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冬の土用、季節の変わり目。土用は甘味。でも、重労働するときだけ。

2024年01月18日 | 漢方五季の食養

冬の土用、季節の変わり目。土用は甘味。でも、重労働するときだけ。

 季節が目まぐるしく変わる漢方の世界。四季の変わり目に18日間程度の「土用」が入りますから、細かく分けると、8季に区分されます。
 立冬(11月7日頃)に始まった冬は、1月16日頃に終わり、1月17日頃から大寒(1月20日頃)を挟んで立春(2月4日頃)の前日(節分)までが「冬の土用」です。
 2024年は、1月18日から2月3日(節分)までが、冬の土用になりです。
 夏の土用(7月19、20日頃から立秋(8月7日頃)の前日まで)も大暑(7月23日頃)を挟んでいて、この2つの土用は寒暑が一番厳しい時期に当たります。一方、春の土用は4月17日頃から立夏(5月5日頃)の前日まで、秋の土用は10月20日頃から立冬(11月7日頃)の前日までと、1年で一番気候が良い時期に当たります。
 年4回訪れるこの土用、たいていは「土(つち)」に「用(よう)」がある時期です。春は夏野菜の定植、夏はネギの本伏せ、秋は稲刈りといった具合に農繁期です。冬の土用の農作業としては、畑の「寒起こし」があります。畑を粗起こししてやりますと、ある程度の深さまで空気が十分に入り込むようになり、越冬していた虫や卵が氷点下の気温にさらされ、死滅します。よって、この時期も農作業に勤しむことになります。

 こうして、冬にあっても土用には、土の湿気を浴びながら重労働を強いられ、食事の量が増えます。各土用ともに漢方の世界では「脾(ひ)」の季節です。
 脾は「消化吸収の要となり、水分代謝を調節する役割を担う働き」を指し、脾に密接な臓器は胃とされています。
 よって、「消化吸収・水分代謝」に気を付けねばならないことになります。
 まず、消化吸収ですが、重労働で大食しかねませんし、忙しいからと早食いになりがちです。これでは胃に負担が掛かり過ぎ、この時期、胃が高ぶっていて、胃を壊す原因になりますから、くれぐれもご注意を。
 ゆっくり、よく噛むしか方法はなさそうです。これで大食いも防げます。
 次に、水分代謝ですが、のどが渇いても水分補給は控えめにしたいです。水分補給し過ぎると、汗をほとんどかかない時期ですから、水が体内に溜まりがちとなり、脾に負担が掛かり過ぎます。冬に働く「腎」も水分代謝に関わる臓器ですが、土用の頃には、その機能も落ちてきてますから、水分補給は慎重にせざるを得ないのです。

 さて、冬の土用食ですが、各季の土用と同じとなります。
 ただし、重労働をすることが前提となります。
 注目すべき五味ですが、脾が欲しがるものは、甘味で、それに塩味を足し、辛みを添えれば満点です。この三味の組み合わせ<主:甘味、従:塩味、添:辛味>が肝腎です。
 甘味とは、砂糖を使った饅頭などを指すのではなく、よく噛んで甘味を感ずるものをいうと考えてください。ご飯がその代表的なものです。そして肉(魚を含む)です。
 例えば、夏の土用であれば、ウナギのかば焼き(甘味と塩味)に山椒(辛味)を添えます。秋の土用であれば、焼きサンマ(甘味と塩味)に大根おろし(辛味)を添えますし、焼きサバ(甘味と塩味)に生姜(辛味)を添えます。
 これと同様にすればよいのですが、重労働といっても、夏や秋に比べれば、どれほどのこともないですから、仕事が一区切りついたときに「甘酒」を飲むのがベストでしょう。
 酒粕(甘味)に少々の塩を加え、これで甘味が引き立ちます。そして、おろし生姜(辛味)をほんの少し加えます。これで、不思議と深みのあるうまさが出ます。
 これでは足りないとなれば、食事のときに甘味(よく噛んで甘味を感ずるもの、つまり、ご飯)をお代わりしていただき、塩味と辛味のあるものをおかずにされるとよいでしょう。例えば、辛子明太子です。
 この三味の組み合わせ<主:甘味、従:塩味、添:辛味>は、何も土用に限らず料理の基本になりますから、知っておいてください。
 残りの2味は、酸味と苦味です。
 各土用とも酸味を避けたいです。苦味はほどほどであれば問題ないです。

 あと半月もすれば、立春です。一番寒い土用の時期ですが、日は長くなり、お日様にあたればずいぶんと暖かさを感じるようになります。日中は、免疫力を高めるためにも外へ出て直射日光を浴びたいものです。風邪予防にはビタミンDが一番ですからね。
 そして、体を温めることも免疫力アップになりますから、軽く体を動かしたり、また、甘酒でも飲んで、極寒期の体調を整えてください。
 まだまだ騒がれている新型コロナですが、これは3年前に「コロナの話はもう止めにしましょう、年寄りがちゃんとした死生観を持てばいいだけのことです」で記事にしましたが、体調を整える方策をとっておれば、何も心配はいりません。加えて、変異株オミクロンは2年前に「
おみくじを引いたら大吉と出たオミクロン株」で記事にしましたとおり、単なる風邪である旧型コロナにぐーんと近づきましたからね。さらには、一昨年末に「脱コロナ!マスクなしで迎春を!週刊新潮もそのように舵を切った」で記事にしましたとおり、もう普通の風邪と言っていいほどに弱毒化しました。どんどん変異するコロナウイルスですから、ワクチンも効きませんしね。

 もっとも、コロナにしろインフルにしろウイルスは世界中どこもかも人が集まる所には浮遊しており、息を吸えば(マスクは効果なし)必ずと言っていいほどウイルスを吸い込みます。これに感染しても発症せず、でいきたいものです。
 喉など水際でウイルスをせん滅すれば、感染しても発症せず、となります。
 そのためには、食品としては、淡色野菜、白物野菜に水際での免疫力をアップさせる大きな働きがありますから、白菜、大根、カブ、白ネギはこの時期に大いに食していただきたいものです。これらを積極的に食事に取り入れて、感染症を吹っ飛ばしましょう。
 そして、日向ぼっこして、お日様に当たることでです。お日様の力で作られるビタミンDが、水際での免疫力アップにとても効果的ですからね。 

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五行配当表
(下図) 各ブロックの端に味が表記されています。
    
 「水」・「冬」のブロックの左端が味の「鹹」ですが、塩のことです。


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1 コメント

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土用がよくわかりました (滋賀県大津・中川保険)
2012-01-18 17:58:23
基礎年金一年生の現役保険行商人です。
冬土用のご説明は、ご主人がはなまるです。
甘酒よりワインが好きなのですが…
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