聖書通読日記 2

2001年ペンテコステに受洗、プロテスタントのキリスト者

エステル記6章 モルデカイ、王から栄誉を受ける その2

2008年05月31日 | 旧約聖書日記
つづき

旧約聖書略解 日本基督教団出版局 を、まとめて
『モルデカイとハマンの運命が逆転する本書の分岐点。
4~6節モルデカイの処刑を上申しようとハマンが庭に入ってきたので、王は(モルデカイに)栄誉を与える方法をハマンに諮問した。
かつてハマンがユダヤの民族名を伏せて絶滅計画を推進したように、王も栄誉を与えたい者の名を明かさない。
10節で、王はハマンが提案した報償をはっきりと「ユダヤ人モルデカイ」に与えると宣言する。
これから絶滅しようとしているユダヤ人の一人に、最高の栄誉を与える矛盾を著者は気に留めない。
隠れた神の歴史支配を読み取ることを読者に促しているのだろうか。』


旧約聖書注解Ⅰ 日本基督教団出版局 を、まとめて
『この王が眠れない夜がモルデカイとハマンの運命が逆転する分岐点である。
これまでモルデカイとその民族にとって不利に、ハマンにとって有利に流れていた時が、この夜を境にしてハマンとその家族にとって不利に、モルデカイにとって有利に流れはじめる。

ここでハマンが、モルデカイの処刑の提案をもって王の前に来たこと、そのハマンに対して王が、モルデカイの名をあげずに、手柄のある者にいかに報いればよいのか尋ねたことを述べる。
ハマンはその王の言葉が自分のためだと思い込んでいる。
しかし、それはモルデカイのためだった。
ここに運命の逆転の第一弾がある。

ハマンの提案どおりモルデカイは報われ、栄誉を受ける。
しかも、それがハマンによって実行される。
ここに運命の逆転の第一歩がある。』


新聖書講解シリーズ 旧約9 エズラ記・ネヘミヤ記・エステル記 いのちのことば社 へ、つづく

エステル記6章 モルデカイ、王から栄誉を受ける その1

2008年05月18日 | 旧約聖書日記
『◆モルデカイ、王から栄誉を受ける

6:1 その夜、王は眠れないので、宮廷日誌を持って来させ、読み上げさせた。

6:2 そこには、王の私室の番人である二人の宦官、ビグタンとテレシュが王を倒そうと謀り、これをモルデカイが知らせたという記録があった。

6:3 そこで王は言った。「このために、どのような栄誉と称賛をモルデカイは受けたのか。」そばに仕える侍従たちは答えた。「何も受けませんでした。」

6:4 王は言った。「庭に誰がいるのか。」ハマンが王宮の外庭に来ていた。準備した柱にモルデカイをつるすことを、王に進言するためである。

6:5 侍従たちが、「ハマンが庭に来ています」と言うと、王は、「ここへ通せ」と言った。

6:6 ハマンが進み出ると、王は、「王が栄誉を与えることを望む者には、何をすればよいのだろうか」と尋ねた。ハマンは、王が栄誉を与えることを望む者は自分以外にあるまいと心に思ったので、

6:7 王にこう言った。「王が栄誉を与えることをお望みでしたら、

6:8 王のお召しになる服を持って来させ、お乗りになる馬、頭に王冠を着けた馬を引いて来させるとよいでしょう。

6:9 それを貴族で、王の高官である者にゆだね、栄誉を与えることをお望みになる人にその服を着けさせ、都の広場でその人を馬に乗せ、その前で、『王が栄誉を与えることを望む者には、このようなことがなされる』と、触れさせられてはいかがでしょうか。」

6:10 王はそこでハマンに言った。「それでは早速、わたしの着物と馬を取り、王宮の門に座っているユダヤ人モルデカイに、お前が今言ったとおりにしなさい。お前が今言ったことは何一つおろそかにしてはならない。」

