聖書通読日記 2

2001年ペンテコステに受洗、プロテスタントのキリスト者

エステル記 5章 エステル、王とハマンを招待する その1

2008年01月19日 | 旧約聖書日記
◆エステル、王とハマンを招待する

5:1 それから三日目のことである。エステルは王妃の衣装を着け、王宮の内庭に入り、王宮に向かって立った。王は王宮の中で王宮の入り口に向かって王座に座っていた。

5:2 王は庭に立っている王妃エステルを見て、満悦の面持ちで、手にした金の笏を差し伸べた。エステルは近づいてその笏の先に触れた。

5:3 王は言った。「王妃エステル、どうしたのか。願いとあれば国の半分なりとも与えよう。」

5:4 エステルは答えた。「もし王のお心に適いますなら、今日私は酒宴を準備いたしますから、ハマンと一緒にお出ましください。」

5:5 王は、「早速ハマンを来させなさい。エステルの望みどおりにしよう」と言い、王とハマンはエステルが準備した酒宴に赴いた。

5:6 王はぶどう酒を飲みながらエステルに言った。「何か望みがあるならかなえてあげる。願いとあれば国の半分なりとも与えよう。」

5:7 「私の望み、私の願いはと申しますと」とエステルは言った。

5:8 「もし王のお心に適いますなら、もし特別な御配慮をいただき、私の望みをかなえ、願いをお聞き入れくださるのでございましたら、私は酒宴を準備いたしますから、どうぞハマンと一緒にお出ましください。明日、仰せのとおり私の願いを申し上げます。」

5:9 この日、ハマンはうきうきと上機嫌で引き下がった。しかし、王宮の門にはモルデカイがいて、立ちもせず動こうともしなかった。ハマンはこれを見て、怒りが込み上げてくるのを覚えた。

5:10 だが、ハマンは自制して家に帰った。彼は使いを送って親しい友達を招き、妻のゼレシュも同席させた。

5:11 彼は、自分のすばらしい財産と大勢の息子について、また王から賜った栄誉、他の大臣や家臣にまさる自分の栄進についても余すことなく語り聞かせた。

5:12 ハマンは更に言った。「その上、王妃エステルは御自分で酒宴を準備され、王をもてなされたが、王のお供として誰をお望みになったかと言えば、このわたしだけだった。明日もまた王と御一緒することになっている。

5:13 だが、王宮の門に座っているユダヤ人モルデカイを見るたびに、そのすべてがわたしにはむなしいものとなる。」

5:14 妻のゼレシュは、ハマンの親しい友だちと口をそろえて言った。「五十アンマもある高い柱を立て、明朝、王にモルデカイをそれにつるすよう進言してはいかがですか。王と一緒に、きっと楽しく酒宴に行けます。」ハマンはこの言葉が気に入り、柱を立てさせた。

5:1 On the third day of her fast Esther put on her royal robes and went and stood in the inner courtyard of the palace, facing the throne room. The king was inside, seated on the royal throne, facing the entrance.

5:2 When the king saw Queen Esther standing outside, she won his favor, and he held out to her the gold scepter. She then came up and touched the tip of it.

5:3 "What is it, Queen Esther?" the king asked. "Tell me what you want, and you shall have it-even if it is half my empire."

5:4 Esther replied, "If it please Your Majesty, I would like you and Haman to be my guests tonight at a banquet I am preparing for you."

5:5 The king then ordered Haman to come quickly, so that they could be Esther's guests. So the king and Haman went to Esther's banquet.

5:6 Over the wine the king asked her, "Tell me what you want, and you shall have it. I will grant your request, even if you ask for half my empire."

5:7 Esther replied,

5:8 "If Your Majesty is kind enough to grant my request, I would like you and Haman to be my guests tomorrow at another banquet that I will prepare for you. At that time I will tell you what I want."

5:9 When Haman left the banquet he was happy and in a good mood. But then he saw Mordecai at the entrance of the palace, and when Mordecai did not rise or show any sign of respect as he passed, Haman was furious with him.

5:10 But he controlled himself and went on home. Then he invited his friends to his house and asked his wife Zeresh to join them.

5:11 He boasted to them about how rich he was, how many sons he had, how the king had promoted him to high office, and how much more important he was than any of the king's other officials.

5:12 "What is more," Haman went on, "Queen Esther gave a banquet for no one but the king and me, and we are invited back tomorrow.

5:13 But none of this means a thing to me as long as I see that Jew Mordecai sitting at the entrance of the palace."

5:14 So his wife and all his friends suggested, "Why don't you have a gallows built, seventy-five feet tall? Tomorrow morning you can ask the king to have Mordecai hanged on it, and then you can go to the banquet happy." /Haman thought this was a good idea, so he had the gallows built.


