薬屋のおやじのボヤキ

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24節気の健康と食養:秋分から寒露まで

2023年09月22日 | 24節気の健康と食養

24節気の健康と食養:秋分から寒露まで

24節気を約5日ずつ3区分した「七十二候」というものがあり、気象の動きや動植物の変化を知らせています。「略本暦」に掲載された七十二候で、本節気は次のとおり。
 秋分 初候 雷乃収声(かみなり すなわち こえを おさむ)
            雷が鳴り響かなくなる
    次候 蟄虫坏戸(むし かくれて とを ふさぐ)
            虫が土中に掘った穴をふさぐ
    末候 水始涸 (みず はじめて かる)
            田畑の水を干し始める

 白露の次にやってくる24節気が秋分で、毎年9月23日頃(2023年は9月23日)。これより夜が昼より長くなるのですから、秋も本番となります。そして、「暑さ寒さも彼岸まで」と言います。(秋の彼岸:秋分の日を中日(ちゅうにち、おちゅうにち)といい、その前後3日間、計7日を言います。)
 過ごしやすい季節の到来です。
でも、朝晩は肌寒く感じ、風邪を引きやすくなってきますから、用心なさってください。 

 さて、前回(白露)で申しましたが、朝晩の涼しさを感ずると同時に、体のけだるさを感ずるようになることがあります。これが本来の「夏バテ」ですが、最近は「秋バテ」と呼ばれることが多くなりました。その対処の仕方は「夏バテ? 秋バテ?(三宅薬品・生涯現役新聞N0.331)」で解説しましたが、ミネラル不足が原因であることも多いです。
 ミネラルの補給には、まずもって緑黄色野菜や小魚を丸ごといただくということが重要です。前回紹介しました秋刀魚(サンマ)が旬の真っ只中となり、新鮮なものならミネラルたっぷりのはらわたも美味しく食べられます。しかし、サンマはここ何年か不漁続きで、特に今年はチョウ不漁でなんともなりませんが。
 サンマのほかに、秋はイワシが旬になっています。脂の乗ったイワシの丸干しを焼いて、脂を切って、丸ごと全部食べるのがベストです。ミネラル補給にとてもいいです。なお、青背の魚の脂(オメガ3)が体にいいからといって、残さず脂を全部摂るのは考えものです。油脂の摂取はバランスが重要で、高レベルでバランスを取るのではなく、低レベル(少ない摂取量)でバランスを取りたいものです。
 野菜を多く摂ってミネラル不足を解消するのが一番ですが、市場に出回る野菜は昔に比べてミネラルが随分と減っていますから、不十分になりがちです。夏バテ(秋バテ)した方は総合ミネラル剤で不足分を充足させる必要がありましょう。

 夏バテ(秋バテ)が解消すると、本格的な涼しさの訪れとともに食欲が出てきます。食欲の秋の到来です。馬肥ゆる秋です。
 四季がある地域に住む動物は、冬の食糧不足と寒さ対策のために、この時期に限って飽食します。ヒトも同じ動物ですから、秋に飽食したくなる体質になっており、大いに食欲の秋を満喫していいのではないでしょうか。
 ただし、冬になったら、そして夏も、腹八分かそれ以下にすべきですが。
 参考までに、飽食して太ったら、その後はダイエットして、一時的に痩せると健康にとてもいいです。それはどうしてか。「
冬ヤセ、夏ヤセで毒だし!おすすめします1日断食の繰り返し」をご覧ください。

 これからの気象は、秋雨前線が終わり、カラッとした大陸の空気が入り込むことが恒常化し、空気は乾いてきます。秋の臓器は肺で、肺は乾燥を嫌います。肺に潤いを与えてあげねばなりません。それには、食が大いに関係します。もっとも重要なのが「辛味」で、これが肺を潤してくれます。詳しくは、「立秋は秋の入り、五味を上手に秋食に取り入れましょう。まずは辛味が重要です。」をご覧ください。
 この時期、露地物のピーマンやシシトウの収穫がピークとなり、ピリッと辛いピーマンやシシトウが求められるのですが、すっかり品種改良されてしまい、これら皆、辛くないものばかりになりましたから、残念です。食卓に乗った料理には、唐辛子なり胡椒を気持ち多めに振りたいものです。また、これから旬となるショウガが採れはじめます。
 そして、秋はカレーライスの季節です。この時期、辛いカレーライスがますますおいしく感じられます。でも、過ぎたるは及ばざるが如しでして、激辛は度が過ぎて、逆に肺を痛めつけることになりますから、ほどほどになさってください。

 果物では、梨が終りかけ、ブドウはマスカット系が旬となり、イチジクが今しばらく続いています。食味は梨が寒性で食べ過ぎると体を冷やしますが、ブドウとイチジクは平性で、さほど体を冷やすものではないです。食欲の秋ですから、食後に何かこうした旬の果物を少々いただきたいものです。
 これからの時期、体を冷やす(寒性の食べ物)ことで有名なのが「秋ナス」です
。“秋ナスは嫁に食わすな”ということわざがあります。2説ありますが、ここは、姑が秋ナスの調理を嫁に任せて諭した言葉、“もうじき、お腹に子が宿るじゃろうよ。秋ナスは体を冷やしてしまうから、子にさわる。食べるのは遠慮しときなされ。”ということにしておきましょう。
 詳しくは、秋ナスと秋サバは嫁に食わすな!をご覧ください。

 次回は、「寒露」(10月8日頃)からの健康と食養です。


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