6:11 ハマンは王の服と馬を受け取り、その服をモルデカイに着せ、都の広場で彼を王の馬に乗せ、その前で、「王が栄誉を与えることを望む者には、このようなことがなされる」と、触れ回った。

6:12 モルデカイは王宮の門に戻ったが、ハマンは悲しく頭を覆いながら家路を急いだ。

6:13 彼は一部始終を妻ゼレシュと親しい友達とに話した。そのうちの知恵ある者もゼレシュも彼に言った。「モルデカイはユダヤ人の血筋の者で、その前で落ち目になりだしたら、あなたにはもう勝ち目はなく、あなたはその前でただ落ちぶれるだけです。」

6:14 彼らがこう言っているところへ、王の宦官たちがやって来て、エステルの催す酒宴に出るよう、ハマンをせきたてた。

6:1 That same night the king could not get to sleep, so he had the official records of the empire brought and read to him.

6:2 The part they read included the account of how Mordecai had uncovered a plot to assassinate the king-the plot made by Bigthana and Teresh, the two palace eunuchs who had guarded the king's rooms.

6:3 The king asked, "How have we honored and rewarded Mordecai for this?" /His servants answered, "Nothing has been done for him."

6:4 "Are any of my officials in the palace?" the king asked. /Now Haman had just entered the courtyard; he had come to ask the king to have Mordecai hanged on the gallows that was now ready.

6:5 So the servants answered, "Haman is here, waiting to see you." /"Show him in," said the king.

6:6 So Haman came in, and the king said to him, "There is someone I wish very much to honor. What should I do for this man?" /Haman thought to himself, "Now who could the king want to honor so much? Me, of course."

6:7 -8 So he answered the king, "Have royal robes brought for this man-robes that you yourself wear. Have a royal ornament put on your own horse.

6:8

6:9 Then have one of your highest noblemen dress the man in these robes and lead him, mounted on the horse, through the city square. Have the nobleman announce as they go: "See how the king rewards someone he wishes to honor!"'

6:10 Then the king said to Haman, "Hurry and get the robes and the horse, and provide these honors for Mordecai the Jew. Do everything for him that you have suggested. You will find him sitting at the entrance of the palace."

6:11 So Haman got the robes and the horse, and he put the robes on Mordecai. Mordecai got on the horse, and Haman led him through the city square, announcing to the people as they went: "See how the king rewards a man he wishes to honor!"

6:12 Mordecai then went back to the palace entrance while Haman hurried home, covering his face in embarrassment.

6:13 He told his wife and all his friends everything that had happened to him. Then she and those wise friends of his told him, "You are beginning to lose power to Mordecai. He is a Jew, and you cannot overcome him. He will certainly defeat you."

6:14 While they were still talking, the palace eunuchs arrived in a hurry to take Haman to Esther's banquet.』
(日本聖書協会 聖書 和英対照 和文・新共同訳 英文・TEV エステル記6章より)



旧約聖書略解などへ、つづく

マルコ福音書6章 湖の上を歩く その2

2008年05月17日 | 新約聖書日記
つづき

新約聖書略解 日本基督教団出版局 を、まとめて
『「夜が明けるころ」は、原文は「第四夜警時頃」、つまりローマ軍の夜警時間の四番目、午前三時から六時である。
イエスは予め、弟子たちが逆風で「漕ぎ悩む」のを見る。
悩むは元来「試金石で擦る」を意味し、拷問をも表す。

夜が白みかける頃、イエスは湖の上を歩きながら彼らの方に来るが、イエスは彼ら(の側)を通り過ぎようとした。
「歩く」は「行ったり来たりする、歩き回る」で、七十人訳ヨブ9.8で「天を張り、・・・海の上を陸の上のように歩く」方としての神描写の中にも出る。
イエスの姿も神としての顕現である。

