三谷てつおの県議会日記

三重県議会議員三谷てつおが議会での審議の内容やさまざまな出来事を報告。

代表質問から見えてくる課題は???

2012年09月27日 19時26分53秒 | 社会、政治、三重県、議員
 9月24日、「新政みえ」からは日沖正信議員、「自民みらい」からは山本勝議員がそれぞれ会派を代表して質問にたった。お二人とも堂々としたいかにも「代表質問」にふさわしい風格?というかそれなりの内容の伴った立派な質問であった。
 そのお二人の質問を聴いて浮かび上がってきた問題点、課題を少し述べたいと思う。
 まず、共通して取り上げた課題は「鳥羽港改修工事に係る調査報告」と「再発防止策」、「南海トラフ巨大地震への対応」である。それぞれ取り上げた角度は違うが、知事答弁は少なからずガッカリしたと言うか期待外れのものであった。
 「部の幹部職員は、その業務の途中経過等をチェック・把握しておらず、結果だけで判断していると指摘されても仕方がない」と結果至上主義が蔓延していることを認めるとともに「県民の皆様からの血税により県行政を運営していることに対する緊張感が欠如している」との認識を示してはいるものの、その口根も乾かないうちに「仕事に対する責任感の強さの表れでもある」と庇ってみたり、「今回の事案によって、職員が委縮したり、業務へのモチベーションが低下するようなことは本意ではありません」と開き直って強弁を言い張っている。
 不正を正すと低下してしまうような「モチベーション」ならば、おそらく多くの県民は「そんなモチベーションなんてない方がいい!」「そもそも、そんなものをモチベーションとは呼ばないんだ!」と仰るに違いがない。このような認識と考え方から果たしてまともな「再発防止策」なるものが誕生してくるであろうか?大きな疑問を持たざるを得ない。
 「南海トラフ巨大地震」では今後の対応について「最新の科学的知見に基づき理論上の最大クラスのもの」との認識を示しながら「この想定を無視するわけではありませんが」とか「この想定は、国レベルの防災対策を検討するために推計された、あくまでも理論上のもの」といとも簡単に切り捨てて「100年から150年間隔で発生し、大きな被害をもたらした・・・こうした規模の地震が発生した際に、いかにして、人的・物的被害を最小限に食い止めるか」が大切で、そのための「地域防災計画の見直し、新地震対策行動計画」を策定していきたいと述べている。
 確かに「100年、150年間隔で発生している地震に対して地域防災計画の見直しなどを早急に進めなければならないことは当然のことであるが、中央防災会議の発表を「今回国が公表した、津波高や浸水予測図などの想定については、長期的な、災害に強い地域づくり、まちづくりを、市町とともに検討していくための『材料』として活用すべきもの」と単なる「材料」程度のものと決めつけているのはいかがなものか。
 当面の対策と並んで中長期の災害に強い地域づくり、まちづくりは極めて重要な課題であり、逆に言えばその視点のない当面の対策などと言うものは真の意味での防災対策とは言えないのではないか。きわめて不満な答弁である。
 山本議員は「危機管理体制」や「地域機関の見直し」も取り上げた。知事は「県庁内のすべての危機管理を総合的に調整するとともに、危機発生時に強い『指揮権限』を持つ危機管理統括監を設置」したと答弁をしている。
 この体制は業務上のミスから始まって「尖閣諸島問題」まで危機管理統括監を核として、迅速な組織内の情報収集・共有のほか365日24時間昼夜を徹して総合的かつ横断的な対応が図られているそうである。
 「尖閣諸島問題」でどのような総合的かつ横断的な対応を図られたのかを、今日まで迂闊にも気が付かず、統括監に大変失礼なことをしてしまったと反省をしている。ぜひ近いうちに教えてもらいたい。
 危機発生時に強い「指揮権限」を持つ危機管理統括監に比して、このたび麗々しく命名された「危機管理『地域』統括監」の指揮権限はいったいどうなっているのか?
 たとえば、いざ災害となれば一番働く、知事に言わせれば「迅速に復旧を完了させるため、昼夜を徹して献身的に業務に従事する姿をみますと・・・仕事に対する責任感の強さの表れ」と絶賛している建設事務所は誰の「指揮権限」によって動くのか?県民センター長?それとも本科の指揮命令???当然、警察、消防は別の指揮命令系統があり、病院、保健所は別の機関。「危機管理地域統括監」なるものの「指揮権限」を教えてもらいたい。
 単なる「調整会議」のときの司会進行役ならば仰々しい「危機管理地域統括監」などと言う名称ではなく、せいぜい「危機管理『調整』監」程度にした方がいいのでは。
 いずれにしても消化不良の「代表質問への答弁」であった。

