goo blog サービス終了のお知らせ 

宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

太陽から約5億キロの距離に接近!  サイディング・スプリング彗星

2014年04月01日 | 流星群/彗星を見よう
今年の10月に、火星に大接近するサイディング・スプリング彗星。

この彗星は、2013年1月にオーストラリアのサイディング・スプリング天文台が発見したオールト雲起源の彗星です。
軌道が火星のそばを通るので、「火星に衝突するのでは」っと発見当時は話題になったんですねー

3月11日に撮影されたサイディング・スプリング彗星。
右はジェット構造がよくわかるように画像処理をしたもの。

今年の3月には、
太陽から約5億キロの距離にまで近づいてきていて、
昨年10月末の画像と同じく、
太陽光で暖められた彗星の
核から噴出する2本のチリの
ジェットが見られ、核の自転軸方向を知る手がかりになっています。



彗星は、今年の4月から5月にかけて太陽に近づき、表面の氷が溶けて多くのダストを放出するはずです。 そして、これらのダストが火星に多く降り注ぐことが予測されています。

現在、火星では火星周回探査機“マーズ・リコナサンス・オービター”と“マーズ・オデッセイ”、火星探査車の“オポチュニティ”と“キュリオシティ”、そして欧州の“マーズ・エクスプレス”が活動しています。

さらに今年の9月には、昨年11月に打ちあげられた火星探査機“メイブン”、インド初の火星探査機“マンガルヤーン”が到着する予定なんですねー

火星の薄い大気でも、彗星から来る宇宙チリから地表の探査車を守る効果はあると考えられているのですが、
火星の上空を周回する探査機には、損傷が起きる可能性もあるようです。

通常の宇宙チリが、探査機に大きな損傷を与える可能性は数パーセント…
でも、今回の“サイディング・スプリング彗星”からもたらされる、秒速56キロにもなる宇宙チリの危険性は、通常の10倍以上になるようです。

ただ探査機に与える影響を慎重に計る必要はあるのですが、火星に大接近する彗星を、火星探査機で一斉に観測できる機会に、期待が寄せられているんですねー

また、火星探査車の“キュリオシティ”と“オポチュニティ”は、彗星の尾を構成する粒子の規模を計る指標として、地表から流星雨を観測する役割を担うようです。

10月25日には、太陽から約2億キロの距離で近日点をを通過するサイディング・スプリング彗星。
地球からも天体望遠鏡で楽しめそうですね。

今年の秋は、火星から彗星の一斉観測がありますよー

2014年02月08日 | 流星群/彗星を見よう
今年の10月19日には、火星に“サイディング・スプリング彗星”が最接近します。
NASAでは、火星探査機“マーズ・リコナサンス・オービター”や、火星探査車“キュリオシティ”による彗星の一斉観測を計画しているようです。




赤外線天文衛星“NEOWISE”がとらえた“サイディング・スプリング彗星”



“サイディング・スプリング彗星”は、2013年1月にオーストラリアのサイディング・スプリング天文台が発見したオールト雲起源の彗星です。
軌道が火星のそばを通るので、火星に衝突するのでは っと発見当時は話題になったんですねー
マーズ・リコナサンス・オービター
マーズ・オデッセイ
オポチュニティ
キュリオシティ
マーズ・エクスプレス

そして、ハッブル宇宙望遠鏡や赤外線天文衛星“NEOWISE”の観測から、火星から13万8000キロを通過することが分かりました。

これは地球に置き換えると、地球-月間のおよそ3分の1程度の距離になり、近くを通るのですが衝突コースとはいえないようです。

“サイディング・スプリング彗星”は、今年の4月から5月にかけて太陽に近づき、表面の氷が溶けて多くのダストを放出するはずです。
そして、これらのダストが火星に多く降り注ぐことが予測されているんですねー

こうした彗星の活性化が、どの程度起きるのでしょうか?
これについて、NASAの研究者による検討が行われています。

現在、火星では火星周回探査機“マーズ・リコナサンス・オービター”と“マーズ・オデッセイ”、火星探査車の“オポチュニティ”と“キュリオシティ”、そして欧州の“マーズ・エクスプレス”が活動しています。

さらに今年の9月には、昨年11月に打ちあげられた火星探査機“メイブン”、インド初の火星探査機“マンガルヤーン”が到着する予定なんですねー

火星の薄い大気でも、彗星から来る宇宙チリから地表の探査車を守る効果はあると考えられているのですが、
火星の上空を周回する探査機には、損傷が起きる可能性もあるようです。

通常の宇宙チリが、探査機に大きな損傷を与える可能性は数パーセントなんですが…
でも、今回の“サイディング・スプリング彗星”からもたらされる、秒速56キロにもなる宇宙チリの危険性は、通常の10倍以上になるようです。

ただ探査機に与える影響を慎重に計る必要はあるのですが、火星に大接近する彗星を、火星探査機で一斉に観測できる機会に、期待が寄せられているんですねー

実は2013年に、アイソン彗星が火星に接近した際にも、観測が行われています。

この時は、“サイディング・スプリング彗星”よりも80倍以上の距離があったので、“マーズ・リコナサンス・オービター”で撮影した画像でアイソン彗星の核は、1ピクセル程度の大きさしかなかったそうです。

今回、彗星の核を“マーズ・リコナサンス・オービター”のハイライズ・カメラで撮影すると、数十ピクセルの大きな画像が得られるようです。

また、火星探査車の“キュリオシティ”と“オポチュニティ”は、彗星の尾を構成する粒子の規模を計る指標として、地表から流星雨を観測する役割を担うようです。

“サイディング・スプリング彗星”は、火星への最接近から6日後に太陽に最も近づきます。
ただ、次に太陽系の内側に戻ってくるのは、100万年先になるそうです。

今秋、火星に彗星が大接近、火星探査機による一斉観測を予定

“アイソン彗星”は太陽最接近で大化けする?

