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新型コロナウイルスの基礎知識&応用解析

2020年04月13日 | 風邪・インフルエンザ・コロナ

新型コロナウイルスの基礎知識&応用解析
(2020年4月13日投稿、12月13日追記挿入)

 新型コロナウイルス(正式名称:SARSコロナウイルス-2 略称:SARS-CoV-2)、これに起因して発症する急性呼吸器疾患(COVID-19)が、世界的流行(パンデミック)であるとみなせる、と3月11日にWHOテドロス事務局長が表明した。
 ここのところ新型コロナウイルスが全世界で急拡大し、感染者数が4月13日現在で184万超となった。日本においても感染は急拡大し、7000人を超えた。

 といった非常に緊迫した情勢として我々に伝わってくる新型コロナであるが、こうした騒ぎは今回だけのことではなく、過去に何度もあり、近い例では2009年の新型インフルエンザ騒動がある。ウイルスに限って言えば、近代史上一番有名なのは1918~20年のスペインかぜであり、それより死者数はうんと少なくなるが、香港かぜであったりソ連かぜであったりする。ここに挙げた例は皆、インフルエンザウイルスが原因しており、流行性感冒と言われた。
 今回の新型コロナはインフルとは全く別種のウイルスではあるが、単なる感冒あるいは普通感冒と呼ばれる、いわゆる「かぜ」の2割程度は、コロナウイルス4種類が原因しており、新種としては2003年のSARS(サーズ)、2012年のMERS(マーズ)につぐ3番目の新種である。
 新型コロナがこの先どの程度拡大するかは未知数だが、感染性がインフル並み(いやそれ以上)に強いであろうと言われていることからして、新旧コロナ・インフル全部を流行性感冒と呼んでいいのではなかろうか。単なる感冒だって、冬場には流行(はや)るときは流行るのであり、流行するのであるからして。よって、新型コロナは流行性感冒の一種「武漢かぜ」だ、でいいのではなかろうか。

 まず、ウイルスもいろいろあれど、コロナウイルスってなんなのか、その基本をごく簡単に説明しよう。ウイルスはものすごい種類があるが、7群に分けられる。これは脊椎動物が魚類から哺乳類まで6種類あるのと同じようなものと捉えればよかろう。で、コロナウイルスは第4群に属し、そのなかのニドウイルス目コロナウイルス科に分類され、その種類はこれまたものすごく多い。インフルエンザウイルスはというと、こちらは第5群目未帰属オルトミクソウイルス科に分類されるウイルスで、あまり種類は多くない。脊椎動物に例えるなら、爬虫類のワニ目、哺乳類のネコ科、といった違いと捉えていいだろう。
 よって、コロナであれインフルであれ、メチャどう猛なウイルスがいたり、おとなしいウイルスであったりする。ただし、脊椎動物と違って、同じ種のウイルスであっても刻々と姿を変える(変異する)ことが多く、おとなしいウイルスが突如凶暴になることがあるし、その逆もある。2009年の新型インフルは、その初期には普通のウイルスが突如凶暴になったのではないかと恐れられたが、感染が世界中に感染するようになったときに、極めておとなしいウイルスであることがわかり、対策は空振りに終わっている。

 次に感染力の強さ比較であるが、インフルはめっぽう強い。日本では大づかみではあるが毎年1千万人(発症し医師の診察を受けた者)が罹患し、1万人が死ぬと言われる。
 旧型コロナ(いわゆるかぜ)は感染力がインフルより弱いと言われるが、病原性が弱いから罹患しても日常生活にさほど支障はないし、死ぬことはまれであるから、軽く思われていて詳しい研究はなされていないようであって、感染力はインフルとどっこいどっこいかもしれぬ。

 さて、ここで「罹患」「感染」「発症」について、用語の用い方を明確にしておこう。
 「罹患」とは、病気に罹(かか)ることで、発症と同義。「感染」とは、ウイルスの体内侵入ということにしておく。“感染すれど発症せず”ということがあるからだ。いい例がインフルであり、日本では毎年1千万人が罹患(発症し医師の診察を受けた)するが、感染は6、7割つまり7、8千万人はあろうと思われるのである。