夢と感動をありがとう!三重県民の一人として心からお礼を言います!!

2012年09月27日 18時33分26秒 | 社会、政治、三重県、議員
夢と感動をありがとう!三重県民の一人として心からお礼を言います!!

9月27日、津のホテルで「ロンドン2012パラリンピック競技大会・三重県選手祝賀会」が盛大に開催されました。
会場には陸上競技・男子車いす200m、400m、800mで銀メダルを獲得された鈴鹿在住の伊藤智也選手と車いすテニス・男子ダブルス・ベスト8進出を果たした斎田悟司選手が出席をされ、それぞれ感動的な挨拶をされました。
両選手の喜びの声を直接、お聞きいただくとともに会場に集った皆さんの感激をすこしでも感じ取っていただければ幸いです。

第3回みえ県政フォーラム(北勢地域づくり研究会)

2012年09月25日 18時10分07秒 | 社会、政治、三重県、議員
第3回みえ県政フォーラム(北勢地域づくり研究会) Edit Edit

9月24日、四日市地場産会館で開催された「北勢地域づくり研究会」での講演の模様です。講演と質疑応答を合わせて、全体で約2時間30分でしたが、YouTubeの関係で後半部分の質疑応答15分程度をアップしました。
1時間半にわたる質疑応答はかなり議会や議員の本質に迫る鋭いものも多く、私自身も本当に勉強になりました。
ほんのサワリ程度ですが、その時の雰囲気を感じ取っていただければ幸いです。

