聖書通読日記 2

2001年ペンテコステに受洗、プロテスタントのキリスト者

ローマの信徒への手紙2章 ユダヤ人と律法 その1

2010年11月23日 | 新約聖書日記
◆ユダヤ人と律法

『 2:17 ところで、あなたはユダヤ人と名乗り、律法に頼り、神を誇りとし、

2:18 その御心を知り、律法によって教えられて何をなすべきかをわきまえています。

2:19 -20また、律法の中に、知識と真理が具体的に示されていると考え、盲人の案内者、闇の中にいる者の光、無知な者の導き手、未熟な者の教師であると自負しています。

2:21 それならば、あなたは他人には教えながら、自分には教えないのですか。「盗むな」と説きながら、盗むのですか。

2:22 「姦淫するな」と言いながら、姦淫を行うのですか。偶像を忌み嫌いながら、神殿を荒らすのですか。

2:23 あなたは律法を誇りとしながら、律法を破って神を侮っている。

2:24 「あなたたちのせいで、神の名は異邦人の中で汚されている」と書いてあるとおりです。

2:25 あなたが受けた割礼も、律法を守ればこそ意味があり、律法を破れば、それは割礼を受けていないのと同じです。

2:26 だから、割礼を受けていない者が、律法の要求を実行すれば、割礼を受けていなくても、受けた者と見なされるのではないですか。

2:27 そして、体に割礼を受けていなくても律法を守る者が、あなたを裁くでしょう。あなたは律法の文字を所有し、割礼を受けていながら、律法を破っているのですから。

2:28 外見上のユダヤ人がユダヤ人ではなく、また、肉に施された外見上の割礼が割礼ではありません。

2:29 内面がユダヤ人である者こそユダヤ人であり、文字ではなく“霊”によって心に施された割礼こそ割礼なのです。その誉れは人からではなく、神から来るのです。

2:17 What about you? You call yourself a Jew; you depend on the Law and boast about God;

2:18 you know what God wants you to do, and you have learned from the Law to choose what is right;

2:19 you are sure that you are a guide for the blind, a light for those who are in darkness,

2:20 an instructor for the foolish, and a teacher for the ignorant. You are certain that in the Law you have the full content of knowledge and of truth.

2:21 You teach others-why don't you teach yourself? You preach, "Do not steal"-but do you yourself steal?

2:22 You say, "Do not commit adultery"-but do you commit adultery? You detest idols-but do you rob temples?

2:23 You boast about having God's law-but do you bring shame on God by breaking his law?

2:24 The scripture says, "Because of you Jews, the Gentiles speak evil of God."

2:25 If you obey the Law, your circumcision is of value; but if you disobey the Law, you might as well never have been circumcised.

2:26 If the Gentile, who is not circumcised, obeys the commands of the Law, will not God regard him as though he were circumcised?

2:27 And so you Jews will be condemned by the Gentiles because you break the Law, even though you have it written down and are circumcised; but they obey the Law, even though they are not physically circumcised.

2:28 After all, who is a real Jew, truly circumcised? It is not the man who is a Jew on the outside, whose circumcision is a physical thing.

2:29 Rather, the real Jew is the person who is a Jew on the inside, that is, whose heart has been circumcised, and this is the work of God's Spirit, not of the written Law. Such a person receives praise from God, not from human beings.』
(日本聖書協会 聖書 和英対照 和文・新共同訳 英文・TEV ローマの信徒への手紙より)


新約聖書注解へつづく

マルコ福音書9章 汚れた霊に取りつかれた子をいやす その2

2010年11月08日 | 新約聖書日記
つづき

新約聖書注解Ⅰ 日本基督教団出版局 をまとめて。

『ここには悪霊につかれた者の症状が二回にわたり相異なる仕方で述べられている。
群集の描写も不一致を感じさせる。
彼らは17節によるとすでにイエスのそばにいるはずであるが、25節の段階でイエスのほうに走りよってくる。
したがって17~27節には二つの伝承が融合されていると考えることが出来よう。
ここには信仰のテーマが組み込まれている。
14~16節は現在の形ではこの悪霊追放の伝承を前の場面と結びつけるための編集句。
17~18節はイエスの不在を前提としているので、14節においてもイエスが弟子達のところに戻ったということは伝承の段階で報じられていたはずである。
他方、群集のあいだでのイエスの人気を強調することはマルコ福音書の特色のひとつである。
17~27節の伝承においては群衆はほとんど何の役割も演じていない。
律法学者たちはマルコ福音書ではつねにイエスの敵対者として登場するので、ここでも弟子たちと律法学者たちのとの議論はマルコによる設定であろう。
弟子達だけに対するイエスの特別の教えを伝える28~29節も編集句。
事後に弟子達が家の中でイエスに尋ねるというモチーフはマルコ的である。

