三谷てつおの県議会日記

三重県議会議員三谷てつおが議会での審議の内容やさまざまな出来事を報告。

この闇の真相は?

2012年07月26日 17時30分13秒 | 社会、政治、三重県、議員
 鳥羽港改修工事にかかる「公文書改ざん・廃棄」の事件に関して、その真相を究明すべく石垣副知事をキャップとする調査チームと第三者の立場からの評価・意見等を求める外部有識者委員会の設置が決定され、先日、第一回目の調査チームの会合があったと報じられている。
 まず指摘しておかなければならないのは、今回の事件の真相は、結果として浮かび上がって来ている表面的な「公文書改ざん・廃棄」の問題ではなく、なぜ「公文書」を「改ざん・廃棄」をしてまで、隠し通さなければならなかったのか?そこに一体、なにがあるのか?・・・このことである。
 これを明らかにしないまま、単なる「情報公開」にかかる「公文書の改ざん・廃棄」の問題に矮小化して幕引きを図ることなど絶対にないようにお願いをしたい。
 常識的に考えても「事故繰り越し」が認められずに「打ち切り清算」になったとしても、県費投入をして完成させる選択肢はあるわけであるし、今までもやむを得ず「事故繰り越し」となったと説明されてきている事業などは沢山ある。
 しかも当初から施工期間内に完成する見込みがないのは、国もある程度承知していると指摘される方もいる一方、私が持っている内部資料を読んでも国がいろいろとアドバイスというか「こういう方法もありますよ」的な指導も行っている。
 それらのことを考えるとなお一層、「なぜ、公文書の改ざん・廃棄」までして「なに」を「隠し通さなければならなかったのか」・・・この疑念が強くなるのである。
 工事は二っに分かれていて、一つがH造船が受注した「本体制作工」。もう一つがM工業が受注した「基礎・本体据付工」。
 なぜH造船一社入札なのか?なぜ99.8%での落札なのか?などは県民によく分かる形で説明を願いたいし、そのほか、鳥羽港改修工事に関しては実に様々な噂というか情報?が入り乱れて飛び交っている。
 その中には特定の人物名をあげて、「この人が介在している」とか「この人の圧力でこうなった」などという真贋が定かでない話も多いが、いずれにしてもこのような疑惑、疑問にも調査チームはしっかりと丁寧に応えていただきたい。
 そうでなく県土整備部一室の「公文書の改ざん・廃棄」の問題として、制度的な「再発防止策」と「関係者の処分」だけで、問題の本質を明らかにしないまま一件落着!てなことにもしなるようであれば、調査チームも同じ穴のムジナだ!と言われても、反論のしようがないと思いますし、そうならないように私どもも議会の立場で目を見開いて監視をしていかなければならないと思います。
 県庁の自浄力が問われている・・・まさにそこに県民の関心が集まっていると思います。

宮城県の災害ガレキ処理施設を訪問して

2012年07月14日 18時36分59秒 | 社会、政治、三重県、議員
 私ども新政みえは7月10日~12日まで、会派研修会を実施。その一環として三重県が受け入れを検討している「災害ガレキ処理施設」の視察を行いました。
 11日の朝、東京を発って一路、仙台に。仙台からバスで女川町へと入りました。女川町ではまず地域医療センターにある慰霊碑に参拝。

その後、女川町災害廃棄物処理施設を訪問。宮城県の担当の方や環境省の担当官から施設の概要やガレキ処理の現状などについて詳しく説明を受けました。

その中で災害廃棄物処理対象量は県が処理する分として当初予想の1107万tから676万tへと減少し、県内処理量の拡大(最大95万t)に努力しているものの、広域処理をしなければならないものが127万tあること、処理施設では厳密に放射線の測定などを実施していることなどの説明をうけました。
 つづいて施設の視察をさせていただき地上1メートルのところで1時間ごとに空間放射線の測定をしていること

ストックヤードから抽出した試料を遮蔽体内で遮蔽線量率の測定をしていること

さらにはコンテナ積み込み後の空間線量率の測定も厳密に行っていること

などの説明をうけました。
そして処理施設での最終工程は人間による手作業で分別を行い、異物の除去などの徹底を行っていること

など実際にこの目で視察をさせていただいたところです。
 一通りの視察が終わった後、意見交換会あり、視察団を代表して私から女川町はじめ関係当局のご努力に敬意と感謝を申し上げました。


