三谷てつおの県議会日記

三重県議会議員三谷てつおが議会での審議の内容やさまざまな出来事を報告。

全国最安値の知事給与???

2011年06月28日 13時44分07秒 | 社会、政治、三重県、議員
 今日で「第2回定例会」が終わった。新しい議会構成の下、新知事を迎えての議会であったが、さほど盛り上がりもないまま、千秋楽を迎えた。しかしそれでもいくつかの大事なことが決まった。
 その一つが「第三者による報酬等の調査機関」の設置である。昨年来、議論を重ねてきたがナカナカ合意に至らず、仮死状態となっていたが、この度、ようやく日の目を見た。
 今回の決着への議論を聞いていると、知事報酬減額効果があったとは言え、昨年の反対論が一体、何だったんだろうと思ってしまうが、いずれにしても設置されたのは結構なことである。
 ぜひこの第三者機関で三重県議会議員としての職責を遂行する対価としての「議員報酬」の適正額をキチッとした根拠を基に算出いただきたいものである。当然のことながら、ここで出された答申は最大限、尊重されなければならないし、その覚悟がなければ第三者機関を設けるなどと言うことをするべきではないと思う。
 しかし同時に今回のことで分かったことは「知事給与」も何の根拠もなく決められていると言うことである。
 鈴木知事は自分が全国で最年少であることや行政経験もない初心者であるが故に知事給与全国最低にした旨の説明をしているが、常識的に考えても「給与額」が年齢や経験の多寡で決定されるはずもなく、単なる選挙に勝ち抜くためのパフォーマンスとその公約を実行したとの範囲を出ていないのは確かである。
 今までの「知事給与」は知事等特別職の「報酬等審議会」での有識者の方々からの答申を基に決められてきたが、そこでの議論の中心は財政規模や人口規模あるいは近隣府県との比較の中で全国中程度の「三重県」の知事給与はこれくらいが適切であろうと判断されてきたのが実情である。
 つまり「相対的」にこれくらいなら適切であろうと決めてきたのである。「全国最低」も結局は全国比較の中で相対的に一番安い金額に決定をしているだけで、「三重県知事」としての職責を遂行する対価としていくらが適切であるかの議論がまったく抜け落ちているのは寂しい限りである。
 このような議論をシッカリとした上で「絶対額」としての知事給与を考えていかないと、地方選挙に蔓延している「熱病」のようなポピュリズムと相対的比較論のコラボレーションで決まっていく流れを認めることになり、ひいては政治の劣化は避けられないものになってしまうのではないか。・・・ほんとうにそれなりに心配しています。
 でも真剣に「鈴木知事」としての「適正給与」をはじき出すと今回の「給与」でも多すぎる!なんてことになったりして???・・・それとも???

ほめるとすれば???

2011年06月24日 15時22分45秒 | 社会、政治、三重県、議員
 新知事就任以来、どちらかと言えば少し辛口に、もっとストレートに言えば多少皮肉っぽく「知事像」を皆様にご紹介をばしてまいりましたが、このあたりで知事のいいところ?・・・これはぜひ県民の皆様に知っていただきたいと私流に考える素顔の一端をご報告申し上げたいと思います。
 まず明るい!・・・これは掛け値なしに明るい!!余りの明るさにコチラが思わず怯んでしまうほど明るい。ただ単に意味もなく明るいだけでは、何か性格に問題があると思われる向きが居られうかもしれませんが、そんな詮索を受け付けないほど明るい。
 次にハキハキとしゃべる。日常の会話でも本会議や委員会の答弁でも、本当にハキハキと明瞭にしゃべる。答弁書の読み方も大きな声でよく分かるように読み上げる。おそらく小学校から国語の「読み方」だけは「5」の評価。これはおそらく間違いがないと思う。
 それに「頭」がいい。とりわけ「記憶力」が抜群である。ビックリしたのは予決委での総括質疑。建前としては事前通告なしのガチンコ勝負!となってはいるが、その実、企画員が「何を質問するの?」と聞き歩き、ほとんど質問内容は筒抜け状態ではあるが、それでも答弁書なしの知事答弁はさすがの私もこれには脱帽!部局長も刺激を受けて答弁書を持ってウロウロ。今まで通り読む者、知事の真似をして読まない者・・・少し混乱気味ではあるが、委員会質疑が面白くなったことだけは間違いがない。
 特に数字に強い。委員会が終わればすぐに忘れてしまうとは思うが、知事答弁でトウトウと数字を並べる。そんなもの覚えている者などはいないので、多少違っていても誰も指摘できないのはしょうがないとしても、なんせ数字を並べる。
 知事サイドの人に「どうやって数字を覚えるの?」と聞くと「知事はマーカーでスゥ~と線を引くと覚えてしまうんです」「私らは『マーカー読み取り機』と陰で呼んでいるんですよ」と教えてくれた。
 「マーカー読み取り機」か?人それぞれ色んな才能をお持ちであるが、「マーカー読み取り機」などという「人間サイボーグ」的才能はトンと聞いたことがない。まさに恐るべき相手である。
 来るべき9会議で、こんな有能?な知事を相手にどう攻めるかを、日夜真剣にビール飲みのみ考えているのであるが、まともに正面から攻撃しても難攻不落だとの意見もあり、「奇襲攻撃」とか「だまし討ち」とか敵が予想していない戦略・戦術をひそかに検討している。「卑怯」「汚い」などと言う罵詈雑言をものともせず、いかにして敵を倒すかだけをひたすら考えている。
 9月「代表質問」は一切、格調などかなぐり捨てて、恥も外聞も放り投げて、エゲツナク、ひつこく、70分一本勝負!!乞うご期待!!

