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ゴミは資源か廃棄物か ゴミ袋の指定化を巡って論議 久喜宮代衛生組合定例議会一般質問

2011年10月03日 17時14分19秒 | 宮代ニュース

久喜宮代衛生組合は3日、平成23年第2回定例議会を開催し22年度決算などの議案が上程された。即日、一般質問に移り3議員が質問に立ったが、いずれも、来年4月から旧久喜宮代衛生組合地域に導入が予定されている「ゴミ指定袋」について質問が集中した。

久喜宮代衛生組合は、旧久喜市が旧鷲宮町、旧栗橋町、旧菖蒲町と合併したことに伴って、管内に3つの清掃センターを持つことなった。3つの清掃センターはそれぞれ、ゴミ収集・処理方式が違うことから合併後速やかに収集方式などを一本化し、収集効率を高めることが求められている。

こうしたことから、久喜宮代衛生組合では、このほど久喜宮代衛生組合廃棄物減量等推進審議会を開催し、『家庭系廃棄物(可燃・不燃)の排出時における「ごみ袋」の指定について』などの諮問を行い、「管内で統一した可燃・不燃の2種類のごみ袋を指定することが望ましい」という答申を受けて、「平成24 年4 月から全域において統一した指定ごみ袋を導入することとしました」(衛生組合だより10月号)とした。

しかし、旧久喜宮代衛生組合管内の住民の一部から異論が高まっており、宮代町議会では9月28日の本会議で、「ゴミ指定袋の早急な導入に反対する意見書案」が議員提案され賛成7、反対6で可決している。また、旧久喜市でも、反対する署名が集められたり、久喜宮代衛生組合に請願や意見書案が提出されている。

3日の久喜宮代衛生組合議会では、導入に反対する議員から質問が集中したもので、その内容は「住民に十分な説明が行なわれておらず、住民の意向把握が十分とは言いがたい」「指定ゴミ袋の導入は、旧久喜宮代衛生組合が住民と共に築いてきた先進的な収集・処理体制を否定することになり、混乱を招くのではないか」「指定ゴミ袋の効果・その影響についての検証が不十分で、ゴミ処理方式の統一ということを急ぎすぎているあるいは、指定ゴミ袋ありきの論議だったのでは」といった趣旨。

【議会を傍聴して】

ゴミを資源として捉えるか、廃棄物として効率的に収集することを選択するか。そんな論議に聞こえた。

ゴミを資源として捉え、分別を徹底し、実質リサイクル率40.2%(平成22年度実績、21年度の全国平均は20.5%、埼玉県平均24.1%)という旧久喜宮代衛生組合管内(現久喜宮代清掃センター)。

これに対して、菖蒲清掃センターは16.2%、八甫清掃センターは24.4%。

ただし、ゴミ排出総量は旧久喜市、宮代町とも多く「埼玉県内でもランク的には下から数えたほうが早い」(衛生組合の答弁)というほど、ゴミ排出総量が多い。この排出総量を減らすために、菖蒲、八甫両清掃センターがとっている指定ゴミ袋方式に統一して、効果を挙げようというのが執行側の狙い。

しかし、久喜宮代清掃センターのゴミ排出総量が多いのは、徹底した資源回収や分別による資源化を計っているためで、今回、指定ゴミ袋を導入して排出量を減らそうという「燃やせるゴミ」「燃やせないゴミ」だけのデータを見ると、一人当たりに換算すると菖蒲、八甫両清掃センターの方が1.25~1.5倍も多いというのが「指定ゴミ袋の導入」の異論を持つ議員の試算。

議会を傍聴していると、執行側の検討の深度がかなり浅いのではという感じ。実質リサイクル率40.2%(最高時には45.1%をマーク)を達成し、先進事例として他地域からの見学も多い、久喜宮代清掃センター方式をさらに高めていくには、もう少し住民と共に考え、慎重で実のある分析と検討が必要なように思われた。