すべては愛する宗像のため

福岡県宗像市在住、井上正文のブログです。

区有林について

2006年05月21日 | 地域の話題や出来事
昨日の「環境フォーラム」を聞いて、きれいな飲み水をつくるには豊かな森を育てることが大切なのだということを知りました。

私の住んでいる田久という地区には、山を区民で所有・管理する財産組合があります。吉武地区と田島地区に、その山があるそうですが、年々その権利を手放す人が増えているそうです。
山を所有し管理するのは手間もお金もかかることなので、それならば売ってしまおうということなのでしょう。

私が幼い頃、自由ヶ丘地区は全部山でした。
宗像市(当時は宗像郡宗像町)はちょうど昭和40年代から住宅都市としての開発が進み、福岡・北九州両都市のベッドタウンとして人口も増えてきました。

うちの前のデコボコ道はキレイに舗装されましたが、川はコンクリートの溝に変わり、魚やザリガニはいなくなりました。ホタルも家の回りでは観ることができません。

得るものがあれば失うものもあります。
日々の仕事や生活に追われている内に、気がつけば緑も水も失われてしまいました。

宗像を広く見渡せば、海もあれば山もあり、美しい自然がたくさんあります。

宗像の美しい自然を観たい方は「たうん宗像 Blog's 宗像自然愛好倶楽部」がおススメです。

この大切な自然を消費するのではなく、残し育てないと大変なことになってしまいます。

宗像青年会議所では「クリーンアップ宗像(釣川と海岸清掃)」や「さつき松原保存」活動などにも定期的に参加しておりますが、自然環境の保全について、今まで以上に取り組んでいく必要を感じます。

私は今年で青年会議所を卒業しますので、来年は自然体験を楽しみながら個人的にも環境保全運動に参画していこうと思います。

話は変わりますが、福岡ブロックアカデミー委員会では7月か8月に富士登山を計画しています。

富士山は遠目には日本一美しい山ですが、登山者や観光客の残していくゴミで汚れているそうです。
そこでアカデミー委員会ではゴミ清掃も兼ねて登山すると聞いております。
大変意義のあることですし、きっと素晴らしい体験ができることでしょう。

環境フォーラム

2006年05月21日 | まちづくり・自治区・コミュニティ活動
20日、宗像ロータリークラブ創立20周年記念事業「環境フォーラムin宗像」に戸波副理事長・椎名副理事長・堀専務・的場会務と出席して来ました。

基調講演は元中津江村村長の坂本 休(さかもとやすむ)氏。



中津江村は4年前のサッカーワールドカップ・カメルーン代表のキャンプ地として話題になりましたが、当時の村長が坂本氏です。
カメルーンのキャンプ誘致をきっかけとした環境保護活動が今回の講演のテーマでした。
簡単に紹介します。

基調講演「よみがえれ海の恵と山の恵」(講師:坂本 休氏)

中津江村という山の中の小さな村がワールドカップのキャンプを誘致することができました。
実は最初からカメルーンにしぼっていたわけではなく、アルゼンチン・イタリア・イギリス・ドイツ・ブラジル・ボンジュラス・エクアドル・イラン・ユーゴスラビア・ジャマイカの各大使館を訪問しました。予定ではジャマイカのチームだったのですがチームが予選に破れ、代わりにカメルーンに来て頂けるようになりました。

カメルーンの大使さんが(視察で)村に来られた日は、ちょうど天気も良く、鳥がさえずり、爽やかな風が吹く、まさに五月晴れで、大使は「こんなに素晴らしい自然環境は他にない」ということで中津江村をキャンプ地に決められました。
千載一遇といわれたキャンプ誘致に成功したのは中津江村の自然環境のお陰です。
何故、キャンプ誘致をしたかというと、村に元々あったグラウンドを維持していくためにも、何かPRする方法は無いかと考えておりました。もしキャンプ誘致が実現したなら国際的にも評価をいただけるからです。

さて、皆さんもご存じのとおり、カメルーンチームの到着が遅れ、気をもみました。
5月5日に来られる予定が10日に延び15日になり19日に、それから24日までは毎日待ちました。
村の人たちでサッカーを知っている人は数%でしたが、キャンプ誘致が決まってからは、村の人がこぞってカメルーンを迎え入れることに「希望」を託してくれました。

19日から5日間、毎日待ったわけですが、マスコミが取材に来てくれたお陰で、テレビや新聞に村の人が次々に映り、「次は誰がテレビに出るか」ということを村の人々は楽しみにしながら過ごしました。
24日の福岡空港到着も時間が遅れましたが、空港の特別な配慮で時間外にもかかわらず到着を受け入れてくれました。

カメルーン共和国は人口1640万人の国ですが、水は豊富にあっても飲めないような生活も過酷な国なのです。
今年は残念ながらカメルーンチームはワールドカップに出場できないので、私たちも自分の村のことのように心を痛めています。

恵まれた自然環境のお陰で、閉ざされた人口1300人の小さな村がカメルーンという外国と交流ができるようになりました。

あれから4年経った今も、毎日のようにテレビや新聞などの取材を受け、お陰さまで観光や合宿で今年も毎月5000~8500名の方が村を訪れてくれています。
こうしたことから、あらためて自然を守っていくことの大切さを学びました。

現在、坂本氏は財団法人中津江村地球財団の理事長として、森と水を育て守るための植林活動などを各地で精力的に行われていらっしゃいます。
中津江村についてもっと知りたい方はこちらのブログ「森川緑ニュース」をどうぞ。

基調講演の後はシンポジューム「むなかたの自然を考える」が開催され、「地産地消」「さつき松原保存」「孟宗竹(もうそうだけ)の駆除」「釣川環境美化」などの課題について、各団体の活動や取り組みが紹介されました。



会場からも提言や意見が出て、環境問題に対して真剣に活動されている方が非常に多いことを知りました。

フォーラム閉会のご挨拶では、宗像ロータリークラブの和田俊樹氏がこんなお話をされました。
今から50年前、私(和田氏)が小学生の頃は、「水」を持って遊びに出かけることはありませんでした。山や川や井戸等いたる所でうまい水が「ただ」で飲めたからです。
しかし今はどうでしょう。ペットボトルを持って出るか、自動販売機で買って飲むかで、水道水を飲むこともないと思います。
今日の講師の皆様にお出ししているペットボトルの水。この水は1リットルあたり200~300円位します。
今、世界は原油高で大騒ぎになっています。石油は1リットルあたり50円位で、精製したガソリンが140円位です。
戦時中は「石油の一滴は血の一滴」と言われましたが、今我々が飲むペットボトルの水の方が遥かに高いのです。
しかし、水が高いというならまだいい方です。
大気汚染によって将来は酸素ボンベを担ぎ、ガスマスクを身にまとって外出するようになるかもしれません。
我々の子孫にそんなことをさせては絶対にならないと思います。

「財産は先祖から受け継いだものだから使ってもいいが、自然環境は未来の子孫から預かったものであるから大切にし、残さねばならない」

宗像ロータリークラブさんをはじめ、各団体で宗像青年会議所OBの先輩方が中心となって「宗像の自然環境の保護」に真剣に取り組まれております。
シンポジュームの中でも宗像青年会議所の過去の取り組みについて何度も言及されておりました。
理事長として地域の様々な団体との交流を通じ、こうした問題についても今後は皆さんに紹介していきたいと思います。

 
(写真左は実行委員長の高野聖勝氏、写真右には内モンゴル留学生のマンドラ君夫妻も写っています)