三谷てつおの県議会日記

三重県議会議員三谷てつおが議会での審議の内容やさまざまな出来事を報告。

「新しい時代の公」で犯罪激減??

2006年01月27日 07時51分59秒 | 社会、政治、三重県、議員
 企業のあいさつ回りのついでに、桑名警察署にお邪魔をした。年末の挨拶以来、ご無沙汰しているので、新年のご挨拶と思って寄ってみたのだが、生憎と署長は、本部での署長会議で留守。代わりに旧知の副署長が相手をしてくれた。
 署長室でお茶を飲みながら「最近の治安情勢」などを聞きながら「ところで検挙率は上がっているそうですね?」と本部の幹部の方々が議会で胸を張って報告している事項をさり気なく確認してみると・・・性格が素直でないのか?悪いのか?必ず「裏ドリ」をする、これ捜査の基本である・・・「検挙率が上がっていると言うよりは、発生件数が減っているのです」との意外な答えが返ってきた。
 ナンデも、住民の皆さんの自主的な防犯組織が立ち上がったところでは、犯罪の発生件数が激減していて、逆にそのような組織や活動のないところに移行してきているとのことである。
 桑名市内でも、今まで外国人犯罪を含めて、空き巣や忍び込みが多発していた「大山田団地」などでは、自主防犯組織が出来、活動を始めてから大幅に発生が少なくなったと、具体的な統計資料を示して説明してくれる。
 しかも、それら成果を挙げている「自主防犯組織」は、従来の官製・・・上から押し付けるとは言わないが、決まった人が、いつもの人たちと作り上げてきた組織ではなく、本当に下からの盛り上がりで、文字通り「自主」的に、さらには官からの指導や支援も余りないまま、出来てきた組織ほど活発で、持続しているとの話である。
 オオ~!これは「新しい時代の公」の警察バージョンか?ナマジの警察力の強化より、住民パワーの爆発の方が「犯罪抑制」に効果があるのか?新しい発見をした思いであった。
 確かに制服姿のお巡りさんがアチラこちらに立っていたり、パトカーがクルクルと廻っているのをヨク見るのは、ある意味では頼もしい感じがしたり、安心感が湧いてくるものであるが・・・そのような住民の要望も強いのは事実であるが、余り「警察力」が目立つのは、犯罪の抑制にはなるが、このような言い方をすると失礼かも知れませんがナントナク「息苦しい」と感じるのは私一人でしょうか?
 それよりも住民の皆さんが自主的に・・・決して強制されるのではなく、自分たちのコミュニティーは自分たちの力で守ろう!と立ち上がり、活動していただくことは、爽やかであるし、いろいろな分野での「コミュニティー」の再生にも繋がってくると思います。
 ただ、残念なのは、このような「公」を支える「多様な主体」・・・ここでは「自主防犯組織」の立ち上がりが、犯罪の多発!と言う、言い換えれば「警察力」だけでないが、社会の持っている「抑制力」の喪失に起因していると言うことである。また、「犯罪抑制」の分野を、どこまでを「官」がなすべきか?とかどこまでを「住民」がなすべきなのか?などの議論が、ほとんどなされないままに、現状の苛立ちの中で事が進んできていることも少し心配です。
 コノあたりの議論をキチンとして「犯罪抑制」と言う「公」の分野を「官」「民」でどう役割分担をするのか?明確にしていく必要があると思いますし、しなければならないと思います。
  
 でも、現状はそんな余裕はないか???