 近代史上最大の流行性感冒であったスペインかぜの感染力は毎年のインフルより強かったのではないかと予想される。9割の日本人が感染した、と類推されるデータがある。スペインかぜは、日本では次のとおり3年間にわたって冬場に流行したのである。
  1918-19年 患者 2116万人余 
  1919-20年 患者  241万人余
  1920-21年 患者   22万人余
 患者数は1年ごとに1桁少なくなっている。これはどういうことかというと、初年度に9割の日本人がウイルスに感染し、免疫力を獲得して次年度以降は感染すれど発症せずにすんだ、ということになりはしないか。
 なお、当時の人口(1920年国勢調査)は5596万人余であり、小生の推測からすると、初年度に“感染すれど発症せず”の人は2920万人にのぼり、全感染者の6割が発症しなかった(昔のことだから、単なるかぜとして医者に掛からなかった人を含む)ということになる。(計算式)5596×0.9=5036  5036-2116=2920  2920÷5036=0.58
 ついでながら、今回の新型コロナにしたって、“直ぐには医者に来るな。熱が出たって4日間様子を見よ。”と言われているから、その間に自分が持ち備えた免疫力で自然治癒した人も多かろう。感染経路がたどれないという感染者は、こうした人との濃密接触で感染した可能性が高いと思われる。

 もう一つ、別の面で、スペインかぜは大きな特徴を持っている。世界人口の3分の1が罹患したとも言われる大きな感染力があったのだが、不思議なことにインフルに弱いはずの高齢者がどれだけも死ななかったのである。
 一般論として、“年を食うとかぜを引かなくなる”と言われるが、入れ替わり立ち代わり毎年襲ってくる各種ウイルスにさらされ続けていれば、“このウイルスは50年前とほぼ一緒だ、あのウイルスは70年前のとほぼ一緒だ”といったことになり、そのときに感染したウイルスに対する抗体を持ち備えていて、多少の違いがあってもその抗体でなんとかウイルスをやっつけられるのであろう。
 スペインかぜに関するこのことについては、一説にはその30年前に流行った「ロシアかぜ」でそうした免疫を持っていたという話があるが、もしそれだとすると30歳以上65歳未満の人の説明が付かない。ここのところは、その60数年前に流行ったインフルとの類似性があった、というしかない。
 ついでながら、2009年の新型インフルも高齢者の罹患率は極めて小さかった。

 さて、今般の新型コロナ。スペインかぜと同様な類似性(高齢者罹患率)はあるのかないのか、4月10時点ではまだ標本数が少ないし、濃密接触度合いの年齢差の影響もあるから、明確なことは言えないが、70歳以上(60代半ば以上)の陽性者数に、どれだけかの特徴がある。それを下に示そう。(8か月後の12月9日時点でのデータを追記挿入)

年齢階級  陽性者数 人口(万人) 百万人当たり 最新(2020.12.9) 
     (
4.10時点)(2020.3.1現在) 陽性者数  同左陽性者数
10歳未満   72    979   7.4     369   
10代    137   1113  12.3     805
20代    986   1264  78.0    3098
30代    945   1416  66.7    1785
40代    988   1840  53.7    1237
50代    981   1638  59.9    1266
60代    699   1592  43.9     808
70代    556   1613  34.5     685
80代    297    904  32.9     901
90歳以    75    239  31.4   (80代に含む)

 いかがであろうか。4月10時点では70歳以上の陽性者率が各階級とも類似しており、新型コロナに半分くらいの人が免疫を持っていそうな感じがしないでもないのである。
(勝手な推論)もし60数年前に流行った旧型コロナが今回の新型コロナとほぼ一緒だとすると、その年以前に生まれた者の何割かは免疫力を持っていることになる。上表のうち60代の「43.9人」は、63歳までは50代と同様な率「59.9人」そして64歳以上は70代と同様な率「34.5人」であったとすれば、この推論は正しいこととなる。なぜならば、70代以上の3階級は皆、30人台であるし、50代までは数十人台と、ここで大きな段差が付いているから。
(2020.12.13追記 最新データを比較して追記したところ、濃密接触度合いの年齢差の影響による度合いが大きいように思われ、この推論は破綻した感がする。)