9月会議の論点はこれだ!!!その2

2012年09月21日 13時11分22秒 | 社会、政治、三重県、議員
 昨日に引き続いて「知事提案説明」における課題、問題点を挙げてみたいと思う。
 まず、「首都圏営業拠点」であるが、「首都圏において、誘客や販路拡大等の営業活動を戦略的、総合的に進めるために、平成25年の夏に東京日本橋に整備したい」とのことで8.969万8千円を計上している。なぜ日本橋なのか?「提案説明」では「日本橋は三井家をはじめとする伊勢商人ゆかりの地であり、また江戸時代には多くの人々が参詣した伊勢神宮への旅の出発地」であるがゆえに選定した旨述べられている。
 もし本当にこんな理由で「日本橋」を営業拠点に選んだとすれば、先行きは見えてしまっている。一見、もっともらしい理由を並べてはいるが、そんな情緒的なことよりも「戦略的」に「日本橋」が首都圏の中で、どう位置づけられているのか?三重県と何らかの取引を頂いている、もしくは頂きたい企業などからの利便性はどうか?ショウウインドウとして一般都民の感覚から見てどうなのか?などなど様々な角度から多角的に複眼的に検討して、決すべき事柄であり、伊勢神宮への出発点などと言うほとんど何の説得力もない理由で選定すべきではない。
 もっとも当初から「日本橋」に絞って検討作業を進めていたのではなく、結果として「日本橋」になり、その後付けの理屈として「伊勢商人ゆかりの地」とか「伊勢神宮への出発地」などと言っているが正解だとは思うが、もし本気でそう考えているとするならば、もう一度、拠点の立地から検討しなければならない。
 いずれにしても「今後、詳細を検討していきます」とのことで全体像がみえないまま「拠点」施設確保だけが先行している。なぜその平米数が必要なのか?どのような構想に従って内装等をしようとしているのか?このあたりを徹底議論をしなければ、「税金の無駄遣い」!と指摘を受けることになる・・・これが論点その5。
 次に「ライフイノベーション総合特区」。7月に「総合特区」として国から指定を受け、まことにめでたい限りであるが、「フードイノベーション」「ライフイノベーション」などの「イノベーション」の陰に隠れて、あまりと言うよりはほとんど語られることが無くなったのが「バレー構想」である。
 記憶が正しければ確か「クリスタルバレー」「シリコンバレー」「メディカルバレー」などがあったはずであるが、今はいったいどうなっているのか?鳴り物入りで誘致した「シャープ」は今や風前の灯状態。富士通は身売りのうわさでもちきり。この先どうなるのか?全く読めない状況が続いている。
 「新エネルギービジョン」も登場してきていることからも、この際、目新しい「イノベーション」構想も結構であるが、従来の「バレー」構想との関連、すみわけも含めて一度、きちっと整理する必要がなるのではないか?・・・これが論点その6。
 つづいて「子どもたちの学力向上県民運動」。「平成24年度全国学力・学習状況調査」の結果、三重県の公立小・中学校の平均正答率が全国を下回っていた」ことの対策として学校、家庭、地域が一体となって取り組む「みえの学力向上県民運動」を4年間にわたり展開するとのこと。そのために学識経験者、企業、学校、社会教育関係者を構成員とする「みえの学力向上県民運動推進会議」を設置するとしている。
 担当者に「どこか他の県で県民運動をしているところがあるの?」と聞くと「確か鳥取か島根の方で・・・」との返答。「そこでは成果は上がっているの?」と尋ねると「あまり上がっているとは聞いていません」と答える。「学力向上」を目指して「県民運動」??なにか「交通安全運動」とか「暴力追放運動」と勘違いをしているのではないか?
 そもそも「学力」とは何か?個々の児童、生徒が人間として自立していく上で、必要な知識であったり、応用力ではないのか。その「学力」を向上?させるために企業まで動員をして、一体全体何をしようとしているのか?そんなことよりも県職員の「法令順守向上県民運動」などを推進する方が先のように考えるがどうでしょうか?・・・これが論点その7。
 最後に「地域機関の見直し」。このことについては先の全協でN議員から「原理原則が見えない」と指摘があったように、一言でいえば「哲学なき改革」である。
 別に北川元知事を褒めるわけではないが、北川行革における「出先機関改革」はそれなりの「哲学」があった。ニヤー・イズ・ベストの考え方、すなわち県民生活に関することは、できるだけ県民の身近なところで判断し、決定するべきであるとの考えに立ち、県の出先である「県民局」に一定の権限と財源を与えるという改革を実行した。
 野呂知事は県民局を県民センターに改組するとともに、現業部門を本科直結とし、市町村が最大のパートナーと称しながらも、その実、橋渡しの責務を負う県民センターに実質的な予算を含めての権限を与えず、県民センター長は市町からも軽んじられる存在に堕してしまったのである。
 今回、改革をする、見直しをするとすれば、まずいの一番に「県の出先」の使命、責務を明確にしたうえで、その権限、在り方を論ずべきであるにも拘わらず、鈴木県政を貫く「哲学」が一向に見えないまま、「防災機能」に特化してみたり、「南部地域振興」を語ってみたりしている。
 「県組織」は「知事の政治哲学」そのものである。明確に「哲学」を示したうえで「出先改革」を論ずべきと考える。・・・これが論点その8。
 以上、考え付くままに「知事提案説明」の課題、問題点を拾い出してみた。まだまだ、あれもあるよ、これもあるよとのご意見もあると思いますが、大いに論じることが大切と思っておりますので、9月会議に向けて一層、精緻に分析をば致しまして、議会としての責務を果たしたいと考えております。乞う、ご期待!!!

