宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

“タイタン”のデータが、系外惑星大気の観測に一石を投じる?

2014年06月02日 | 土星の探査
NASAの土星探査機“カッシーニ”が観測した土星の衛星“タイタン”と、
トランジットを起こしている系外惑星との類似性に着目した研究によって、
系外惑星がもやに覆われている場合、もやが大気の観測に影響を及ぼすことが分かってきました。

日没時に“タイタン”を観測する
土星探査機“カッシーニ”(イメージ図)
系外惑星が地球から見て恒星の前を通過(トランジット)する際、恒星の光は惑星の大気中を通ってくることになります。
なので、その光を分光観測してスペクトルを調べると、系外惑星の大気の温度や組成、構造などが分かるんですねー

NASAのエイムズ研究センターでは、系外惑星のトランジットと、
“カッシーニ”が観測した日没時にある“タイタン”の類似性に着目。

“タイタン”は惑星ではなく衛星なんですが、雲や高い高度に存在するもやに覆われているいます。
系外惑星にも同様のものがあると考えたんですねー

そこで、太陽の光がタイタンの大気中を通り抜けてくる日没時を観測し、
“タイタン”を覆っているもやが、観測に及ぼす影響を明らかにすることになります。

そして、2006年から2011年の間に、“カッシーニ”が得た“タイタン”の観測データを分析し、
系外惑星上空にもやが存在する場合、トランジット観測によって得られたスペクトルが制限されてしまう可能をつきとめたんですねー

さらに“タイタン”のもやは、より短い波長(青色)の光に、より強い影響を及ぼすことも分かってきました。

これまでの系外惑星研究では、もやはすべての色の光に同様に影響を及ぼすと仮定されてきました。
でも今回の研究で、その仮定があてはまらないケースもあるということが分かったんですねー