宮代NOW(出来事編)

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「職員の公務専念義務についての調査特別委員会」に質問が集中 町民と議員との懇談会 宮代町

2013年05月19日 17時21分46秒 | 宮代ニュース
宮代町議会議員と町民が直接対話する「町民と議員との懇談会」が19日図書館ホールで開かれ、現在開催中の「職員の公務専念義務についての調査特別委員会」に質問が集中した。特に、町民感覚からはかけ離れすぎているとして「調査特別委員会」の設置に反対した議員に対して、その真意と行動を問う質問が多かった。

これに対して設置に反対した議員からは「現在、委員会の一員として調査に加わっている」などの弁明も聞かれたが「反対した議員の中には、調査特別委員会の席で調査といえるような質問を行なわない議員もおり、委員(議員)としての職責を果たしていない」などの批判が相次いだ。


【「町民と議員との懇談会」に参加して】

議員が町民の意見を直接聞くという画期的な懇談会で、周辺市町でも実施するところが増えてきているが、その内実は「画期的」と表現するほど「実」のあるものとは言い難い感じが強い。

出席し発言する町民はほぼ固定化されており、議員の方も真摯に討論するほどの政策と立案能力に欠け、実施となると執行に繋作業で終わってしまう。

言いたい町民のガス抜き的な懇親会となっているのが実情のように感じられる。

そこで、宮代NOWでは、論議を深めようとない頭を絞って、質問内容を文書にまとめ、議長に提出した。

しかし、その質問文書をコピーするかどうかで、行き違い。

議長にとって、文書での質問は明らかに迷惑そうで、「質問者が議員分コピーを持って来るべき」との気配が感じられる。

議員に言われてしぶしぶ、議員がコピー代を持つということで決着。それも「今回だけの特例」とのこと。

懇談会を招待した招待主が、来る人は招待側のお茶を持ってくるべきで、持ってくれば君の意見を聞いてあげようと言われているようで、もう、端から「深めた論議をしてみたい」との気持ちが失せ、結局は、揚げ足取りに終始して終わり。反省。

でも、議員諸氏には文書が配られたので、こちらの考えたことは伝わったと思う。

宮代NOWが用意した質問文書は以下のとおりです。当ブログをご覧の皆さんのご意見があればお聞かせ願えれば幸いです。

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【質問文書】

調査特別委員会の設置にあたって、その設置に反対する意見の中に「法的に問題があるようなことではなく、道義上や倫理上の問題だから、特別委員会になじまない」といった反対討論があったように思います。

私自身は、法律に疎いので、議員、特に設置に反対された議員諸氏に伺いたいので、よろしくお願いいたします。

釈迦に説法で恐縮ですが

市町村が災害対策を講じる基本法としては「災害対策基本法」があり、その第5条には(市町村の責務)として

「市町村は、基礎的な地方公共団体として、当該市町村の地域並びに当該市町村の住民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、関係機関及び他の地方公共団体の協力を得て、当該市町村の地域に係る防災に関する計画を作成し、及び法令に基づきこれを実施する責務を有する。」となっております。

ちなみに辞書によりますと責務とは「責任と義務。また、果たさなければならない務め」ということだそうです。

つまり、町民の生命・財産を守るため、防災計画を作成し、それに沿って対策を講じ、実施することが、宮代町が果たさなければならない務めであるというのがこの条文であると理解いたします。

この災害対策基本法に基づいて宮代町では「宮代町地域防災計画」を作成しています。

また、同法第二十三条の二には(災害応急対策としての市町村災害対策本部)の設置要項が定められており、

その4には
「市町村災害対策本部は、市町村地域防災計画の定めるところにより、次に掲げる事務を行う。この場合において、市町村災害対策本部は、必要に応じ、関係指定地方行政機関、関係地方公共団体、関係指定公共機関及び関係指定地方公共機関との連携の確保に努めなければならない。
一  当該市町村の地域に係る災害に関する情報を収集すること。
二  当該市町村の地域に係る災害予防及び災害応急対策を的確かつ迅速に実施するための方針を作成し、並びに当該方針に沿つて災害予防及び災害応急対策を実施すること」となっております。

