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人工衛星のかわりにもなる飛行機“ゼファー”

2016年06月10日 | 宇宙 space
クリーンエネルギーの活用の場が広がるなか、
航空業界もクリーンな動力源に注目しています。

特に、太陽の力によるソーラー発電を利用する航空機は、
世界一周プロジェックトが実施中なので、大いに開発が進んでいるんですねー

そんな中でエアバス社は、
数年間無人で飛ぶことができる航空機“ゼファーT”の初飛行に成功。

航空機で人工衛星を打ち上げる計画はありますが、
この“ゼファー”は航空機が人工衛星の代わりになる計画です。


無人で長期間飛行

エアバス社が現在開発している“ゼファー”は、
ソーラー発電で、数年間飛び続けることができる無人航空機です。

飛行高度は20キロで、搭載装置を利用することで、
まるで人工衛星のように使うことも可能なんですねー

また“ゼファー”は、すでに試験飛行で336時間(約2週間)という、
ひじょうに長い飛行記録を達成しています。

これは、他の無人機の8倍も長いもので、
今後は1か月、そして1年と飛行時間を伸ばしていくそうです。

“ゼファー”のメリットとして期待されているのは、
人工衛星よりも低い成層圏を飛ぶことによる低コストでの運用や、
容易な装備品の変更など。

現在、エアバス社は“ゼファー8”の年内の運用開始を目指しています。

この機体は100Mbpsの通信とNIIRS 6による写真撮影、動画撮影、
そしてナローバンドのモバイル通信が可能です。

さらに、次期モデルの“ゼファー9”はフルバンドのモバイル通信や、
レーダー探知機など、さまざまな機能が追加されていきます。

無人機とソーラー発電、そして航行技術の発展により、
航空機が人工衛星の代わりになる計画。

低コストでの運用や装備品の変更などなど魅力的な計画なので、
一部の人工衛星を置き換える可能性は十分ありますね。


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