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これまでの説より1億年も早い? 月が冷えて固まり始めたのは太陽系の誕生から5000万年後だった

2019年08月14日 | 月の探査
アポロ計画で採取された月のサンプルの組成分析から分かってきたこと。
それは、月の形成時期が45億1000万年前だということでした。
これまでの説よりも1億年も古い時期に月は誕生したようです。


太陽系初期の歴史や地球と月の形成に関する情報源

今から50年前の1969年7月21日(日本時間)、アポロ11号が月面着陸を果たし、人類は初めて月にその一歩を印しました。

宇宙飛行士アームストロングとオルドリンは数時間の月面滞在の間に21.55キロのサンプルを集め、そのサンプルを地球へ持ち帰ってきます 。

その後、17号まで続いたアポロ計画で地球へ持ち帰られた月のサンプルは合計380キロ以上。
そのサンプルは50年たった今でも、太陽系初期の歴史や地球、月の形成に関する研究の情報源になっているんですねー
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アポロ12号によって持ち替えられた月のサンプルの一部。


月を形成する元になった巨大衝突

今回の研究を進めているのはドイツ・ケルン大学のチーム。
月のサンプルの分析から形成された年代を探っています。

月は巨大衝突“ジャイアントインパクト”と呼ばれる天体衝突で作られたとする説が有力です。
  天体の衝突で地球はほぼ蒸発… そして月ができたようです。
    

この説によれば、火星サイズの天体“テイア”が形成初期の地球に衝突し、飛び散った物質が重力によって集積して月ができたと考えられています。

誕生したばかりの月は表面のほとんどが解けていて、マグマの海に覆われた状態でしたが、冷えるにつれて様々な種類の岩石になっていきます。
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巨大衝突“ジャイアントインパクト”のイメージ図。


月が冷えて固まり始めたのは太陽系の誕生から5000万年後だった

研究チームが調べたのは、月のサンプルに含まれる希少元素であるハフニウム、ウラン、タングステンの関係から、月面の黒い領域を構成する玄武岩を生成するもとになったマグマの融解の様子でした。

特にハフニウムとタングステンについて、サンプルの情報と実験室での情報とを合わせて分かってきたのは、月は太陽系の誕生から5000万年後には冷えて固まり始めたこと。

これまでの研究では、月が形成されたのは今から約44億年1000万年前であり、太陽系形成(すなわち地球の形成)から約1億5000万年後と見積もられていました。

でも、今回の研究では、それを1億年もさかのぼり、月は約45億1000万年前に誕生したと結論付けているんですねー

月の年齢を決定することは、月がどのように形成されたのかだけでなく、地球の形成年代や太陽系形成初期に地球がどのように進化してきたのかを知る上で重要なことになります。

人類が月という地球以外の世界への第一歩を刻んでからちょうど50年。
この節目に、地球に持ち帰られたサンプルによって、月の進化に関する新しい情報がもたらされました。

地球の形成後、最後に起こった惑星規模の大きな現象は月の形成です。
今回の研究結果が正しく、月が約45億1000万年前に誕生したのなら、地球の年齢が最低何歳なのかも分かってくるはずですよ。


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