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宇宙のはなしと、ときどきツーリング

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“すばる望遠鏡”で撮影された“はやぶさ2”の目的地

2015年06月21日 | 小惑星探査 はやぶさ2
ハワイのマウナケア山の頂上にある“すばる望遠鏡”が撮影した、
小惑星“1999 JU3”の写真が公開されました。

“1999 JU3”は1999年に発見された地球近傍小惑星で、
大きさは1キロ弱と見られています。

そして昨年の12月に打ち上げられた
小惑星探査機“はやぶさ2”の目的地でもあります。

このときの“1999 JU3”は、
地球からおよそ2億4000万キロ離れた距離にあり、
明るさは非常に暗い22.3等ほど…

でも、集光力に優れた“すばる望遠鏡”によって、
わずか30秒の露出時間で、
その姿を写し出すことができたんですねー

昨年の12月3日に打ち上げられてから半年が経った“はやぶさ2”は、
太陽を周回する軌道を順調に航行しています。

現在は、今年の12月3日に予定されている地球スイングバイに向けた、
イオン・エンジンの連続運転が完了したところ。

地球スイングバイとは、
地球の公転速度を利用して探査機の航行速度上げることと、
地球の重力を利用した軌道の変更を行う航法テクニックのことです。

これにより“はやぶさ2”は、
目的地の小惑星“1999 JU3”に向けた軌道に入ることができるんですねー

2018年の夏には小惑星“1999 JU3”に到着するようですよ。

地球スイングバイへの準備完了! 小惑星探査機“はやぶさ2”

2015年06月16日 | 小惑星探査 はやぶさ2
小惑星探査機“はやぶさ2”が、
6月2日から行われていた第2回イオン・エンジン連続運転を7日に完了しました。

これで、今年12月3日に予定されている地球スイングバイに向けて、
軌道・速度が、ほぼ整ったことになるんですねー

“はやぶさ2”は2014年12月に打ち上げられた後、
搭載機器の初期確認を終え、
イオン・エンジンを連続で運転して探査機の速度を上げる、
第1回イオン・エンジン連続運転が行われました。

この第1回連続運転は3月21日に完了し、
運転時間は409時間を記録しています。

連続運転は大きく2回に分け、
合計約600時間行われることになっていました。

でも、打ち上げの軌道投入精度や、
第1回連続運転での軌道制御精度が高かったので、
第2回目の稼働時間を、当初予定の約200時間から、
約100時間に短縮することが可能になったんですねー

第2回連続運転は6月2日から開始され、
探査機の状態を示すデータから、
6月7日0時25分をもって、正常に終了したことが確認できたそうです。

イオン・エンジン連続運転の終了は、
あらかじめ探査機に送信したコマンド・プログラムが自動で流れ、
そのタイム・シーケンスの中で、
「噴射終了」の指示が発信される仕組みになっています。

これは噴射終了時に、
“はやぶさ2”が日本の運用局からは見えない位置にいるため。

そこで実際の「噴射終了」確認は、
7日の運用時に得られた探査機のデータを取得することで、
行われることになります。

そして分かったのが、
この第2回連続運転における噴射時間が102時間だったこと。

これは計画通りの値で、
第1回目(409時間)と合わせた合計時間は511時間となり、
これにより“はやぶさ2”は、秒速60メートルほど速度を増すことになります。

また、第2回連続運転中のイオン・エンジン稼動状態や、
連続運転後の軌道情報などに関しては、
取得されたデータの詳細解析を順次行い、結果がまとまり次第、
改めて発表されるとのこと。

この第2回連続運転の完了により“はやぶさ2”は、
目的地の小惑星“1999 JU3”に向けた軌道に入るための地球スイングバイに向けて、
軌道・速度がほぼ整ったことになります。

地球スイングバイとは、
  地球の公転速度を利用して探査機の航行速度上げること
  地球の重力を利用した軌道の変更
を行う航法テクニックのことです。

現時点の予定では、地球スイングバイが行われるのは今年の12月3日。

なお、今後地球スイングバイまでの間に、
必要に応じて軌道微修正のためのイオン・エンジン稼動もあるそうですよ。

第1回イオン・エンジン連続運転終了 小惑星探査機“はやぶさ2”