9月会議での論点はこれだ!!!その1

2012年09月20日 18時15分03秒 | 社会、政治、三重県、議員
 県下各地で警報が発令され、土石流による避難勧告や避難準備勧告さらには「災害対策本部」設置などで防災関係職員や市町関係者が走り回っている最中、9月会議がスタートした。まさにこれからの議会議論を暗示するかのような開会日である。
 各議論の問題点はおいおい掘り下げていきたいと思うが、今回は「知事提案説明」について感じたことを申し述べたいと思う。
 まず最初に指摘しておきたいことは従来の9月会議冒頭で示してきた「県政運営の基本的考え方」を廃止し、新たに「経営方針」なるものを10月に出すので、「考え方」はその中で示したいと突如、申し出てきたことである。知事・執行部側の考え方、言い分はそれなりにあるにしても、議会に十分な説明もないまま、議会が持つ政策決定の基本的プロセスの一方的変更を求めてくるのは文字通り「議会軽視」のそしりを免れない暴挙と言わなければならない。
 従来であれば最初に「県政運営の基本的考え方」が示され、次に「基本方針」が出、つづいて「予算調整方針」が策定され「予算編成」に入るという一連の流れがあった。議会はその都度、議論をさせて頂き、議会の意見を執行部に申し入れ、最終的に「住民を代表する機関」としての「議会の意思」が反映された「予算」の実現に努力をしてきた。このことが全く無視されたのが、今回の「経営方針」騒動である。
 議会からの抗議を受けて、不承ブショウかどうかさだかではないが「知事提案説明」の中に「基本的考え方」を盛り込むことを執行部側が了承したのが、この「知事提案説明」である。それだけにこの「提案説明」の内容には「県政運営の基本的考え方」が含まれていることを十分に認識したうえで、分析をしていかなければならない。
 「提案説明」は「鳥羽港改修工事における一連の事案についてお詫びいたします。」から始まった。当然と言えば当然で、これだけの不祥事が起きたのであるから、真相を明らかにしたうえで、県民の納得のいく再発防止策を出してこなければならない。本会議の後の全員協議会でも議論となったが、庁内に「再発防止対策チーム」を設け、専任職員を配置する「身内のチェック」ではなく、また「外部有識者から評価・意見を求める」ことで「客観性、妥当性」を確保するなどと言う小手先のカモフラージュを駆使するのではなく、真に「客観性、妥当性を確保」するのであれば、「第三者」の手によって直接聞き取りなどの調査をしていただき、結論を得ることこそ県民の皆様が納得する道であると確信するところである。・・・これが論点その1。
 次の「南海トラフ巨大地震への対応」では、なるほど千年・万年単位の時間軸で捉えた発生しうる最大クラスの地震、津波への対策よりも「概ね100年から150年ほどの間隔を持って、実際に繰り返し発生し、大きな被害をもたらしてきたような地震」への対応を優先するのは十分理解できるが、「千年・万年単位で発生しうる最大クラスの地震、津波」を視野に入れた「地域づくり」「街づくり」を100年、150年の時間軸で実行していく具体的な対策を「三重県新地震対策行動計画」に盛り込むことができるか?このことが今回の「中央防災会議」の狙いであり、単に「アクションプラン」を「行動計画」と言い直したものに絶対にしてはならない!その認識があるかどうか?・・・これが論点その2。
 その次は「森林づくりに関する税」。この「森林税」は議会から提案した経緯もこれありで、その使途、税額などはこれまで相当な議論の積み上げがある。そして増税故に慎重にも慎重を期して「検討会」を設け、想定通りとはいえ、そこからの答申を受けた形で、今回、知事は導入への決意を表明した。「提案説明」からは必ず実現をする!との強い意欲が読み取れるのであるが、担当部はその知事の意欲をどこをどう読み違えたのか?こともあろうに名称を「きずな税」としたのである。
 東日本大震災以来、「きずな」と言う言葉は復旧・復興に立ち上がる人々の心の支えとして、あるいは絶望から希望へと歩み始めた人たちの気持ちを端的に表す言葉として、多くの国民を勇気づけてきた「言葉」である。それをこともあろうに「税金」の名称に使うとは!いったいどんな神経をしているのか?頭の中を断ち割って見せてもらいたいものである。「きずな」を冠した「税」ならば県民も文句は言うまいとのスケベ心が透けて見える。即刻撤回すべきと考える。・・・これが論点その3。
 つづいて「産業振興における海外展開戦略」。7月に策定した「みえ産業振興戦略」に位置づけされている「海外展開戦略」に基づいて知事を団長とする「ミッション団」が9月13日から16日にかけて「中国」と「タイ」を訪問した。これはこれで結構な話ではあるが、知事の「提案説明」では中国の事は一言半句も触れず、もっぱらタイでの成果をとうとうと述べている。担当部は「中国は大成功」と胸を張っているが、本当に「大成功」ならば、なぜ発表をしないのか?この微妙な時期にどんな成果が上がったのか?事業費に見合う結果が出ているのか?いったん決めた事業であるので、見通しは真っ暗ではあったが「強い責任感」で実行したのか?ぜひとも知りたいところである。・・・これが論点その4。
 残り「首都圏営業拠点」「子どもたちの学力向上県民運動」「地域機関の見直し」「ライフイノベーション総合特区」などについては次回ブログにて私の考え方を申し上げる予定。
 いずれにしても課題山積、問題山積、徹底議論の必要なことばかりの9月議会の幕開けとなりました。今から執行部に「避難勧告」「避難準備勧告」をしておきたいと思います。

