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太陽系外からやって来た天体“オウムアムア”の故郷はどこか? 天文衛星“ガイア”のデータがカギ

2018年10月28日 | 宇宙 space
どうやらその正体は彗星の可能性が高い“オウムアムア”。

太陽系外からやって来たことは分かっているのですが、故郷の恒星はまだ不明なまま…

今回、位置天文衛星“ガイア”のデータから、“オウムアムア”の故郷として4つの恒星候補が特定されたそうです。


太陽系外の恒星系からやって来た恒星間天体

2017年に発見された“オウムアムア”は、太陽系の外からやってきて、また太陽系の外へ帰っていくことが観測により分かっている天体です。

そう、“オウムアムア”は太陽系外の恒星系からやってきた史上初の“恒星間天体”になるんですねー

発見当初は小惑星だと考えられていたのですが、その後の観測や解析で分かってきたのは、彗星の可能性が高いということ。

ただ、どこの恒星から来たのかはまだ分かっていません。
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オウムアムア(イメージ図)


“オウムアムア”と接近した4つの恒星

惑星系が形成される過程で惑星にならずに残ったものが彗星になると考えられています。

“オウムアムア”の場合には、故郷の惑星系が作られている途中で放出された可能性があるそうです。

“オウムアムア”の故郷を探し出すには、“オウムアムア”の軌道を過去に遡るだけでなく、過去数百万年の間に“オウムアムア”と近づいた可能性のある星についても検討が必要になります。

今回の研究では、2018年4月に公開された位置天文衛星“ガイア”の第2期データを使って、“オウムアムア”の故郷候補になる恒星を調査。

“ガイア”のデータには、天の川銀河にある恒星のうち10億個以上について、位置や距離、動きの情報が含まれています。

研究チームは、その中から700万個の星の動きについて調べ、かつて“オウムアムア”の軌道に近づいた4つの恒星を特定しています。
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青は“オウムアムア”、
赤は“オウムアムア”の故郷とされる4つの候補天体、
太陽(黄色)の700万年の動きを示した図。
4つの恒星は太陽と同じくらいかそれよりも小さく、100万年前から700万年前の間に“オウムアムア”と接近していました。

恒星に惑星が存在したり、恒星が連星系だったりする場合は、故郷から小天体がはじき出されて恒星間天体になる可能性が高くなります。

でも、4つの恒星については今のところ、惑星や伴星の存在は知られていないんですねー

これらの恒星が本当に“オウムアムア”の故郷なのかどうか、詳細については今後の観測から新たな手掛かりが得られるかもしれません。

また、2020年代に公開される“ガイア”のデータから、さらに多くの恒星の軌道についても情報が得られるはずです。

“オウムアムア”の故郷を特定するにはまだ時間が必要です。

でも、今回の成果から分かったことは、天の川銀河の歴史を調べるのに“ガイア”が非常に役立つということですね。


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