 ところで、20歳未満の2階級の陽性者率が極めて低い。これは前々から分っていたことなんだが、こんなことは前代未聞。
 インフルがそうだが、旧型コロナ(感冒)にしたって、例外なく子どもが一番罹りやすい。それなのに新型コロナは子どもを避けて通る。免疫力が弱いはずの子どもがめったに罹らないという、この不思議。
 ひとつ考えられるのは、小児ワクチン(各種のうちいずれか、あるいは複合して)が新型コロナにたまたまワクチン効果を発揮している、それも20年近く前から使われ始めたものが効いている、ということになりはしないか。
(勝手な推論)もし20年近く前から使われている小児ワクチンが効果を発揮しているとなれば、上表の10代の「12.3人は」、18歳までは10歳未満と同様な率「7.4人」そして19歳のみが20代と同様な率「78.0人」であったとすれば、この推論は正しいことになる。
(2020.12.13追記 最新データを比較して追記したところ、顕著な差はだいぶ縮んだ。ワクチン効果の推論は信ぴょう性が弱まった。)

 以上、とりとめないことを綴りましたが、素人の小生が、無い知恵を絞って、様々な資料から情報整理してみたところです。少しは皆様の参考になれば幸いです。

(4月15日追記)
 高齢者の陽性者率の低さは昔々のコロナかぜによる免疫力、子どもの陽性者率の低さは近年使われ始めた小児ワクチンによる偶然の免疫力と仮定すると、年齢階級別の陽性者率にはっきりとした段差が付くはずである。
 上表の10歳刻みを1歳刻みにして、勝手に推論すると、0~18歳、19~63歳、64歳以上の3グループに分別される。
 厚労省の詳細データが分からないが、もし分かればそれと突合したいものである。
 なお、推論計算は、2日前の記事に小文字で追記挿入した。
(12月13日追記)
 最新データを追記、挿入したのだが、2つの推論が怪しいものとなってしまい、申し訳ない。

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2 コメント

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ウイルスは進化の産物か。 (barso)
2020-04-14 07:56:26
さすがに専門家ならではの分析です。
「年を食うとかぜを引かなくなる」というのは知らなかったです。
そうなら病気は一応全部に多少は罹っておいたほうが良さそうです。

ウイルスも生物のように科目で分類されるということは、
変化もしくは分化していて、そのスピードが早いのですか。
その種類の違いは、イヌやネコの種類が多いのと似た小さな違いですか。
しかし進化しているのではないのでしょう。
もっと良いものになるか、別のものに変わっているはずですから。
いや、生物にとって嫌われ者であっても、悪漢に進化するのでしょうかね。
いや、悪漢ではなく、劣悪な弱者を排除する掃除屋なのでしょうか。

4月11日のデータから致死率を計算しました。
仏   感染者90676 死亡13197・・ 致死率 14 %
英国  感染者73758 死亡8958・・・致死率 12 %
イタリア  感染者4911358 死亡18849・・ 致死率 12 %
スペイン  感染者147577 死亡18849・・ 致死率 10 %
ドイツ  感染者120157 死亡2688・・・致死率  2 %
韓国  感染者10480 死亡211・・・ 致死率  2 %
日本  感染者6005 死亡94・・・・致死率  1 %
米国  感染者4911358 死亡18586・・ 致死率  0.4 %
https://www.nippon.com/ja/japan-data/h00673/

 致死率は、仏英伊西が1位2位3位で10%以上、韓国と日本が1%台、アメリカが一桁少ない0.1%台です。
 死者数はイタリア、米国、スペイン、フランス英国の上位5カ国だけで7万5324人に上り、世界全体の73%を占めるそうです。発展途上国より先進国が多いのはどうしてでしょう。単にデータが出やすいということですかね。
 米国の死者数が2万人を超え、国別で世界最多だと言われますが、人口も多いので当たり前のような気もします。致死率は先進国で最低です。
 日本は全員にPCR検査をしておらず、中国人が観光で一番多く日本に来ていて、しかも日本政府の自粛要請は遅かったのですが、この数字を見る限りでは、いまのところ欧州の先進国より一桁以上いいようです。
 ということはBCGなど何らかのワクチン接種により抗体があるのでしょうか。

 しかし確かに陽性者が10代と10歳未満は極端に少ないのは注目すべき現象です。育ち盛りであるのが原因なら、20代が78%と陽性者最高なのは合点がいきません。子供は学校に行っているが、20歳を過ぎると社会の荒波にさらされているからでしょうか。また30代から90歳以上まで徐々にパーセンテージが下がっているのも面白い点です。