2015年04月17日 | 小惑星探査 はやぶさ2
小惑星探査機“はやぶさ2”に搭載されているイオン・エンジンの第1回連続運転が、
3月21日に正常に終了したそうです。

“はやぶさ2”は、2014年12月3日に打ち上げられた後、
搭載機器の初期確認を2015年3月3日に終えていました。

また3月3日からは、
今年11月から12月ごろに予定されている地球スイングバイに向け、
イオン・エンジンを連続で運転して、探査機の速度を上げる運用が行われていたんですねー

連続運転は大きく2回に分けて合計600時間を実施。
これにより“はやぶさ2”は、秒速60メートルほど速度を上げることになります。

今回の第1回連続運転時間は409時間で、
これは計画通りの値。
6月上旬ごろには、第2回の連続運転が始まる予定です。

イオン・エンジン連続運転の終了は、あらかじめ探査機に送信したコマンド・プログラムに従い、そのタイムシーケンスの中で「噴射終了」の指示が発信され、自動で行われました。

この時“はやぶさ2”は、日本の運用局からは見えない位置にいたんですねー

なので21日の14時から21時の運用時に、探査機の状態を示すデータ(テレメトリ・データ)を取得。
そのデータから、予定通り21日5時30分に噴射が終了していたことが確認されています。

また、今日までに取得したテレメトリ・データの詳細解析を順次行い、
連続運転中のイオン・エンジン稼動状態、連続運転後の軌道情報などが発表されるようです。


“はやぶさ2”は、
2003年に打ち上げられて小惑星イトカワの探査を行い、
そして2010年に地球へ帰還した“はやぶさ”の後継機として、
2014年12月に種子島宇宙センターから打ち上げられました。
“はやぶさ2”は搭載された観測機器を使って探査を行い、
また砂などのサンプルを採取して地球に持ち帰る、
というミッションを背負っています。

“はやぶさ2”による観測や、また持ち帰ってきたサンプルの地球上での分析。

さらに先代の“はやぶさ”や、他の小惑星・彗星探査機が得たデータと比較することで、
太陽系の起源と進化や、生命の原材料を探求することを目指しているんですねー

目的地の“1999 JU3”と呼ばれる小惑星は、
有機物や含水鉱物を、より多く含んでいると考えられている、
“C型”という種類の小惑星です。

先代の“はやぶさ”が探査した“S型”小惑星イトカワと比べ、
より始原的な天体だと考えられています。

現在行われているイオン・エンジンの連続運転が無事に終れば、
今年11月か12月ごろに地球スイングバイを行います。

そして速度を上げつつ軌道も変え、
2018年の6月か7月ごろには小惑星“1999 JU3”に到着する予定です。

そこで約1年半にわたって探査活動を行い、
2019年11月か12月ごろに小惑星を出発、そして2020年の11月か12月ごろに地球に帰還しカプセルを投下。

カプセルは地球の大気圏に再突入し、
先代と同じくオーストラリアのワーメラ砂漠に着陸する予定なんですねー

また、探査機本体はカプセル分離後も航行を続け、
別の天体の探査を行うようですよ。

小惑星に向けた航行段階へ移行。 小惑星探査機“はやぶさ2”

2015年03月16日 | 小惑星探査 はやぶさ2
JAXAの小惑星探査機“はやぶさ2”が、探査機搭載機器の初期機能確認を終えて、
小惑星“1999 JU3”に向けた航行段階(巡航フェーズ)へ移行したそうです。

これから2回に分けてイオン・エンジンの連続運転を行い、
今年の11月から12月ごろに予定されている、地球スイングバイに挑むことになるんですねー

“はやぶさ2”は、2014年12月3日に打ち上げられた後、
探査機に搭載されている機器の初期機能確認が行われていました。

そして3月2日に、
予定されていた機能確認や取得データの評価などが終わったので、
初期機能確認期間は無事終了。

3月3日からは、小惑星“1999 JU3”に向けた航行段階(巡航フェーズ)に移行しています。

今後は、今年の11月から12月ごろに予定されている地球スイングバイまでに、探査機に搭載されている4台のイオン・エンジンのうち2台による運転を、合計約600時間行うことになります。

