謎が深まった、球状星団の起源。

天の川銀河の周囲を公転する“ろ座矮小銀河”の球状星団。

ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した画像から、
この球状星団の起源に関する謎が深まってしまったようです。

“ろ座矮小銀河”は天の川銀河の伴銀河で、 天文学者たちを悩ませてきた球状星団（丸で囲まれた部分）を含んでいる。 下は、この4つの球状星団をハッブル宇宙望遠鏡が撮影した画像。

天の川銀河をはじめとする銀河には、
週十万個の古い星からなる球状星団が多数散らばっています。

ただ、それら球状星団がいつ、どのように誕生したのかは解明されていません。

天の川銀河の球状星団が含む星には2つの世代があり、
そのほとんどが若い世代に属すると考えられています。

これまで天文学者たちは、
古い星の多くが、ある時点で銀河からはじき出され、
古い星の集団を形成すると考えていました。

この説が正しければ、“ろ座矮小銀河”の球状星団には古い星が多数存在するはずでした。

でもハッブル宇宙望遠鏡による観測で、その予測は裏切られることに…

地球から46万光年の距離に位置する“ろ座矮小銀河”には、
4つの球状星団が含まれているのですが、ホスト銀河には古い星が決して多くないんですねー

“ろ座矮小銀河”には、はじき出された古い星を隠せるような場所はないので、
天文学者たちは振り出しに戻り、美しい球状星団の起源を模索することになるようです。