14節~16節
イエスと三人の弟子は山の下に残っていた「他の弟子たちのところに」来る。
16節のイエスの質問は律法学者たちに向けられたのであろう。
律法学者たちはイエスの問いに答えてないが、17~18節から判断すると、イエスが弟子たちに授けた「悪霊を追い出す権能」が問題になっていたものと思われる。
それは教会の問題でもあり、またイエスの権威にもかかわる問題である。
17~18節
病人は「ものが言え」ないだけではなく、てんかんの発作に襲われることがあった。
それは悪霊の仕業と考えられていた。たしかに病気は重く危険である。
ルカでは「悪霊は・・・なかなか離れません」と説明されている。
しかし弟子たちが悪霊を追い出せなかったのは、悪霊の力の強さゆえではなく、彼らの不信仰のゆえである。
19節
文脈から見ると、不信仰を嘆くイエスの言葉は弟子たちに向けられている。
彼らは「信仰のない時代」のいわば代表者とされる。
これまでは奇跡の条件として病人あるいはその友人の信仰が強調されたが、ここでは奇跡行為者の信仰が問われる。
20~24節
悪霊につかれた病人の絶望的な状態が描かれる。息子の発作は「幼い時からです」という父親の言葉は、この病気が薬ではいやされえないものであったことを示す。
さらに父親は息子が何度も生命の危険にさらされていると訴える。
「おできになるなら、わたしどもを憐れんでお助けください」「できれば」という不信仰を表す条件文はこれまでの奇跡物語には見出されない。
父親は弟子たちの失敗を知ってこう言ったのであろうか。
23節のイエスの言葉は奇跡を行う者ーここではイエス自身ーの信仰を再び強調する。
しかしこの言葉は他の奇跡物語と同様にいやされる者の側にも信仰が不可欠であることを教える。
24節の父親の叫びは、信じきることのできない絶望的状況にある者がなおイエスの助けによって真に信じる者とされることを願う信仰の叫びである。
父親も病気の息子と同様にイエスの助けを必要としている。
25~27節
イエスは「群集が走り寄って来るのを見ると」、直ちに「汚れた霊」を追放する。これは公衆締め出しのモチーフの一種といえる。
しかし群集の接近は17節を読んだ読者には不可解である。群集はすでにイエスのそばにいるはずである。
25節の群集は17節の群集とは別の人々であろうか。あるいは、イエスと病人はいったん群衆から離れていたのであろうか。いずれにせよ、この物語の不統一性から、前述したように、二つの伝承の融合が推測される。
28~29節
弟子たちは「あの霊」の追放について問うが、イエスは一般的に「この種のもの」について答える。
一般に悪霊は「祈りによらなければ決して追い出すことはできないのだ」。
先行の悪霊追放では祈りは何の役割も果たしていない。
しかしここでは、祈りは信仰の結晶と考えられている。弟子たちは祈らない者、すなわち信仰のない者と見なされる。
イエスの不在という点で、教会は山の下に残された弟子たちと同じ状況に置かれている。
この中で人間を悪の力から解放するためには祈りが不可欠であるーマルコ福音書の読者は29節の言葉をこのように受け取ったであろう。』



お祈りしますm(_ _)m
恵み深い天の父なる神さま
信じられないわたしを、信じることができる者にしてください。
信仰の無いわたしをお助けください。
祈ることができないわたしを、祈ることができる者にしてください。
祈りをお助けください。
主イエス・キリストの御名によって、お祈りします。
アーメン


「キリスト教神学入門」を読む 19

2010年11月07日 | 「キリスト教神学入門」マクグラスを読む
「キリスト教神学入門」A・E・マクグラス著 神代真砂実訳 教文館 7500円

☆725ページから750ページまで読んで。

第十七章 キリスト教と世界諸宗教
  西洋の多元主義と他宗教の問題
  諸宗教の捉え方
   啓蒙主義ー原初の自然宗教の堕落としての宗教
   ルートヴィヒ・フォイエルバッハー人間の感情の客体化としての宗教
   カール・マルクスー社会経済的疎外の産物としての宗教
   ジクムント・フロイトー願望の充足としての宗教
   エミール・デュルケムー宗教と祭儀
   カール・バルトとディートリヒ・ボンヘッファーー人間の発明としての宗教
  他宗教に対するキリスト教の態度
   特殊主義
   包括主義
   多元主義


宗教というものについてのいろんな考え方も知れたし、
キリスト教から、他宗教をどう見るかも、いろいろあった。

では。
次、最終章へ進みますm(_ _)m
どうやら、今年中に読了するという目標は達成できそうです。
第十八章 最後の事物
です。


「キリスト教神学入門」を読む 18

2010年11月05日 | 「キリスト教神学入門」マクグラスを読む
「キリスト教神学入門」A・E・マクグラス著 神代真砂実訳 教文館 7500円

☆690ページから724ページまで読んで

第十六章 サクラメント論
  サクラメントの神学の発展
  サクラメントの定義
  ドナティスト論争ーサクラメントの有効性
  サクラメントの機能
   サクラメントは恩恵を伝達する
   サクラメントは信仰を強める
   サクラメントは教会における一致と関与を強める
   サクラメントは神の約束の再確証である
  ユーカリストー実体的現臨の問題
   実体的現臨についての九世紀の論争
   実体変化説
   意味変化と目的変化
   共存説
   実体不在説ー想起説
  幼児洗礼をめぐる論争
   幼児洗礼は原罪の罪過を取り除く
   幼児洗礼は神と教会の契約に基づく
   幼児洗礼は肯定できない