市町村は災害対策本部を設置し、情報収集を行うと共に、災害応急対策を的確かつ迅速に実施しなさいということだと理解いたします。

この災害対策基本法の第二十三条の定めるところによって、宮代町では宮代町災害対策本部条例が整備されています。

災害は予期せぬ事柄などがありますから完全ということはないかもしれませんが、宮代町は一応、町民の安心・安全に足る防災計画や条例などソフト面は整備されていると思います。

そこで、「災害対策基本法」で作成が義務付けられ、そこに盛り込まれた内容を実施しなければならないとされている、宮代町地域防災計画を見ますと、

第3編 災害応急対策編
第1部 震災応急対策計画
第1節 災害対策本部の設置(町本部)という項では

「震災が発生した場合は、災害対策本部を速やかに設置し、被災住民の救助やその他災害応急対策の実施など被害の発生を最小限に抑えることが重要である。」

として、災害対策本部の設置、運営等について必要な事項を定められております。例えば、

「1 町災害対策本部の設置基準
町長は、次の場合において災対法第23条第1項及び宮代町災害対策本部条例(昭和39年条例第22号)に基づき、宮代町災害対策本部を設置する。
(1)大規模地震対策特別措置法第9条に基づく「警戒宣言」が出されたとき
(2)町内において震度5強以上の地震が発生したとき
(3)町内において地震による大規模な災害が発生し、または発生する恐れのあるとき」

云々となっております。

大きな地震が発生、およびその恐れがあるときは「宮代町災害対策本部」を速やかに設置し、被害の発生を最小限に抑えることとなっています。

速やかにの判断は色々な事情により違ってくるとは思いますが、勤務時間内だとすると、通常はよほどのことがない限り、直ちにということでしょう。

夜間・休日など時間外の場合はそれぞれ、条件が異なってくるでしょうが、概ね1時間程度内には・・。
例えば、伊草議員が以前に勤務されていた墨田区役所では「初動態勢の確立期」という表現で1時間。草加市では「直後対応期」1時間、品川区(直後 2時間内)、中央区1時間等々(いずれも目安であり、状況により変化する)。この間に災害対策本部の設置、職員の参集、避難勧告・指示、避難誘導等、被害状況、活動状況等の情報収集などを行うとされていますが、いずれも、災害対策本部の設置、 職員の参集、情報収集は最初にやることとなっています。

宮代町防災計画には、「初動態勢の確立期」の記載は見当たらず(改訂版などの状況はわかりませんが・・・)、次のステップである「救助・救命期」を発災から概ね3日間の初動対応としている。

ただ、職員の初動態勢については、2005年の第1回宮代町議会の一般質問に対する、町民生活担当参事兼生活環境課長の答弁として
「地域防災計画では町内において災害が発生し、または発生するおそれがある場合には町及び防災関係機関は協力体制を敷き、災害対策本部を設置することや必要に応じて災害救助法の適用を県知事に要請するなど災害の拡大防止、救援・救護活動が迅速に実施できるよう応急対策に万全を期することとしており、おおむね次のような初動体制がとられることとなります。
まず、災害対策本部の設置であります。町長は町内において災害が発生した場合において非常体制を指令する必要がると認めたときは、災害対策基本法に基づきまして災害対策本部を設置いたします。
次に、職員の動員及び配備でございます。勤務時間内につきましては特に問題はないと考えておりますが、勤務時間外の場合には、あらかじめ定められております職員の連絡網により職員を招集し、災害対策本部の指揮のもと防災計画に定められました役割を担うこととなります。」
とし、
「おかげさまで新庁舎も完成し、気持ちも新たに業務が開始されておるところでございます。災害発生時に災害対策本部が設置されます庁舎として十分な強度を有しますとともに、水道課を除きすべての箇所が同じ建物内に配置されますことから、これまで以上に連携がとりやすく、初動体制を含め災害への対応がより迅速に行えるものと考えております。
万が一の際に町民の皆様の心のよりどころとして十分に機能を発揮できるよう職員一同気持ちも新たに安心・安全なまちづくりに取り組んでまいりたいと考えておりますので、ご理解をいただきたいと存じます。」
と答弁しています。