弟子たちの恐怖と驚きが二重に強調される。
まず、「弟子たち」、実際は「彼を見た者たち」は、「幽霊だと思い、大声で叫んだ。・・・」
イエスと分かり、風が止んだ後も彼らは驚愕していた。今度はイエスに対する桁外れな驚きである。
ここにマルコは自らの手で、直訳では、「(彼らは)パン(のこと)に基づいて理解しなかった、(しかし)彼らの心は固くされていたからである」と記す。
彼らがパンの奇跡を理解していれば、また心が硬化されていなければ、水上を歩くイエスを見ても、驚かなかった。
つまり、パンの奇跡がイエスを理解する鍵として理解されている。』

新共同訳 新約聖書注解Ⅰ 日本基督教団出版局 を、まとめて
『イエスの湖上歩行はヨハネ福音書においても五千人の給食の直後に置かれている。
したがってこの二つの物語はすでにマルコ以前から一緒に伝えられ、マルコの記事もヨハネのそれもその共通の伝承に由来するものと思われる。
しかし、二つの物語は最初は別々に伝えられていたようである。

この物語では湖上を歩くというモティーフと逆風から弟子たちを救出するというモティーフが結合している。
「逆風のために弟子たちが漕ぎ悩んでいる」のを見て助けに来たイエスが彼らの「そばを通り過ぎようとされた」のはやや不自然であるように思われる。
マタイはこの句を取り除いている。
「風は静まった」という51節の短い言葉を除くと、この物語は湖上歩行だけの物語になる。
逆風のモティーフはマルコ以前の段階で付加されたのではなかろうか。
イエスが弟子たちの「そばを通り過ぎようとされた」という句は本来の湖上歩行の物語に属し、そこでは旧約聖書の神顕現になぞらえて、イエスを神的存在として示す役割を果たしていたと考えられる。

旧約聖書でヤハウェは嵐や海の支配者として描かれている。神的な力を持つ人間が水上を歩くというモティーフはヘレニズム世界にもあるが、旧約聖書ではヤハウェ自身について「海の高波を踏み砕かれる」といわれている。
「わたしだ」(エゴー・エイミ)も旧約聖書以来、新約聖書時代のユダヤ教において、神顕現の定式的言辞となっていた。
こうしてこの物語はイエスが神的・超自然的存在であることを証言する。』

新聖書講解シリーズ マルコの福音書 いのちのことば社 を、まとめて
『マルコはここでも、弟子たちの訓練を扱っている。
群集を解散させると、イエスは祈るために山のほうへ向かわれた。祈りは神との交わり、神のみこころを知り、神の力を体得するひとときである。
イエスは、夜どんなに遅くても、朝どんなに早くても、またどんなに疲れていても、まず祈られた。
私たちも毎日の生活の中でまず祈りの時を持ち、神との交わりの時を過ごそう。
祈りによって、神のみこころを正しく知り、神の力によってすべての問題に対処することができるためである。

次に、弟子たちの苦しんでいる姿に注目してみよう。
弟子たちはイエスが湖の上を歩いて来られるのを見て、幽霊だと思い、叫び声をあげた。
自分の経験以上の出来事に遭遇するとおびえてしまい、疲れていると自分を見失い、不安な目にあうとあわてふためくのである。
人間とはいかに弱く、現実に対処できない存在であろうか。

弟子たちはイエスの存在と力に対して、不信仰で鈍感であったと記している。イエスを正しく理解し、常に信頼していることができなかったのだ。
私たちも、聖書を読み、キリストを信じていると告白していながら、困難にあうとすぐあわてふためいてしまう。
いざというとき、不信仰になってイエスを悲しませることのないように自らを引き締めていきたいものである。』


お祈りしますm(_ _)m
恵み深い天の父なる神さま
神であるイエスさまに信頼できますように。
どんな状況のときでも、祈りにおいて神さまと交わり、信じつづけることができますように。
お導きください。
主イエス・キリストの御名によって、お祈りします。
アーメン