 この病気は今年で終了ではなく、また来年になったらぶり返しますかね。そうならオリンピックは中止になりそうですが。
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RE:ウイルスは進化の産物か。 (薬屋のおやじ)
2020-04-14 11:35:29
バーソ様、コメント有り難うございます。
貴兄にケツを叩かれて記事にしてしまいました。
ウイルスの発生の歴史は古く、たぶん単細胞生物の発生と時を同じくして生じたと思われます。
ですから、系統樹を作ると、全生物の系統樹と違わないものになるのでしょう、きっと。
ウイルスの系統樹は大きく2つに分かれます。2本鎖のDNAタイプト1本鎖のRNAタイプ。なんだか植物と動物の違いみたいで面白いです。より進化したのがRNAタイプのように思われます。コロナもインフルもRNAタイプです。増殖するのに都合がいい形です。
ウイルスの変異の様相は2種類あります。長年かけて動植物が進化する形態のものと時々刻々変化する形態です。問題は後者。
新型コロナも既に変異形が現われています。中国政府発表では2タイプ。その後の独英の研究チームが3タイプあるのを発見。RNAに乗っかっている塩基配列のたった1個(中国政府発表がそう)の違いで2タイプに分かれることが判明しました。
これは、いわゆる突然変異です。ヒトの体内に入って、ヒトがこのウイルスを殺そうと酸素系・塩素系のラジカルで攻撃するものですから、そのときに塩基の一つが他のアミノ酸に置き換わってしまったものの、しぶとく生き残り、増殖した、といったところでしょう。
たった1個の塩基の違いで、毒性が大きく変わったり、感染力が大きく変わったりもするのですから、厄介です。
ところで、ウイルスは寄生した相手(生物)を決して殺そうとしているのではないと考えられます。殺してしまっては安住できませんからね。“仲よくしようよ”といったところです。よって、共生関係にあるウイルスも多いと思われます。なかにはウイルスとの共生なくして生物は生存できず、といった側面もあるようです。
しかし、宿主は殺しにかかるのが普通で、大戦争になります。もし、宿主が素直に受け入れてやれば、戦争せずに済むのですがね。多少は栄養の横取りをされるでしょうが、宿主が腹八分で我慢すればいいのです。

致死率のデータ提供有り難うございます。でも、米国の感染者数は1桁間違っており、致死率は4%になります。
各国で致死率が違うのは、分母のとり方が異なることに大きき起因しているからと考えられます。そして、先に言いました変異形3タイプでの違いがどの程度影響しているか、ということになりましょう。
いずれにしても、隠れ感染者(自宅療養で風邪かな?で済んでしまった人や免疫力が強くて感染に気付かなかった人)がかなり多いのは事実でしょう。
致死率が高いということは、感染爆発してしまい、軽症や無症状の陽性者をこまめに探している暇なんぞ全くなく、重症者の手当てで猫の手も借りたいという状態に陥っているということです。
日本はまだ感染爆発しておらず、陽性者探しに全精力をつぎ込んでいるだけのこと。

「20代の百万人当たりの陽性者数が78.0人」と一番多い理由にいついてですが、統計学的には標本抽出が恣意的であることと標本数が小さいことから、正しく比較するには適さないです。社会通念上では20代が他の年代に比べて「3密」の度合いが一番高いから、ということになりましょう。なお、20代の突出は日本より韓国のほうが顕著です。

年代別の陽性者数の解析としては、仮説として「60数年前に流行った風邪の抗体が今でも保持されており、高齢者はその抗体でもって新型コロナウイルスを簡単にやっつけてしまうから感染しても陽性反応は出ない」というものです。
そう仮定すると、60代前半の陽性者数は50数人、後半は30数人(平均して43.9人)となり、60代後半以降の年代はどの年代も30数人となる、というものです。でも、この仮説も標本が悪い(恣意的であり、また「3密」の程度の差が反映されていない)ですから、根拠薄弱となってしまいますが。

さーて、肝腎なことは「いつ終わるか」ですが、感染力が強いと仮定するとスペインかぜと同じように3年間にわたって3波猛威をふるうということになり、今のように「3密」政策を続けると感染の進行をグーンと遅らせますから、もっと長引くのは必至です。
よって、オリンピックは無理でしょうね。もっとも、感染拡大阻止政策をあきらめて「なるがままに任せる」とすれば開催できるのですがね。そう希望します。今の政策は悪足掻きに過ぎないでしょうから。
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