュレーションで再現(約1000パターンのシミュレーションがおこなわれた)。

すると、微惑星が衝突するごとに原始地球の周囲に残骸の環が形成され、その後それらが合体して“小衛星”が形成されることが分かりました。

こうした小衛星の数々が集まって最終的に月を形成。
現在の月のサイズになるまでに数百万年もかかったそうです。

月と地球の成分が似ているのは、複数の衝突の方が単独の衝突よりも多くの物質を地球からえぐり出すため。
このため小衛星の成分構成は地球に近くなったということです。

月の形成にはこうした衝突が約20回必要になるようです。

まぁー ジャイアントインパクト説にも、「衝突時にはテイアだけでなく地球もほとんどが蒸発するほどだった」という新設が出てきているので、すぐには結論は出なさそうですよ。


こちらの記事もどうぞ ⇒ 天体の衝突で地球はほぼ蒸発… そして月ができたようです。


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