「鳥羽港改修工事に係る調査報告書」は真実を語っているか?その3

2012年09月13日 18時39分43秒 | 社会、政治、三重県、議員
 昨日(9月12日)、三重県議会において「鳥羽港改修工事」に関する様々な疑惑について「県土整備常任委員会集中審議」が行われ出席をした。当局からは「調査報告書」並びに「再発防止対策」の説明があり、その後、委員からの質疑、質問へと移って行った。
 各委員の疑問は「ハイブリッドケーソンの制作工期とそれを据え付ける工期が同じなのはおかしいのではないか?」とか県が施工業者からの証言を根拠に「不正はなかった」と主張しているのは理解できないなどと多岐に渡ったが、最後は当初から「事故繰り越しありき」の契約ではなかったのか?の一点に収れんしていった。
 まさに今回の疑惑の最大のものはこのことであり、「事故繰り越し」が前提の契約であったのかどうか?・・・このことが明快に説明され、報告書を読んだ人がストンと腑に落ちなければ、疑惑を解明したことにはならない。
 まず誰でもが不思議に思うのは1回目の入札が不調に終わり、2度目の入札の結果、H造船が1者入札で99.99%で落札。9月14日に契約を結んだ僅か2週間後の9月28日にH造船が県志摩建設事務所に対し、3月末の工期の6月末までの延長を申し入れ、あっさりと認められたことである。
 全国で大型の公共工事実績が数あるH造船が、事故繰り越し以外に認められない2度目の繰り越しを申し入れることは、事前に県当局の暗黙?の了解なしには考えられないし、ましてや公共事業の専門家集団である「県建設事務所」がいとも簡単に「了」とするなどと言うことは、契約前に双方が何らかの形で合意していた以外に説明がつかない。
 推測するに、この「事故繰り越し」の了解があったが故に、H造船は慌てることなく、自社にとって一番有利な工程で「ハイブリッドケーソン」の制作工事を行い、翌年の22年1月15日に「本体制作工」の竣工検査を4月30日とする「施工計画書」を提出しているのである。
 「ハイブリッドケーソン」が4月30日に出来上がって、どうやって3月末に据え付けが終わるのか?誰が考えても辻褄が合わない話である。
 その据え付け工を請け負ったM建設工業が21年2月1日付けで申請し22年2月9日付で鳥羽海上保安部から許可を得た「工事許可申請書」を見ると工期は22年2月15日から22年4月13日となっており、その横に手書きで5月10日と書き添えられている。
 これら一連の不可思議な日付が並ぶ書類の流れは何を語っているのか、事前に何らかの「事故繰り越し」ありきの合意があったと考えるならば、すべて疑問に明快な説明がつくのである。
 県の説明は「そのようなものはない!」「H造船とは3月末までの工期で契約をしている」とのことであるが、もし、県の説明が正しいとするならば、H造船は当然のことながら「3月末の契約工期」までに工事を完成できなかったのであるから、明らかな「契約違反」であり、県は「違約金」の請求を行うとともに「総合評価」等における「評価点」を切り下げる措置を取るべきである。
 逆に言えば、県がそのような措置がとれないということは県に表に出せない「弱み」があるか、双方の「事故繰り越しありき」の合意があったことになる。
 18日の全員協議会で「再発防止」の説明をするとのことであるが、「強い責任感」ゆえに行ったことであり「職員のモチベーション」が下がるようなことがあってはならないとの配慮から中途半端な「再発防止策」なるものを検討しているとすれば、ますます県政に対する「信用」は低下するのが目に見えている。
 現に南伊勢町の奈屋浦漁港消波堤の災害査定では、国から厳しい結論を突き付けられている・・・つまり県の提出する「申請書」の信用が揺らいでいる事態に陥っているのである。
 三重県の国や県民からの「信用」を取り戻すためにも、勇気をもってすべてを県民の前に明らかにすることが求められているのではないか。その一歩を踏み出すことができるかどうか?ここに失われつつある県政に対する「信頼」を回復する道があると考えますが、いかがですか?
 