大山鳴動して???

2011年06月23日 15時47分04秒 | 社会、政治、三重県、議員
 6月会議もいよいよ終盤。たいした波乱もなく28日の採決を迎えようとしているが!・・・が!である。何が「が!」であるかと申し上げると、この4月からの「すべてをゼロベースで」「一切の聖域なく」見直す!!とのアノ大騒ぎは何だったのであろうか?・・・このことがまさに「が!」なのである。
 先日の予算・決算常任委総括質疑で日沖議員が独特の丁寧と言うか慇懃と言うか思いっきり副詞、形容詞を目一杯つけて「ゼロベース」とか「聖域」などと余り言わないほうがいいのではと知事に注文をつけていた光景を思い出す。
 彼はそんな大仰な言葉を羅列するより、黙って静かに粛々とやればいいのではないか、要は実行が大切だ!と主張したのだ。
 そこで改めてこの3ヶ月を振り返ってみると、まず知事就任早々2日目、「伊勢新聞政経懇話会」でその成果が見えにくいと議会筋では評判がよくない「美し国おこし・三重」を知事自らがゴーサイン。
 県民注視の「新県立博物館」はスッタモンダのあげく「建設続行」。県立病院改革は既定路線通り。水力発電所の民間譲渡は1ヶ月程度の遅れでこれまた予定通り。
 何をどう検証、検討してこんな結果になったのかはよく分かりませんが、「何かが変わる!!」と言うことに期待をばして1っ票を投じた人たちはどう思っているのでしょうか?別に私は無理に変えなくってもとは考えていますが、イツカどこかでこの経緯については博物館だけではなく、ご説明をお願いをしなければならないとも思っています。
 しかも毎日やられている「ぶら下がり」や「定例会見」でも一向にお話がないのはどうしたことでしょう。
 「ゼロベース」も「聖域」にも関係のない「知事報酬」と「管理職給与」のカットだけでは甚だ「説明責任」が果たせていないのではと、他人事ではありますがついつい考え込んでしまいます。
 それでも知事肝いりの「行財政改革」や「県政ビジョン」の素案が9月会議には提示されるとのこと。そんなものに「先導・変革」でも期待をすべきなのでしょうか?それとも???

博物館は普天間か???