旧約聖書略解、新聖書講解シリーズへ、つづく


マルコ福音書 洗礼者ヨハネ、殺される その3

2008年01月14日 | 新約聖書日記
つづき


新聖書講解シリーズ マルコの福音書 いのちのことば社 を、まとめて。
『イエスに注がれる人々の関心はさらに高まった。
いったいイエスとは誰なのか。さまざまな憶測が生まれた。
ある者はヨハネのよみがえり、ある者はエリヤの再来、他の者はあの預言者であると主張した。
これらはすべて、当時のユダヤ人が待望していたメシヤのイメージに基づくものである。
イエスのうわさを聞いて動揺する者もいた。国主ヘロデである。
彼は以前パブテスマのヨハネを不当に殺害した男であり、そのことで良心の責めを感じていた。
そのためイエスのことを聞いてたまらなく不安になり、「あのヨハネが生き返ったのだ」と言った。
ヘロデは自分が殺したヨハネの影につきまとわれ、自分の罪におびえている。
罪を犯したものは常に不安の中をさまよい、罪悪感に悩むのだ。たとえ権力をほしいままにしている者であっても、人は罪の前にみじめな存在なのである。

次にマルコは、ヘロデの不安を説明する形でパブテスマのヨハネの投獄と処刑について語る。
ヘロデヤはヘロデ大王の孫娘であり、ヘロデの姪にあたる。したがってヘロデはヘロデヤと結婚できない近親であるばかりか、それにもまして妻を追い出し、自分の兄弟の妻であったヘロデヤといっしょになることは絶対に許されないことであった。
それをヨハネは大胆に断罪したために、ヘロデの怒りとヘロデヤの恨みをかった。

ヘロデヤはことばを悪用し、サロメにパブテスマのヨハネの首を所望するようそそのかした。
ヘロデは動揺したが、優柔不断な性格のためにそれを断われず、再び罪を犯し、ヨハネを殺してしまった。
総督ピラトも同じ罪を犯した。
権力者の無責任で優柔不断な決定は、しばしば歴史に汚点を残してしまう。
パブテスマのヨハネの死をめぐって、人間の弱さと醜さが実に見事に描かれている。
私たちも、自分の弱さと優柔不断によって誤りを犯すことのないように、また個人的な感情や恨みによって罪を犯すことのないように、自戒したいものである。』



お祈りしますm(_ _)m
恵み深い天の父なる神さま
自分の弱さや優柔不断さで、誤りをおかすことのありませんように。
個人的な感情や恨みで、罪を犯すことがありませんように。
御言葉に従うことができますように、お導きください。
主イエス・キリストの御名によってお祈りします。
アーメン

マルコ福音書 洗礼者ヨハネ、殺される その2

2008年01月13日 | 新約聖書日記
つづき

新約聖書略解 日本基督教団出版局 を、まとめて。
『洗礼者ヨハネの殉教は、十二人の宣教によって彼の名が広まり、ガリラヤの領主ヘロデ(アンティパス)も彼について聞き、洗礼者を殺したことを想起するという設定で、導入される。
ヘロデとヨハネの関係を記す導入部と斬首に至る経過を語る本体に分けることができる。』


新約聖書注解Ⅰ 日本基督教団出版局 を、まとめて
『十二人の宣教活動をとおしてイエスの評判はますます広く知れ渡り、ついに「ヘロデ王の耳にも入った」。
ヨセフス(37~38年ユダヤ貴族生まれ。「ユダヤ古代誌」93~94年の著作。天地創造からユダヤ戦争勃発までのユダヤ人の歴史を叙述したもの。
異教徒に対してユダヤ人の歴史を護教的に述べて、ユダヤ教のよさを弁証しようとした。)によると、
ヘロデが洗礼者を処刑したのは民衆に対する彼の大きな影響力が騒乱につながるのではないかとの恐れからである。
洗礼者の処刑には、結婚批判という個人的な理由と騒乱の恐れという政治的理由が重なっていたかもしれない。
「ヘロデ王」はヘロデ大王とマルタケとの息子ヘロデ・アンティパス。
実際に王ではなく、ガリラヤ、ペレア地方の分封領主。

14~15節に記されている民衆の三つのイエス観について。
①洗礼者ヨハネは生前には奇蹟を行わなかったが、死から復活してからは奇蹟を行う力を持つようになったと考えられたのであろう。
②エリヤは終末の前にメシアの先駆者として再来することが期待されていた。
③「昔の預言者のような預言者」という表現はかならずしもモーセのような預言者を意味しない。
マルコにとってこれら3つのイエス観はいずれも不適切である。
福音書著者によれば洗礼者ヨハネはメシア・イエスの先駆者であり、再来のエリヤは洗礼者と同一視されるべきである。
イエスは確かに預言者的側面を有するが、
預言者以上の者、神の子、メシア、権威を持つ人の子である。

17~20節
ヘロディアはヘロデ大王とマリアンメ一世との息子アリストブロスの娘。したがってヘロデ・アンティパスの姪。
ヨセフス(「古代誌」)によるとヘロディアの前夫はトランスヨルダン地方の分封領主フィリポではなく、ヘロデ大王とマリアンメ二世との息子ヘロデ・ボエトスであった。
一方、フィリポの妻はヘロディアとヘロデボエトスとの娘サロメ。
洗礼者がつながれた牢は死海の東、マケルスの要塞の牢であったとヨセフスは報じている。
兄弟の妻との結婚はローマやギリシアの法律では問題なかったが、ユダヤの律法では近親相姦として禁じられていた。

ヘロディアと対照的に、ヘロデは「ヨハネは正しい聖なる人であることを知って、彼を恐れ、保護し、・・・(彼の言葉に)喜んで耳を傾けていた」。
「非常に当惑しながらも」という言葉の中には、自分の良心と妻との板ばさみになって悩むヘロデの姿を見ることができよう。
ついに彼は、宴会の席での軽率な約束を悪しき妻ヘロディアに利用され、洗礼者の処刑に追い込まれてしまう。
これは支配者の理想像には程遠い。』


新聖書講解シリーズ マルコ福音書 いのちのことば社 へ、つづく