しかし、いくら計画上の態勢は整っていても、今回のような幹部職員全員が休暇をとり、遠隔地で懇親会を開催している状況の場合、速やかな「災害対策本部の設置はできないと思う」とくらし安全室長が調査特別委員会の質問に対して述べておりますとおり、幹部職員ほぼ全員が休暇をとって勤務を離れているわけですから、先の答弁にある、「勤務時間内につきましては特に問題はないと考えております」ということは反故となり、勤務時間内のような速やかさはもとより、ほぼ全員が遠隔地に向かっている状態では、通常の夜間・休日よりもさらに速やかさに欠ける状況が想定されるわけです。

近隣市町は災害対策本部が立ち上がって、的確で迅速な対応が行われているのに、宮代町は災害対策本部が立ち上がらず、職員がマニュアルに基づいて、自らの権限のなかで、決められた対応を行っているだけ。そら恐ろしくなります。

「災害対策基本法」第五十条には
「指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関及び指定地方公共機関その他法令の規定により災害応急対策の実施の責任を有する者は、法令又は防災計画の定めるところにより、災害応急対策を実施しなければならない。」
となっていますが

災害応急対策の要である「災害対策本部の設置」ができないということは、「防災計画の定めるところにより、災害応急対策を実施しなければならない」という「災害対策基本法」に反し、住民の生命、身体及び財産を災害から保護するという責務を全うできない違法行為ということにならないでしょうか。

さらに、調査特別委員会の質問に対して町長は、
「秘書広報室長が行動パターンを把握しており、私がいないときは頼むと指示を出してあり、連絡することを頼んであり、連絡がとれないときは判断してくれといってある。また、くらし安全室長がいるので、十分安全対策がとれる」という答弁にいたっては、災害対策基本法・宮代町地域防災計画を無視したものであり、別表(参考資料=当ブログでは割愛)に示した、災害対策基本法に定められている町長の責任と権限を放棄し、課長との懇親・融和を優先したものと受け取られても仕方がない発言と思われます。「災害応急対策の実施の責任を有する者」の発言とは到底思えないものですがいかがでしょう。

また、防災計画の職員の動員配備計画によりますと、震度5弱以上の地震の発生においては、課長は出動必須要員となっております。対策・行動の指示・人員調整等の司令塔となるためですが、それが、勤務時間内に全員いないということでは、職員の動員配備計画そのものが計画のための計画にしか過ぎないということではないでしょうか。これでは先の議会答弁がまったく守られないということであり、議会への背信行為とも受け取れるのではないでしょうか。

取り上げていけば、まだまだありますが、建設的な論議とはならないので、この辺でやめます。

つまり、今回の件は、災害対策基本法にある市町村の「当該市町村の住民の生命、身体及び財産を災害から保護するための責務」を果たしていない、あるいは、果たそうという意識に欠ける(業務放棄)、または、果たすことができない組織運営を行ったということであり、法律に疎い私には、災害対策基本法が求めている市長村の責務に違反しているのではないかと思いますがご教示賜れば幸いです。

災害対策基本法違反でないとしても、町民の生命・財産を脅かしかねない状況にあったわけですから、今後そうしたことが二度と起こらないよう、議会議員として「災害対策基本法」および地域防災計画に沿った災害対策が行われるよう監視しその責任の所在を明らかにさせると共に、必要ならば、条例整備、あるいは防災計画の見直しなどの対応を行うのが、議会議員であると思うのですが、設置に反対された議員各位一人ひとりに「法的に問題ない」とされた理由と、災害対策基本法上も問題ない、住民の生命・財産より職員の休暇が優先されるべき懇親会であったと思われたのか

ご見解を伺いたい。