運転は大きく2回に分けて行われ、
まず3月中に1回目として約400時間の運転を、
そして6月上旬ごろに、2回目の運転を行うとのこと。

これにより“はやぶさ2”は、秒速60メートルほど速度を増し、地球スイングバイに挑むんですねー

2003年に打ち上げられ、小惑星イトカワの探査を行った後、
2010年に地球へ帰還した“はやぶさ”の後継機が“はやぶさ2”です。

2014年12月3日に、種子島宇宙センターから打ち上げられた“はやぶさ2”のミッションは、
搭載された観測機器を使って探査を行い、また砂などのサンプルを採取して地球に持ち帰ること。

“はやぶさ2”による観測や、持ち帰ってきたサンプルを地球上で分析したり、
さらに、先代の“はやぶさ”や他の小惑星・彗星探査機が得たデータと比較することで、
太陽系の起源と進化や、生命の原材料を探求することを目指しています。

目的地の“1999 JU3”と呼ばれる小惑星は、
有機物や含水鉱物を、より多く含んでいると考えられている“C型”という種類の小惑星です。

先代の“はやぶさ”が探査した“S型”小惑星のイトカワと比べ、より原始的な天体だそうです。
地球から見た“はやぶさ2”の方向。

今年の11月か12月ごろに予定されている、
地球スイングバイによって速度を上げて軌道を変えると、
2018年の6月か7月ごろに目的地の小惑星“1999 JU3”に到着するんですねー

そこで探査活動を約1年半行い、2019年11月から12月ごろに小惑星を出発。
そして2010年の11月から12月ごろに地球に帰還カプセルを投下します。

カプセルは地球の大気圏に再突入し、
先代と同じオーストラリアのウーメラ砂漠に着陸することになっています。

また、探査機本体の方はカプセル分離後も航行を続け、
別の星の探査を行うことことなどが計画されているようです。
“はやぶさ2”と地球、太陽、小惑星“1999 JU3”の位置関係。


“はやぶさ2”は帰ってくるか? 探査機の様々な行く末…

2014年12月09日 | 小惑星探査 はやぶさ2
いよいよ宇宙へと出発した“はやぶさ2”。
目標の小惑星“1999 JU3”を探査した後に、2020年の地球帰還を目指すことになります。

H-IIロケット26号機打ち上げのようす

ただ、初代“はやぶさ”のように旅が終わるのではなく、
予定では、小惑星のサンプルを収めたカプセルを投下後も、
再び旅を続け、次の目標天体(未定)を目指すことになるんですねー

初代“はやぶさ”の場合は、
化学エンジンが故障していたので、やむをえず大気圏突入になり、
劇的な地球帰還が広く関心を集めることになります。

これ以来、探査機は地球に帰るというイメージを持つ人がいるようです。

“はやぶさ2”

そもそも“はやぶさ”や“はやぶさ2”、
そしてNASAの彗星探査機“スターダスト”のように、天体のサンプルを持ち帰るミッションでない限り、探査機が地球に戻ってくるのはとてもまれなことなんですねー

地球に接近して、重力を推進に利用するスイングバイは除いて、月探査機“かぐや”や木星探査機“ガリレオ”など、他天体を周回して探査を行うものは、その多くが制御可能な間に天体に落下させられます。

火星探査車も、地表で動かなくなるまで探査を行った後は、そのままになります。


一方で、1つの天体に付いて回らず、
目標天体に接近通過するだけで探査を行うものもあります。

こうした探査機はミッション終了後、
惑星や小惑星と同じように、太陽を中心とした軌道を半永久的に回ることになります。

また、人工物として初めて太陽圏を脱出したNASAの“ボイジャー”は、
地球に戻るのとは反対に、永遠に遠ざかっていく探査機です。


“はやぶさ”の大気圏突入は、プロジェクトとしては予定外の出来事でした。

でも、人類が探査機に託す
「まだ見ぬ宇宙への憧れ」と「ふるさと地球への郷愁」を、
実感させてくれたんですねー

初代“はやぶさ”が戻れなかった宇宙へ、“はやぶさ2”は旅立ちました。
さて、どんな物語が展開されるのでしょうか。