サクラメントについての、
ドナティスト論争、カトリックとプロテスタントの違いや、
ルター、アウグスティヌス、ツヴィングリの考えが、よく分かって良かった。

次へ、進みます。
次は、第十七章 キリスト教と世界諸宗教 です。

マルコ福音書9章 汚れた霊に取りつかれた子をいやす その1

2010年11月03日 | 新約聖書日記
『◆汚れた霊に取りつかれた子をいやす

9:14 一同がほかの弟子たちのところに来てみると、彼らは大勢の群衆に取り囲まれて、律法学者たちと議論していた。

9:15 群衆は皆、イエスを見つけて非常に驚き、駆け寄って来て挨拶した。

9:16 イエスが、「何を議論しているのか」とお尋ねになると、

9:17 群衆の中のある者が答えた。「先生、息子をおそばに連れて参りました。この子は霊に取りつかれて、ものが言えません。

9:18 霊がこの子に取りつくと、所かまわず地面に引き倒すのです。すると、この子は口から泡を出し、歯ぎしりして体をこわばらせてしまいます。この霊を追い出してくださるようにお弟子たちに申しましたが、できませんでした。」

9:19 イエスはお答えになった。「なんと信仰のない時代なのか。いつまでわたしはあなたがたと共にいられようか。いつまで、あなたがたに我慢しなければならないのか。その子をわたしのところに連れて来なさい。」

9:20 人々は息子をイエスのところに連れて来た。霊は、イエスを見ると、すぐにその子を引きつけさせた。その子は地面に倒れ、転び回って泡を吹いた。

9:21 イエスは父親に、「このようになったのは、いつごろからか」とお尋ねになった。父親は言った。「幼い時からです。

9:22 霊は息子を殺そうとして、もう何度も火の中や水の中に投げ込みました。おできになるなら、わたしどもを憐れんでお助けください。」

9:23 イエスは言われた。「『できれば』と言うか。信じる者には何でもできる。」

9:24 その子の父親はすぐに叫んだ。「信じます。信仰のないわたしをお助けください。」

9:25 イエスは、群衆が走り寄って来るのを見ると、汚れた霊をお叱りになった。「ものも言わせず、耳も聞こえさせない霊、わたしの命令だ。この子から出て行け。二度とこの子の中に入るな。」

9:26 すると、霊は叫び声をあげ、ひどく引きつけさせて出て行った。その子は死んだようになったので、多くの者が、「死んでしまった」と言った。

9:27 しかし、イエスが手を取って起こされると、立ち上がった。

9:28 イエスが家の中に入られると、弟子たちはひそかに、「なぜ、わたしたちはあの霊を追い出せなかったのでしょうか」と尋ねた。

9:29 イエスは、「この種のものは、祈りによらなければ決して追い出すことはできないのだ」と言われた。

9:14 When they joined the rest of the disciples, they saw a large crowd around them and some teachers of the Law arguing with them.

9:15 When the people saw Jesus, they were greatly surprised, and ran to him and greeted him.

9:16 Jesus asked his disciples, "What are you arguing with them about?"

9:17 A man in the crowd answered, "Teacher, I brought my son to you, because he has an evil spirit in him and cannot talk.

9:18 Whenever the spirit attacks him, it throws him to the ground, and he foams at the mouth, grits his teeth, and becomes stiff all over. I asked your disciples to drive the spirit out, but they could not."

9:19 Jesus said to them, "How unbelieving you people are! How long must I stay with you? How long do I have to put up with you? Bring the boy to me!"

9:20 They brought him to Jesus. /As soon as the spirit saw Jesus, it threw the boy into a fit, so that he fell on the ground and rolled around, foaming at the mouth.

9:21 "How long has he been like this?" Jesus asked the father. /"Ever since he was a child," he replied.

9:22 "Many times the evil spirit has tried to kill him by throwing him in the fire and into water. Have pity on us and help us, if you possibly can!"

9:23 "Yes," said Jesus, "if you yourself can! Everything is possible for the person who has faith."

9:24 The father at once cried out, "I do have faith, but not enough. Help me have more!"

9:25 Jesus noticed that the crowd was closing in on them, so he gave a command to the evil spirit. "Deaf and dumb spirit," he said, "I order you to come out of the boy and never go into him again!"

9:26 The spirit screamed, threw the boy into a bad fit, and came out. The boy looked like a corpse, and everyone said, "He is dead!"

9:27 But Jesus took the boy by the hand and helped him rise, and he stood up.

9:28 After Jesus had gone indoors, his disciples asked him privately, "Why couldn't we drive the spirit out?"

9:29 "Only prayer can drive this kind out," answered Jesus; "nothing else can."』
(日本聖書協会 聖書 和英対照 和文・新共同訳 英文・TEV マルコによる福音書より)


新約聖書注解などへ、つづく