女川町から石巻の処理施設へ。石巻は女川町とは比べ物にならないくらいの大規模なもの。被災地から運び込まれる災害廃棄物の一次仮置き場での粗選別、粗破砕から始まり二次仮置き場での機械破砕、焼却などの作業を経たものの搬出までを行っています。
 58ヘクタールの広大な埋め立て用地は見渡す限りの災害ガレキの山。巨大な焼却炉だけでもストーカー炉が3基、ロータリーキルン炉が2基と威容を誇っていますが、これらを合わせた宮城県内全29基の仮設炉をたとえフル操業しても4500t/日で、とても早期の全量処理の目途が立たないのが現状です。
(写真はロータリーキルン炉)
 広域処理には不安やご心配があるのは承知していますが、ぜひ一度、宮城なり岩手に行かれて自分自身の目で確かめられることをお勧めします。そうすれば、いかに安全に配慮した処理がなされているか?もうすでに仮設の焼却炉を新たに設置する場所がなくなっているか?などなどがよく分かると思います。
 宮城、岩手の復旧・復興を一日も早く成し遂げるためにも、災害ガレキの県内受け入れを促進していかなければならない!・・・その思いを新たにしたところです。

欧州調査を終えて!ポーランドでの感想?

2012年07月08日 13時50分23秒 | 社会、政治、三重県、議員
 7月1日(日)から今日8日(日)までの8日間、私と前田、舘、稲垣、田中智也、下野の6人でヨーロッパの中欧にあるポーランド、チェコそしてスイスに行ってきました。その3か国の中で今回は最初の訪問国であるポーランドについて述べさせていただきたいと思います。

 午前10時10分発のルフトハンザ機で中部空港を飛び立った私たちは11時間半かけてフランクフルトに。そこで乗り換えてさらに2時間、ポーランドのワルシャワに着いたのはまだまだ真昼のような明るい夜の7時前。
 
 翌2日は午前中にポーランド政府が出資をしている「海外投資情報庁(PAliZ)」で副庁長のMarek Lyzwa氏などから説明を頂きました。この中でポーランドがロシアを展望した時に、地政学的にきわめて優位な位置にあること、付加価値税が23%であるにもかかわらず民主制になってわずか20年であるが故に国民の消費性向が旺盛であること、35歳以下が45%と年齢構成が若いこと、また同時に失業率が13%に達するなど高学歴の若い労働力が期待できるなどポーランドにおける投資環境や経済の実態について詳しくレクチャーを受けました。

午後はポーランド国会議事堂(写真)などを見学した後「在ポーランド大使館」に。山中特命全権大使から日本が中国や韓国に比して遅れをとってきている現状、とりわけ温家宝首相を先頭に国を挙げてポーランド進出を図っている中国への警戒感と具体的動きが見えない歴代日本政府への危機感をあらわにした説明には正直、日本外交の限界をみる思いでした。
 「在ポーランド商工会」の皆さんとの懇談はさすが現地で苦労をされている方々のお話だけに興味深いものがありました。地元有名チョコレート企業を買収したロッテの高田氏、在ポーランド30年のNSKの榊原氏、三井物産の大石氏そしてポーランド三菱東京UFJ副頭取の小南氏とまさに現地日系企業を代表する方々が顔をそろえられ、4年ごとの政権交代で政治的には不安定な状況が続いたがここ6年少し安定してきたこと、道路・鉄道などインフラ整備が遅れておりそれが最大の課題であること、しかしポーランド人はまじめで働き者であることなど教えていただきました。
 最後のJETROでは志牟田所長からポーランドはロシアマーケットを睨んだとき優位性があるほか、社会主義下でいわゆる3K産業を担わされていたために技術競争力があると同時に、チェコなどと比べて賃金も比較優位性が高く海外進出の候補地としては魅力のある国である。またポーランド政府は投資企業に対して投資額に応じた税制上の優遇策を進めるとともに立地自治体も固定資産税の免除など多くの支援策を講じていることも教えていただいた。
 しかしこの国の歴史はまさにドイツ、ロシア、オーストリアなど周辺を取り囲む列強の思惑と軍事力により苦難と屈辱の連続でもありました。アウシュビッツの惨劇を振り返るまでもなく、ヨーロッパにおける悲劇の舞台でもあったわけです。それだけにドイツやロシアに対しては複雑な国民感情がある一方、今日まで直接的な利害関係のなかった日本には好意的であることも付け加えておきたいと思います。