「鳥羽港改修工事に係る調査報告書」は真実を語っているか?その2

2012年09月01日 11時27分10秒 | 社会、政治、三重県、議員
 今回の報告書を読んでびっくりしたことの一つは第4章まとめの「共通する背景・要因」として「公共事業の執行に対する強い責任感」を挙げていることである。「国の補正予算による補助金を活用し、事業を完了させたいという強い責任感が職員にあった」と堂々と書かれている。
 アレ?このロジックはかって聞いたことがある!そう思った方はナカナカ記憶力のいい方である。そう忘れもしない「官官接待」の時の論理とうり二つ。100万円料亭で使っても1億円の補助金をとってくればいい。・・・この種の「強い責任感」が三重県庁では未だ活きていると言うことをこの報告書は見事に証明している。
 もう一つ驚いたのはH造船が「99.99%」で落札したことを「工期の厳しい工事であったため、コストが高く、利益の出しにくい工事であり、工期内での完成にリスクがあったことから、公表されている予定価格に近い価格で応札となった」「したがって、H造船にとって有利な落札ではなかった」と容認どころかお墨付きを与えていることである。
「工期内での完成にリスク」については、すでに7月26日での本ブログ「この闇の真相は」8月5日の「闇はますます深くなるのか???」で触れているが、その時書けなかったことなどを含め改めて近いうちにご報告をする予定である。
 「99.99%」の落札が「有利な落札ではなかった」とするならば、いったいどれだけの数字ならば「有利な落札」になるのか?ぜひ教えてほしいものである。
 同じ県土整備部発注の工事で、今年6月まで1者入札あるいは多くて2者入札で落札率98%前後を繰り返していた工事がある。一種の特殊工事であるが、地域要件などに加えて3000万の工事でも1億の実績を要求するなど複数の要件が組み合わされることにより、施工可能業者が結果?として極めて限定されてしまう。・・・そんな仕組みがごく当たり前のようにまかり通っていたのである。
 今回が同じだとは言わないが、「鋼構造物業者」へのこだわり、「制作ヤード」の変更などなどいくつかの要件が積み上げられた結果、限定的な業者しか入札に参加できなかったのではないか?
 このようなことも厳密に検証されたのかどうか?報告書からは読み取りづらいところである。
 ぜひ詳細な検証結果をご報告願いたい。石垣副知事の「強い責任感」に期待するところです。