2011年06月16日 15時44分53秒 | 社会、政治、三重県、議員
 県議会6月会議は3日に新知事の所信表明、提案説明、全協での博物館建設続行宣言などで幕が開き、代表質問、一般質問そして今日は委員会と、順調と言うか大きな波乱もなく淡々と進んでいる。
 私自身も一般質問最終日のトリで質問をさせていただいたが、少し格調高くやりすぎたせいか、余り盛り上がりがないまま終わってしまい、反省をばいたしております。
 しかしまあ、「英敬ブログ」「政策集」「所信表明」知事大好きな「記者会見」などなど提供されている情報、材料はたくさんありますので、夏休みにジックリ時間をかけて精査、分析をし、9月会議に臨みたいと思います。
 その中でも特に知事の重荷と言うか野呂前知事流に言えば「負の遺産」になりそうなのが、「新県立博物館」。なまじ7つの前提条件をつけて「建設続行」を発表したがために、この条件克服がおそらく新知事の肩にズッシリとのしかかっているのでは?とかってに考えています。
 委員会で7つの前提条件の中でも特に難しそうな「現博物館を県負担なしに解決する」について「何か具体の解決策をお持ちか」と質問したら、どうもこれから検討するようで、この先一体どうなるのか、チョッと本当にチョッとだけですが心配をしております。
 なんせ「建設続行の前提条件」ですから、遅くとも9月会議中には「7つの条件はこんな方向で克服します」ぐらいのことを報告しないと、鳩山前首相の「普天間は最低でも県外」発言と同じになってしまいます。
 鳩山さんが自信たっぷりに「国外、県外」を言われていた時は、きっと鳩山さんは我々の知らない想像も出来ない解決策をお持ちだと信じていたが、結局、ナンにもお持ちでなかったことが判明し、その責任をとって総理を辞任された。
 約束通りの解決策がなければ、知事を辞任しなさいなどと野暮なことを言う気持ちは毛頭ありませんが、そうは言うものの公の場での約束ですので、綸言汗の如しとも言いますので、どうかこの夏、365日休まないなどと言わず、奥さんとどこか涼しいところでも行かれて名案をお考えていただきたいと思います。
 リーダーシップとは「決断と先見性」と仰る知事のことですから、きっと9月にはアッと驚く解決策をお示しいただけるものと大いに期待をいたしておりますが・・・名案がなければ一体全体どうなるのでしょうか???

漂流する新県立博物館???

2011年06月01日 14時32分56秒 | 社会、政治、三重県、議員
 「新県立博物館」の見直し議論の行く先がナカナカ見えてこない。新知事がゼロベースで見直し、検証とぶち上げてから2ヶ月近く経つが、一向にどこに落ち着くのか?何処へ向かっていくのか?担当部長や総括室長でも分からないらしい。
 新知事が前知事の時代に決定されたことや推進してきたことを見直されるのは勝手であるし、ある意味では当然であるが、未だ「議会」の声に耳を貸さないのはどうしたことか?
 3年前、前野呂知事が「新しい博物館を造りたい!」と議会に具体的に提案して以来、議会は知事サイドの「博物館構想」について議論をするだけではなく、議会独自の「博物館構想」を作ろうと政策討論会議で議論をしたり、博物館建設による中長期の県財政への影響を調査するため、議会の調査機関である有識者による「財政問題調査会」に諮問したりと様々な角度から「博物館問題」を検討、調査をしてきた。
 その結果、ライフサイクルコスト概念の導入や県民参加型博物館などいくつかの提言を執行部にさせていただき、議会の考えを博物館構想の中に反映することができた。
 そして最後に県民アンケートの実施を提案し、アンケート結果から明らかになった県民の「認知度」「周知度」に対する一層の努力を求める付帯決議を添えて「予算」を了とし、議決をした。
 新知事は「議会の議決は尊重する」と言うと同時に「ゼロベースで検証をする」と仰り、琵琶湖や大阪の博物館などを訪ねイロイロと勉強をされているようである。
 もし新知事の「議会の議決を尊重する」という言葉が口先だけでなく、本心であるならば、なぜ2年間にわたり議会がどのように検討、調査しどのような議論を積み上げ、その結果、どのような考えで議決をしたのか?を聞こうとしないのか?
 その議会議論の経緯と内容を知事なりに理解をした上で、琵琶湖や大阪に行かれるなら理解が出来るが、その最初の一歩、当然なすべきことをスッポリと省いて、何を一体、勉強、調査、検証をしているのか!
 どうも自分の「博物館」に対する考え方をまとめるに当たって、議会の考え方は余り参考にする気はなさそうであるので、そうであるなら、一日も早く、その「検証結果」を議会にお示しいただき、議会との真摯な議論を始めていただきたいものである。
 今さら申し上げるまでもなく、二元代表制というのは知事も民意の代表であると同時に議会も民意を代表している制度である。
 知事が自分の意思決定をするときに、ぜひとももう一方の民意を代表する「議会の声」にも耳を傾けていただきたい・・・こんなことを熱望するのは間違っているでしょうか?