2013年11月29日 | 流星群/彗星を見よう
太陽系の果てからやってきた“アイソン彗星”が、
いよいよ29日に長い旅の折り返し地点となる太陽最接近を迎えます。
太陽に近すぎるので地上から見ることはできないのですが、太陽観測衛星による画像で見ることができるんですねー

ハッブル宇宙望遠鏡がとらえたアイソン彗星

太陽に接近するにつれて、夜明けの空に低くなっていた“アイソン彗星”ですが、25日から目撃報告がなくなっていました。

その理由は、太陽のすぐそばに位置しているからで、
最も太陽に近づく“近日点(29日)”を通過してからしばらくは、地上からは眩しすぎて観測することができません。

ただ、彗星が太陽に接近すると、太陽観測衛星の視野に入るので、
NASAの太陽観測衛星“SOHO”のウェブページで、“アイソン彗星”を見ることができるんですねー






11月27日午後
“SOHO”の“LASCO C3”カメラの
視野に入ってきた“アイソン彗星”
(画像中4時方向)





このウェブページでは、視野範囲の異なる2つのカメラでとらえた、太陽周辺のようすが更新されています。







11月27日から12月1日までの、
“LASCO C3”カメラ内での動き






27日にはすでに“アイソン彗星”が、視野の広い“LASCO C3”にとらえられていて、拡大視野の“LASCO C2”も29日の未明から朝にとらえられるようです。







太陽最接近となる11月29日は、
“LASCO C2”の拡大視野で見れる






太陽表面に約120万キロまで近づく“アイソン彗星”は、熱や重力で大きく変化することが予測されます。
核が壊れて消滅する可能性や、ガスやチリの爆発的な放出で明るくなる可能性があるんですねー

直接見ることはできませんが、世界中の彗星ファンが見守る数日間になるようですよ。


っと言う訳で、見守っていたのですが、
NASAの発表によると、“アイソン彗星”は太陽に最接近する前に、熱によって崩壊し蒸発したそうです。
 まぁー 確かに大化けしたかな 残念…

11月下旬からは肉眼で見えるかも? “アイソン彗星”

2013年10月24日 | 流星群/彗星を見よう
アメリカ政府機関の再開を受けて、NASAは10月17日、ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された“アイソン彗星”の最新画像を公開しました。
この画像は10月9日、ハッブル宇宙望遠鏡の広視野カメラ3によって撮影されたもので、
2種類のフィルターの画像を組み合わせて作られもの。

彗星は太陽に近づくにつれ、太陽の熱と重力によって、核の氷や岩石が分解され、より明るさを増して尾も発達します。
でも、NASAによると“アイソン彗星”の核は小さく、まだ分解していないそうです。

“アイソン彗星”は今世紀最も明るい彗星として期待されていて、今年11月29日に太陽に最接近し、その時さらに明るく成長しそうです。

特に11下旬からは、肉眼でも尾を確認できるかもしれないので、明け方の空に輝く彗星を楽しむのもいいですね。

“アイソン彗星”は昨年9月に発見された彗星で、
名前は、発見者が所属している国際科学光学ネットワーク(International Scientific Optical Network : ISON=アイソン)から取ったそうですよ。

“アイソン彗星”太陽最接近まで45日

2013年10月16日 | 流星群/彗星を見よう
太陽に最も接近するまで、あと45日となった“アイソン彗星”。
以前の予測よりも遅めの増光ペースなんですが、着実に明るさを増していて、尾も伸びてきているんですねー

“マーズ・リコナサンス・オービター”が撮影した、1300万キロ離れた“アイソン彗星”(9月29日)

現在“アイソン彗星”は11月29日の太陽最接近に向け、火星軌道の内側まで入ってきています。

ちょうど火星も軌道上で接近しているので、
NASAの“マーズ・リコナサンス・オービター”やヨーロッパ宇宙機関の“マーズ・エクスプレス”など、
火星で稼働中の探査機でも観測は行われるんですねー

地球からも、未明の東の空で“アイソン彗星”は火星のすぐそばに見ることができます。
明るさは現在11等前後で、当社の予測より暗いのでやや心配なんですが、確実に明るさを増してきているようです。

“アイソン彗星”と火星は並走するように“しし座”を移動し、昨夜は“しし座”の1等星“レグルス”にも接近していたんですねー
“アイソン彗星”がもっと明るければ、双眼鏡で一度に見ることができるのですが、見るのには双眼鏡が必要だそうです。

それでも1.6等の火星と1.4等の“レグルス”が並ぶさまは良い目印になるので、望遠レンズでの撮影のチャンスだったようです。