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宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

宇宙線の起源を特定

2013年02月26日 | 宇宙 space
宇宙空間を光速に近いスピードで飛び回っている高エネルギーの放射線“宇宙線”。
この“宇宙線”が、太陽よりも重い星が生涯を終えて大爆発を起こした残骸“超新星残骸”で作られていることが分かりました。

これまで、宇宙から地球にやってくる宇宙線(高エネルギーの粒子)の大部分は、
天の川銀河内の超新星の爆発に由来するのではないかと考えられてきました。
でも、観測的な裏付けはなかったんですねー

宇宙線の1%にあたる電子成分の源が、超新星残骸ということは最近の観測で突き止められています。

でも、大部分をしめる陽子成分(陽子と原子核)については、超新星残骸で作られているという決定的な証拠は得られていません。

証拠を得るために必要なのが、ガンマ線観測です。
これは、高エネルギーの陽子や原子核が周囲のガスと衝突すると“中性パイ中間子”が生成され、それがすぐに崩壊すると特有のエネルギー(波長)を持つガンマ線を放つからです。

もし、超新星残骸からこの特徴的な放射が観測されれば、それは宇宙線の陽子成分が超新星残骸で生成することの決定的な証拠となるんですねー





超新星残骸“IC 443”の
ガンマ線(ピンク)、
可視光(黄)、
赤外線(青、緑、赤)の
合成画像




国際研究チームでは、“ふたご座”の方向にある“IC 443”と“わし座”の方向にある“W44”という2つの“超新星残骸”について、日欧米が打ち上げたガンマ線天文衛星“フェミル”の4年にわたる観測データを解析しました。
そして、“中性パイ中間子”の崩壊による放射と結論づけられる特徴が、両方のガンマ線スペクトルから見つかりました。




超新星残骸“W44”の
ガンマ線(ピンク)、
電波(黄)、赤外線(赤)、
X線(青)の合成画像


発見から100年… やっと“宇宙線”の源が特定されたんですねー